iPhone登場がスマホのデザインを失わせた? 個性と独自性を再定義する時代へ 

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KDDIは7月21日から31日まで、東京・丸の内にてau Design project 15周年記念展覧会「ケータイの形態学 展 − The morphology of mobile phones −」を開催した。

いわゆる二つ折りのガラケー全盛時代。
auはデザインに注力した「au Design project」を立ち上げ、芸術性の高いケータイを発表し高い評価を得た。

この「ケータイの形態学 展」では携帯電話の進化と終焉、そして「iPhone」の登場で画一化されたスマートフォンデザインの再提案への思いを見て取ることができた。


歳を取ると「昔は良かった」なんて一言が、つい出てしまうこともある。
しかし、ケータイやスマートフォンにおいては、昔の方が使い勝手が良かったと思うことあまりない。それはスマートフォンが常に進化し、現在のスマートフォンが過去の製品と比較にならないほど高性能になっているためだ。
以前のケータイやスマートフォンは、ハードウェア、ソフトウェアともに使いづらかったり、動作が遅かったりしていたわけで、より使いやすい、高性能な新機種が出れば、買い換えることが多かった。

こうした状況は、振り返ってみれば、今も同じだ。



しかし、視点を変えてケータイのデザインに特化してみると、昔の製品の方が今よりも個性的であり、素直に良かったと感じる人は多いだろう。


二つ折りケータイ一つ取っても、大きさ、厚さ、サブディスプレイ、イルミネーション、カラー、開いたときの感触、ディスプレイサイズ、キー形状など、様々な要素で構成されており、まさにいじり甲斐のあるデザインだった。

au Design projectでは、素材感や構成色、ムダを削ぎ落としたデザインなど、様々な試みが成されてきた。万人が良いと思うようなデザインもあれば、あまり響かなかったデザインもあった。

ケータイデザインの進化過程には、様々なテーマやモチーフとの融合を試みることで、新しいケータイを生み出そうとするパワーがあった。
特に独特の世界感を持った、世には出ていないコンセプトデザインなども興味深いものがある。

しかしスマートフォン時代になると、アップルのiPhoneが一つのデザインの指標となってしまう。
とは言っても、iPhoneは当時の日本ではソフトバックしか取り扱っておらず、auやNTTドコモのAndroidスマートフォンは、独自デザインでの進化に力を注いでいた。

・クラムシェル型でノートPCのようなキーボードを搭載する「IS01」
・ストレートケータイの意匠を受け継いだ「INFOBAR A01」
など、個性を前面に押し出したモデルがまだ存在していた。


そうしたINFOBARシリーズも、タッチ操作が主体としたものとなり、徐々に個性的なデザインは薄れてしまった。

しかし、そうした中から独自デザインをタッチ操作そのものに見いだした「iida UI」が生まれた。
iida UIは、指先の操作に対してアイコンやタイトルバーが歪んでアニメーションをするなど、気持ち良い操作感を演出するというアプローチが試みられたのだ。


さて、現在のスマートフォンは、iPhoneに追いつけ追い越せと、本体に金属素材やガラス素材を用いているモデルが多い。
ケータイ全盛期のようなカラフルな樹脂を使ったスマートフォンは淘汰され、iPhoneクローンと言うべきスマートフォンばかりとなっている。

現在、スマートフォンのデザインが画一的になったことは、iPhoneが「悪」というわけではない。

理由は、スマートフォンの操作がタッチ操作を前提としているため、前面に余計なボタンは必要なくなったことにあるだろう。
コンテンツの使いやすくするための大画面と、持ちやすい最小のサイズを実現するためには、現在の板状のデザイン落ち着いたことがある。

デザインの画一化によるメリットもある。
格安スマホと呼ばれる2万円台のSIMフリースマートフォンですら、高級な質感を実現しており、低価格でも質感のよい製品を購入できることはユーザー視点でみれば決して悪いことではない。
スマートフォン本体の色や形はシンプル化されたが、ケースで個性を追加するというマーケットも生まれており、ユーザー本意のカスタマイズも可能となっている。

コストがかけられない低価格帯は画一的なデザインになるのは仕方ない。
とはいえ、ハイエンドやプレミア価格帯のモデルには、現状を打破してほしい。
・画一的な板状デザインではない
・持ちやすさ
・使いやすさ
などを実現した
・エルゴノミクスデザイン
・新素材の採用
など革新的な製品づくりの余地はまだあるように思う。
ディスプレイを丸くして丸いスマートフォンがあってもいいだろう。

また、ケータイユーザーの受け皿として登場した二つ折りのAndroidスマートフォンも、二つ折りだけでなく、
・スライド式
・画面回転式
など、懐かしいギミックや、個性的なデザインを取り入れたプレミアムモデルがあってもよいだろう。

こうした独自デザインを採用し、CPUやカメラなども妥協しないハイスペックなAndroidケータイやスマートフォンが登場したら、飛びつくユーザーも多いのではないだろうか。
執筆 mi2_303