撮影中の河瀬直美監督(中央)と永瀬正敏、
ジュリエット・ビノシュ

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 河瀬直美監督が、永瀬正敏とフランスの名女優ジュリエット・ビノシュをダブル主演に迎え、新作「Vision」を製作中であることがわかった。河瀬の故郷でもある奈良を舞台に、山間で生活する男とフランスからやって来たエッセイストが心を通わせるさまを描く。全編を通して奈良ロケを敢行しており、現在撮影が進行中だ。

 今作の企画は、5月に開催された第70回カンヌ国際映画祭で河瀬監督と今作のプロデューサーを務めるマリアン・スロットが出会ったことで始動した。スロットが河瀬監督とビノシュを引き合わせ、以前から互いを尊敬していたという2人は意気投合。ビノシュが河瀬監督の次回作への出演に意欲を見せたことで、6月には製作が決定した。

 河瀬監督は、「今年のカンヌでジュリエット・ビノシュに出会い、彼女とともに『映画』を創りたいと思った瞬間から、すべての準備がパズルのピースように次々と奇跡的にはまっていき、カンヌから帰国して3カ月ほどで、ゼロからの企画がこうして立ち上がりました」と経緯を説明。「ジュリエットの映画に対する姿勢とフレームのなかの存在感は圧倒的です。彼女もやらなければいけない映画という使命と運命を感じてくれていて、日本の奥深い森に来るのは長年の夢だったと聞きました。これからの撮影が楽しみです」と意欲的に語っている。

 一方、カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭、ベネチア国際映画祭の世界3大映画祭で女優賞を獲得してきたビノシュは、「フランスで河瀬監督の作品は非常にリスペクトされていて、彼女が紡ぐ表現方法などとても独特で素晴らしいと感じていました」と河瀬監督へのリスペクトの念をにじませる。さらに「昔から、日本の、特に地方を訪れてみたいと思っていました」といい、すでに撮影中だったハリウッド映画のスケジュールを調整し、奈良での撮影に参加していることを明かした。

 「あん」(2015)、「光」(17)と河瀬監督とタッグを組んできた永瀬は、「再び奈良の地で河瀬監督の世界に浸らせていただけること、とても光栄です」と歓喜。「今年のカンヌ国際映画祭で偶然にも出会った3人が、わずか3カ月後、同じゴールを目指し未来へ向かっている……。日本を代表する、フランスを代表する、という肩書きにはもはや収まらない河瀬直美監督とジュリエット・ビノシュさんとともに、しっかりとその未来を見つめたいと思っています」とコメントを寄せている。

 世界中を旅しながら紀行文エッセイを執筆しているフランス人女性のジャンヌ(ビノシュ)は、あるリサーチのため奈良・吉野を訪れ、杉の木立が連立する山間で生活する山守の男・智(永瀬)と出会う。2人は、大自然のなかで、言葉や文化の壁を超えて心を通わせていく。

 「Vision」は、2018年に全国で公開。