経験不足を心配された植田直通が渇望していること

• 経験不足を心配された植田直通が渇望していることを、筆者が紹介している
• 植田はW杯出場への期待が高まる試合を、むしろ「チャンス」とし出場を渇望
• 「『この大舞台でやってやる』という気持ちもあります」と語っている

日本代表メンバー発表の記者会見で、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督に厳しい質問が投げかけられた。スターティングメンバーとして予想される吉田麻也、昌子源が負傷したとき、交代選手として目される植田直通、三浦弦太に経験がないというのだ。

確かに植田も三浦もまだ日本代表戦での出場はない。攻撃陣に関しては新顔を積極的に起用する監督だが、守備陣については保守的な姿勢をみせてきた。その積み重ねが、合宿招集経験の多い植田でも未出場という状況を生んでいる。

植田や三浦は出場するとなると、ワールドカップ出場が決まる試合の、厳しい場面で初登場することになるだろう。そんなシチュエーションが予想される中で、植田はどう考えているのか。

「出場する覚悟は常に持っていますし、持っている選手がここに集まってきていると思います。覚悟は全員が持っていなければいけないし、僕も持っています」

「自分もチャンスがほしいという気持ちがあるし、『この大舞台でやってやる』という気持ちもあります」

植田はこのワールドカップ出場への期待が高まる試合を、むしろ「チャンス」だと位置づけ、出場を渇望していた。「自分が生きる相手だと思うので、そこはしっかりとイメージしながら」と準備に余念はない。

「来たからにはやっぱり、先発を狙うのは当たり前だと思います」

「下からどんどん突き上げていかないとチームはよりよくならないと思うんで、そこは自分もいきたいと思います」

落ち着いたトーンながら、植田は闘争心を隠そうとはしない。それでも「自分の役割がどうであろうと、チームのために働きたいと思います」とチームプレーに徹するとも語る。

プレッシャーが大きいのではないか。そう聞くと植田は「僕としてはそこまで」と表情を変えずに言った。若武者たちは、周囲が心配するほどか細くはなさそうだ。

【日本蹴球合同会社／森雅史】