夏の新潟開催もラスト2週。8月27日には、GIII新潟2歳S(新潟・芝1600m)が行なわれる。2013年の勝ち馬ハープスター、2着イスラボニータはともに翌春のクラシック戦線で大活躍するなど、世代の主役が登場する可能性を秘めた注目の一戦だ。

 一方で、過去10年のうち半分以上の6度も、3連単の配当が10万円超え。波乱要素を大いに秘めた”お宝レース”の側面もある。

「2週前のGIII関屋記念(8月13日/新潟・芝1600m)でマルターズアポジーが逃げ切り勝ちしたように、同舞台は前残りの傾向が強いのですが、新潟2歳Sに限ってはレースの質が真逆。日本一長い新潟外回りの直線(658.7m)を前にして、ジョッキーは道中折り合いを重視して進めるため、最後は瞬発力勝負となるのが例年の流れとなっています。

 2008年以降、9年連続で上位2位以内の上がりタイムをマークした馬が勝っています。今年も展開次第ではありますが、『勝ち馬=切れのある末脚を持つ馬』と考えて、ほぼ間違いないでしょう」

 新潟2歳Sのレースの傾向について、そう説明するのは日刊スポーツの松田直樹記者。確かに前出のハープスターや、一昨年の勝ち馬ロードクエストが披露した末脚は、今なお強烈な印象として残っている。

 松田記者が続ける。

「そこで、穴馬に挙げるのは、オーデットエール(牡2歳/父ハーツクライ)です。デビュー戦だった前走、今回と同じ舞台で行なわれた新馬戦(7月30日)で、メンバー最速の上がりを繰り出して快勝。最後方追走から勝負どころで一気に前に取りつくと、瞬時に先行馬たちを飲み込む圧巻の競馬でした。

 少しもたついた面はありましたが、長くいい脚を使えるタイプ。エンジンさえかかれば、切れ味はメンバー最上位でしょう。現状、直線が長くて平坦な当地でこそ、持ち味を最大限に発揮できるはずです。

 所属する須貝尚介厩舎の先輩で、2011年の2着馬ジャスタウェイも同じハーツクライ産駒。同馬はここを足がかりにして、最終的には世界ランク1位にまで上り詰めていきました。それに続く存在として、オーデットエールには大物感ある走りを見せてほしいと思っています」

 栗東トレセン(滋賀県)の坂路コースで行なわれた水曜日の追い切りには、当日騎乗予定の柴田善臣騎手が美浦トレセン(茨城県)からわざわざやって来て騎乗。上々の動きを見せたという。

 デイリースポーツの豊島俊介記者は、東京の新馬(6月18日/東京・芝1600m)を勝って以来、およそ2カ月ぶりの出走となるテンクウ(牡2歳/父ヨハネスブルグ)を推す。半兄は昨年の3着馬イブキという血統だ。


好位から抜け出して新馬戦を快勝したテンクウ

「新馬戦は好位から抜け出して、上がり3ハロンを33秒7のタイムでまとめて完勝。父がルーラーシップの兄イブキより、(テンクウのほうが)父がヨハネスブルグになったことで気性が前向きで、その分、どうかと思った距離もこなしてくれました。

 血統的にも2歳戦から積極的に狙う価値がありそうなタイプ。この中間も活気あふれる動きを見せており、上昇度が見込めるのも魅力のひとつです。昨年3着に敗れた兄以上の走りを見せる公算は非常に大きいと思います」

 テンクウについては、松田記者も気になるという。

「好位から息の長い脚を使う兄と違って、テンクウはより切れ味が増しているイメージ。楽に先行策をとれるレースセンスの高さに加え、瞬発力も兼備しており、現時点では兄よりも完成度は上と評価してよさそうです」

 少し別の角度から穴馬をピックアップするのは、スポーツニッポンの小田哲也記者である。

「(新潟2歳Sは)新馬戦を鮮やかに勝った馬が、どうしても人気になりやすいレース。ただ、昨年2着のオーバースペックをはじめ、一昨年2着のウインファビラス、2012年の勝ち馬ザラストロなど、未勝利を勝ってきた馬というか、何戦かキャリアを積んできた馬が何度か波乱を演出しています。”穴”ということで、狙い目になるのはそこですね」

 そして、小田記者がその”穴”候補として挙げるのは、コーディエライト(牝2歳/父ダイワメジャー)、ダンツセイケイ(牡2歳/父ダイワメジャー)、エングローサー(牡2歳/父トランセンド)の3頭だ。

「コーディエライトは、前走が今回と同じ左回りの中京で行なわれた未勝利戦(1着。7月2日/芝1400m)。新馬(3着。6月11日/阪神・芝1200m)から、距離を伸ばしてきている点にも好感が持てます。また、半兄サフィロスは2歳時に新潟でオープン特別のカンナS(芝1200m)を勝って、続くGII京王杯2歳S(東京・芝1400m)を2着と好走。全姉ローガンサファイアも2歳時から活躍し、血統的にも今の時期こそが狙い目です。

 ダンツセイケイは、良血トゥザフロンティア(牡2歳/父ロードカナロア)が勝った新馬(7月22日/中京・芝1600m)で3着でした。このレースからは、ダンツセイケイの他にも2頭がのちに勝ち上がっていて、レベルの高い新馬戦組。そうした力の比較からも、面白い存在だと思います。

 エングローサーは、前走の未勝利戦(7月30日/新潟・芝1600m)の勝ちっぷりもよかったですが、今回が4戦目と実戦経験豊富。前回までの3戦で、使いつつ馬体重を増やしているところもポイントが高いです」

 さらに、小田記者は”勘どころ”として、当日のある点については「見逃せない」と強調する。

「当日の馬体重です。前走比マイナスの馬はほぼ勝てません。この時期にレースを使う場合、かなり暑い時期に調教もしていますから、それだけ体調維持が大変です。まして新潟の場合は、東西のトレセンからの輸送競馬。そのため、体重の変動というのは通常よりも大きく、やはり体重を減らしている馬は消耗している可能性があります。この点は、馬券検討のうえでも大きなバロメーターになるのではないでしょうか」 当日の気配にも注意が必要な2歳重賞。来春のスター候補を探しつつ、今の時期にこそ”買える”穴馬を見つけ出し、オイシイ馬券をゲットしたい。

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