夏のマイル重賞として行なわれるGIII中京記念(7月23日/中京・芝1600m)。現在の施行時期・条件となったのは2012年からだが、そこから同レースは荒れに荒れている。

 その過去5年間で、まず1番人気が馬券対象となる3着以内に絡んだことは1度もない。さらに、2012年から2015年まで4年連続で10番人気以下の大穴が3着以内に飛び込んできて、3連単の配当はいずれも20万超え。2014年にいたっては、42万8240円という高配当となった。

 そういう意味では、とても難解なレースではあるが、馬券的な妙味は大いにあるレースと言える。ならば、当然今年も穴狙いでいくべきだろう。

 そのヒントとなり得るのは、過去5年のレースにおいて10番人気以下で馬券圏内に突っ込んできた馬たちだ。

2012年=3着トライアンフマーチ(10番人気)
2013年=2着ミッキードリーム(13番人気)
2014年=2着ミッキードリーム(11番人気)
2015年=2着アルマディヴァン(13番人気)

 ここに挙げた面々の戦績を振り返ってみると、ひとつ明確なことは、中京記念は「コース適性」の重要度が非常に高いレース、ということだ。

 アルマディヴァンは、それまでに中京競馬場で4戦して1勝、2着1回、3着1回、4着1回と、安定した実績を残していた。

 ミッキードリームは、6歳時と7歳時の2年連続で2着に入線し高配当をもたらしたが、この2年間で同馬が馬券対象となる結果を残したのは、中京競馬場で開催されたこの中京記念のみ。それ以外、つまり他の競馬場で行なわれたレースではすべて着外となり、ふた桁着順の結果に終わることも少なくなかった(だからこそ、いずれも穴馬扱いだった)。

 ちなみに、勝ち馬を見ても、2012年、2013年はフラガラッハが連覇。リピーター色が濃いレースと言える。

 トライアンフマーチは、同レースが初めての中京競馬場だったが、同じ左回りの東京競馬場でオープン特別を2勝、GI安田記念(芝1600m)で4着に健闘するなど、古馬になってから左回りを中心に活躍してきた。その実績を踏まえれば、中京コースで結果を残しても何ら不思議はなかった。

 こうした例から、この舞台を得意とする馬、そして”リピーター”が狙い目となる。浮上するのは、ピークトラム(牡6歳)だ。

 同馬は、昨年のこのレースで2着(6番人気)に食い込んだ。そもそも初勝利を挙げたのも、この舞台で行なわれた2歳未勝利戦。左回りのコース相性もよく、新潟開催のオープン特別・谷川岳S(芝1600m)を勝っており、2歳時にはGIII新潟2歳S(芝1600m)でも3着と好走している。

 昨年の中京記念のあとは、目立った結果を残せていない状況だが、それは先述のミッキードリームと同じ。この舞台での適性を生かせれば、またも波乱を起こすかもしれない。

 加えて、昨年3着のケントオー(牡5歳)にも食指が動く。上述した”リピーター”としての要素もあるが、この馬を推す理由は2015年2着のアルマディヴァンと似た要素があるからだ。

 アルマディヴァンは、5歳の3月にオープン入り。その後、GIII福島牝馬S(福島・芝1800m)で6着、GIヴィクトリアマイル(東京・芝1600m)で15着、オープンのパラダイスS(東京・芝1400m)で8着と大敗を繰り返したが、続く中京記念では激走したのである。

 大敗した3走を振り返ってみると、GIのヴィクトリアマイルこそ勝ち馬から1秒5も離されたものの、福島牝馬Sではコンマ2秒、パラダイスSではコンマ6秒と僅差だった。追い込み脚質であるため、少しでも展開が向けば、十分に上昇する可能性はあったのだ。

 同様に、ケントオーは勝ち星からは遠ざかっているものの、ここ数戦は僅差のレースを繰り返していて、展開の助けがあれば、浮上するチャンスは大いにある。

 3走前の洛陽S(京都・芝1600m)、そして前走の六甲S(阪神・芝1600m)は、いずれもコンマ2秒差の3着と好走。2走前の大阪城S(阪神・芝1600m)でも12着と大敗を喫しているが、タイム差を見ればコンマ6秒差と着順ほどは大きく負けていない。中団から末脚を伸ばすタイプだけに、少しでも展開が味方すれば、ここでも勝ち負けできる力はあるはずだ。

 最後に、過去5年の1着馬からも馬券のヒントを探りたい。興味深いのは、意外と「前走でオープン特別を制していながら、人気が上がらない馬」が勝っていることだ。

 2012年のフラガラッハは、前走の米子S(阪神・芝1600m)で強烈な勝利を収めながら、中京記念では5番人気にとどまった。2015年のスマートオリオンも、前走でパラダイスSを制しながら6番人気だった。ともにその低評価を覆して勝利したのだが、今年もそれらに似た1頭がいる。


オープン特別を連勝中のウインガニオン

 ウインガニオン(牡5歳)だ。

 こちらは前々走で谷川岳S、前走でパラダイスSとオープン特別を連勝中。だが、今回が重賞初出走のうえ、他馬との力関係によって、当日は5〜7番人気の評価に落ち着くのではないかと見られている。

 過去5年、勝利しているのは、5〜7番人気の馬。もしウインガニオンの人気もその辺りとなれば、軸にするとか、頭にするとか、思い切った勝負に出ても面白いかもしれない。“波乱の歴史”が続く中京記念。先週の函館記念に続いて、今年もあっと驚くような高配当が飛び出すことを期待したい。

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