低脂肪、低カロリー、糖質ゼロ。ダイエットで優先すべきはどれ?

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執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー)
医療監修:株式会社とらうべ


健康志向や痩せ志向が広まり、スーパーやコンビニでも低脂肪や低カロリー、糖質ゼロなど、ダイエットをサポートするような製品がたくさん売られています。


ダイエットをするときに、これらの表示はどれを優先すべきなのでしょう?

それぞれの表記の意味から考えてみると、よくわかります。

ご一緒に見ていきましょう。

表示の意味を正しく理解しよう

まずは、それぞれの表示の意味を正しく理解しましょう。

低脂肪

栄養表示基準では、低脂肪は「脂質量が、食品100gあたり3g以下もしくは飲料100mlあたり1.5g以下」と定義されています。

また、乳製品においては別の定義があります。

・低脂肪牛乳


原材料が生乳100%で、無脂肪乳固形分8.0%以上、乳脂肪分3.0%以上のものを「牛乳」と言い、乳脂肪分0.5%以上1.5%以下のものを「低脂肪牛乳」と言います。

・低脂肪乳


原材料が生乳+生乳以外の乳製品で、無脂肪固形分8%以上であれば「加工乳」と言い、それ以下であれば、含まれる無脂肪固形分の割合により「低脂肪乳」「無脂肪乳」に分類されます。


ここで気をつけたいのが、「低脂肪=低カロリー」とは限らないことです。なぜなら、脂質を減らした分、甘みを添加することは少なくないからです。

実際に、「低脂肪」と記載されているヨーグルトでも、製品によりカロリーは異なり、A社の普通ヨーグルトとB社の低脂肪ヨーグルトのカロリーが同じということもあります。

低カロリー

栄養表示基準では、低カロリーは「食品100gあたり40kcal以下もしくは飲料100mlあたり20kcal以下」と定義されています。

カロリーが低いことをあらわす同じ意味の言葉に「ローカロリー」「カロリーひかえめ」「カロリーライト」「カロリーオフ」などがあります。500mlのペットボトル飲料だったら、100kcal以下なら「低カロリー」と言うことです。

ちなみにですが、「カロリーゼロ」は「100mlあたり5kcal未満」と定義されています。

糖質ゼロ

糖質ゼロは、「糖質が食品100gあるいは飲料100mlあたり0.5g未満」と定義されていて、同じ意味の言葉に「無糖」「ノンシュガー」「シュガーレス」などがあります。

また、糖質が食品100gあたり5g以下もしくは飲料100mlあたり2.5g以下であれば、糖質が低いことをあらわす言葉に「糖質カット」「低糖」「微糖」などがあります。

量をあらわす言葉と一緒に、糖質・糖類・シュガーなどの記載によって、その量に該当する糖質の種類が変わります。

具体的に見ていきましょう。

・糖類


単糖類(ブドウ糖、果糖)と二糖類(砂糖、乳糖、麦芽糖)のみ

・糖質


単糖類(ブドウ糖、果糖)と二糖類(砂糖、乳糖、麦芽糖)に加え、多糖類(オリゴ糖やでんぷん、デキストリンなど)、糖アルコール(キシリトールなど)、甘味料など

・砂糖(シュガー)


二糖類である砂糖のみ

糖類は糖質の一部、さらに、砂糖は糖類の一部です。

砂糖などの使用をなるべく避け、多糖類、糖アルコール、甘味料を用いることで「糖類ゼロ」と記載しているものもあります。


「糖類ゼロ」だからといって糖質がゼロとは限らないため、何がゼロなのかを確認することが必要です。

ダイエット中は何を選ぶ?

ダイエットとは、余分な脂肪を食事や運動によって減らすことを言います。

身体で使うエネルギーが、取り入れるエネルギーを上回れば余計な脂肪がエネルギー源として燃やされます。

カロリーとはエネルギーの単位で、摂取するエネルギー(カロリー)を減らせばダイエットにつながると言えます。

ダイエットの時には、食事バランスに気をつけながら、低カロリーを選ぶことが基本です。その上で、低脂肪や糖質ゼロなどの食品を上手に利用しましょう。

その際には、「落とし穴」に気をつけて、食品表示を活用しながら正しく選択をすることが大切です。

<執筆者プロフィール>
山本 ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー。
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中

<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供