稲田防衛大臣に関するニュースは中国のCCTVで何度も報道されてきたが、辞任報道はトップニュースに取り上げられた。一方で8月1日は中国人民解放軍の建軍90周年記念日。強軍への道が強調される中での対比が目立つ。

安倍政権の「マイナス」ニュースに強い関心

中国はかねてより、日本の安保関連や憲法改正関連などのニュースに強い関心を示し、日本の情報よりも深掘りした関連ニュースを流し続けてきた。特に今般の安倍政権の「森友問題」や「加計学園問題」特に「稲田防衛大臣問題」に関しては尋常ではない頻度で、ほぼ逐一報道している。その事実を日本に伝えるのは、日本の世論を「煽る」傾向に寄与するのではないかと懸念し、ずっと控えてきた。

しかし稲田防衛大臣の辞任報道に関して、お昼のニュースとは言え、28日の中央テレビ局CCTVのトップニュースで扱ったのと、まるで中国の「強軍の夢」と対比するような形で報道されたので、日本を相対的に考察するためにも、ご紹介した方がいいと判断した。

稲田防衛大臣辞任に関する時々刻々のニュース――28日のCCTVを追う

ニュース全体の流れをすべて観ることができるようなURLにリンクを張るのは困難だが、稲田氏に関する単独のニュースなら観ることができるので、いくつか列挙してみよう。

まず7月28日午前7時のCCTV「朝聞天下」(Morning News)は「稲田朋美防衛大臣は今日辞任を宣告する予定」という見出しで全国ネットの報道をした。

それを追う形で、同じく28日朝のCCTVの北京BS「お早う、北京」でも、非常に詳細に南スーダンの日報問題を、資料を見せながら報道した。

中国ではこの日報問題に対して「瞞報門」(日報欺瞞ゲート)という事件名が付いており、テレビの音から聞こえてくる「マン-バオ-メン」という発音は「瞞(man)報(bao)門(men)」のことである。「門」(ゲート)は「ウォーターゲート」以来、大きな事件に付ける名称である。

それくらい、稲田大臣の日報問題が中国では大きく扱われてきた証拠だ。

同じくCCTV、28日の「記者観察」では(観えない可能性がある)、駐東京のCCTV記者によるリポートが成され、その中で「自衛隊員が、稲田氏の視察の時のファッションに関しても早くから不満と失望を抱いていた」ことや、安倍内閣は「お友だち内閣」と呼ばれていることとか、辞任は「想定内」とみなされたいたことなど、日本国民の感情とともに、安倍内閣支持率低下の大きな原因になっていたことなども説明している。

遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)