絶叫するくせに気付くと背後に居るゾンビが怖い  - 映画『レ・アファメ(原題)』より
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 現地時間7日、第42回トロント国際映画祭でカナダのフランス語圏であるケベック州発のゾンビ映画『レ・アファメ(原題) / Les Affames』のワールドプレミアが行われた。「ジャンル映画を作るのが難しいケベックで製作することができた」とプロデューサーに感謝したロバン・オベール監督は、本作を近年ブームのゾンビ映画と一味違う、なかなかグッとくる作品に仕上げている。この日は、最強の女性ゾンビハンターを演じたブリジット・プパール(『ぼくたちのムッシュ・ラザール』)も登壇した。

 本作の特徴は、ゾンビが全速力で追いかけてくるだけでなく、人間を見つけると「ギェェエェェェェエェェェ!!!!」とすさまじい音量で絶叫して仲間を呼び寄せる点と、ブリジットが演じたナタでゾンビをぶった切るヒロインを筆頭に、生き残りの一団の多くが女性(子供〜中高年)や少年&おじいさんという点。オベール監督はサスペンスの中にユーモアを盛り込みつつ、一切の説明ゼリフなしでストーリーを美しく物語っており、終盤の展開には不覚にも心動かされた。

 ブリジットは「彼らはヒーローではなく、サバイバーだという点が面白さを生んでいるのだと思う。彼らは“家族”を再び築いていき、説明されることはないけれどそれぞれにバックストーリーがある。そうしたキャラクターを演じるのは楽しかった」と語るなど、俳優たちがそれぞれに力量を発揮することができる撮影現場だったよう。撮影はオベール監督の地元で行ったといい、「映画に出てくるのは僕の馬、僕の森だよ」と笑顔を見せた。

 また、劇中では結構な量の血が流れるが、それらは撮影後に効果を足したのではなく、実際にシロップを使って作ったものとのこと。ブリジットは「ベタベタしていて甘かった。“ブラッド・ブラザー”と呼ばれている二人組がいて、そこら中に血をまき散らしていたの」と楽しそうに振り返っていた。(編集部・市川遥)

第42回トロント国際映画祭は現地時間17日まで開催