厳選! 2歳馬情報局(2017年版)
第15回:デルニエオール

 デビューを控えた2歳馬の中には、今年も偉大な兄姉を持つ注目馬が数多くいる。栗東トレセン(滋賀県)の池江泰寿厩舎に所属するデルニエオール(牝2歳/父ステイゴールド)もその1頭だ。


偉大なる母オリエンタルアートの、最後の子となるデルニエオール

 父ステイゴールド、母はオリエンタルアート。そう、全兄には「怪物」の名をほしいままにしたオルフェーヴルがいる。

 オルフェーヴルは、2011年に牡馬三冠(皐月賞、日本ダービー、菊花賞)を達成し、生涯でGIを6勝した稀代の名馬である。さらに、2012年、2013年と「世界最高峰のレース」とされるGI凱旋門賞(フランス・芝2400m)に挑戦し、2年連続で2着と健闘。その強さは、まさに”世界レベル”だった。

 その上の兄にもまた、GI3勝を挙げた名馬がいる。同じ父を持つドリームジャーニーだ。450kg前後のオルフェーヴルより、さらに小柄だったが、パワフルな末脚を武器にして活躍。2009年には、宝塚記念、有馬記念と春秋のグランプリ制覇を遂げた。

 これら秀でた兄たちの存在があって、生まれたときから注目されているデルニエオール。すでにデビュー前の育成の段階から、周囲のスタッフはその素質の高さを感じていたようだ。ノーザンファーム空港牧場の伊藤賢氏は、春の取材でこう話していた。

「(兄たちと似て)体は小さいのですが、それを感じさせない動きを見せています。すごく軽いのに力強くて、動きに関しては言うことがないですね。心臓も強くて、バテるイメージがわきません。(オルフェーヴルは気性難でも知られていたが)この子は気性もよくて、無駄なうるささがなく、稽古にいくとキッチリ走ってくれます」

 同じ母から3頭のGI馬が生まれることは、稀(まれ)だ。とはいえ、育成担当からこれほど評価されているとなれば、期待せずにはいられない。

 そのデルニエオールは現在、池江厩舎に入厩。デビューに向けて調整を重ねているが、そこでも高い評価を得ているという。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「池江厩舎はオルフェーヴルとドリームジャーニーを管理しましたが、この妹に対しても評価が高いですね。『センスのいい走りをするし、追い出すと沈み込むようなフォームで素晴らしい』とのことで、『新馬戦から楽しみ』と話しています。気性もコントロールできるようで、あとはレースを使う中で『うるさい面が出なければ』と見ています」

 また、彼女の”見た目”からも、周囲の期待度は増しているという。先述のトラックマンがその理由を明かす。

「(デルニエオールは)顔がオルフェーヴルにそっくりなんですよ。流星(馬の額に入る白い筋)もすごく似ています。私も実際に見たのですが、本当にそっくり。ファンのみなさんには、そこにも注目してもらいたいですね」

 実はデルニエオールが生まれてからわずか3日後、母オリエンタルアートがこの世を去った。彼女にとって、デルニエオールは最後の子となる。 デビュー戦の予定は、9月10日の2歳新馬(阪神・芝1400m)。偉大な兄オルフェーヴルと同じ雰囲気を持つ彼女が、どれだけのパフォーマンスを見せるのか。天国にいる母もしっかりと見守っていることだろう。

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