アーティストにとっても、今やネット配信はリスナーに見つけてもらう近道に。そんなネットからデビューを遂げた、デジタル世代のミラクルガールDAOKOさんとは?

ラップって面白そう、だから見よう見まねでやって、ネットにアップしてみた…。そんな中学生の遊び心から始まったDAOKOさんの冒険は、インディーズシーンを駆け抜け、メジャーレーベルに到達。ふわふわウィスパーボイスと個性溢れるキュートなラップで、世界を席巻中。

「もともと私は特別に音楽が好きだったわけではなく、ネットやアニメカルチャーに夢中だったんです。中学生の時、ニコニコ動画にハマり、いろんな人がアップしてる“歌ってみた”や“ボカロ”(音声合成技術ソフト)の動画が面白くていろいろ見ているうちに、女の子でラップをやってる人がいないことに気がついたんです。それで、楽しそうだからちょっとやってみようかな〜と思って、居間の共用Macでこっそり録音して(笑)、それを上げたら、じわじわと話題になってしまって」

彼女の存在は、ニコ動はもちろん、SNSなどネットを伝って瞬く間に広がった。まさに、デジタル時代ならではのブレイクの仕方。

「ネットって、そもそもはアンダーグラウンドなもので、だからこその深さや面白さがあると思うんですが、一方でメジャーなJ‐POPシーンと繋がっている部分もある。私が作る音楽も、アンダーグラウンドとメジャーのミックスみたいな存在感でありたい。音楽性は高く、でもポップで、カッコイイ、そんな音楽をやりたい。そのためには自分の声をもっと活かせるようになりたいので、ボイストレーニングに通ってるんです。音楽の道に進むなんて思ってなかったのに。ネットって、何が起こるかわからないですね」

私的リピアーティストは?

テンパレイ日本のインディシーンで活躍している、サイケデリック・ポップの3ピースバンド。「気になっていた時ライブを観て、すごく好きになりました。浮遊感があってさわやか、夏にぴったり。この夏、聴きまくりそうな予感」PUFFY実は最近一番聴いているのは、なんとパフィー! 「井上陽水さんと奥田民生さんのタッグで、かっこよくないわけない。今デビューしても絶対売れるくらい素敵です。パフィーを聴いてるとカラオケに行きたくなりますね」米津玄師ニコ動出身という同じルーツを持っている米津さん。「私がニコ動を見始めた時、すでに米津さんはハチの名義で大人気で。まさか曲を書いてもらえることになるとは…。なんともいえない、感慨深い気持ちになりました」

今ハマっていることは?

フィルムカメラとカセットの奥深さに夢中。父にもらったフィルムカメラで撮れる写真の質感が、粗くて好きです。カセットテープの愛らしさも気になり、収集中です。

だをこ 1997年生まれ、東京都出身。映画『打ち上げ花火 下から見るか?横から見るか?』の主題歌、挿入歌「打上花火」が8月16日リリース。主題歌の作詞作曲は、米津玄師。

※『anan』2017年8月9日号より。写真・小笠原真紀 文・保手濱奈美 間宮寧子

(by anan編集部)