北海道・函館開催を彩るGIII函館記念(7月16日/函館・芝2000m)。夏の名物重賞はハンデ戦ということもあって、非常に”難解”な一戦となっている。

 その証拠に、ここ10年で1番人気の勝利は1度もない。また、前走で大敗を喫しながら巻き返した例も多く、2007年のエリモハリアーは、前走のオープン特別・巴賞(函館・芝1800m)では最下位の11着に沈みながら、強烈な逆襲に転じてこの重賞タイトルを手にした。単勝オッズは25.1倍、7番人気の伏兵だった。

 さらに、馬券圏内となる3着までも見てみると、10番人気以下の穴馬が飛び込んできたケースが4回もある。そうした状況にあって、3連単の配当が10万円の大台を超えたことが、過去10年で7回もある。

 最も荒れたのは、2011年。4番人気のキングトップガンが勝利し、2着に12番人気のマヤノライジン、3着に7番人気のアクシオンが突っ込んできて、3連単は40万1180円の高配当となった。

 これほど波乱が多いレースならば、最初から”荒れる”前提で勝負に挑んでみてはどうだろうか。そこで、過去の結果から今年狙えそうな穴馬を導き出していきたい。

 過去10年で3着以内に来た馬たちに目を向けると、いくつか傾向があることがわかった。ひとつは、圧倒的に強いローテーションがある、ということ。それは、同じ函館開催で行なわれた巴賞からの参戦だ。

 1〜3着の合計30頭のうち、「巴賞組」は13頭にものぼる。しかも、1〜3着までを巴賞組が独占した年が2度(2008年、2009年)もあるのだ。距離が1ハロン(200m)延びるとはいえ、同じコースで行なわれる前哨戦ということもあり、ここから挑む馬には相当なアドバンテージがあると言えよう。

 さらに特筆すべきは、巴賞で敗れて人気を落とした馬の巻き返しが多い、ということ。先述のエリモハリアーと同様、2016年に13番人気で2着に食い込んだケイティープライド(巴賞=6着)、2013年に7番人気で2着に入ったアンコイルド(巴賞=8着)も、巴賞では馬群に沈みながら函館記念で大きく挽回している。

 とすれば、今年も狙うべきは「巴賞からの巻き返し」というキーワードに当てはまる、巴賞で馬券圏内を外した馬たちだ。

 4着ダンツプリウス(牡4歳)と、5着スーパームーン(牡8歳)である。


函館記念での巻き返しが期待されるダンツプリウス

 ダンツプリウスは、昨年のGIIニュージーランドトロフィー(中山・芝1600m)を制覇。GINHKマイルC(東京・芝1600m)でも4着と健闘しているが、古馬と対戦するようになってからは結果を出せずじまい。自身が古馬となった今年も、ふた桁着順を2度経験するなど、ややスランプに陥っている。

 それでも、前走の巴賞では終始先行して勝ち馬からコンマ3秒差の4着。久々に好内容の走りを見せて、復調気配を漂わせている。人気は巴賞上位組に譲っても、昨年の実績を考えれば、ここで台頭して波乱の立役者となってもおかしくない。

 スーパームーンは、そもそも巴賞が5カ月ぶりのレース。それでいて、勝ち馬とはコンマ3秒差と奮闘した。この馬も、過去には重賞で2、3着に入った実績があり、力は秘めている。休み明けを叩いた今回は、さらなる上昇が見込め、まさに狙い目となる。

 また、臨戦過程においては、もうひとつの傾向がある。巴賞ほどではないものの、GIII新潟大賞典(新潟・芝2000m)からの参戦組も、少なからず結果を残している。

 このローテーションで3着以内に好走した馬は、過去10年で3頭。2010年の勝ち馬マイネルスターリーは、新潟大賞典4着から挑んで2番人気で優勝した。

 残り2頭は、2013年のアスカクリチャンと、2015年のハギノハイブリッドだ。前者は新潟大賞典8着から臨んで、8番人気で3着と好走し、後者は新潟大賞典で10着と惨敗したあと、10番人気で2着と奮闘。いずれも、穴をあけている。

 最後の直線が長く、左回りの新潟競馬場と、小回りで、右回りの函館競馬場では条件がまったく異なる。そのため、新潟で大敗した馬が、函館に来て激変することもあるのだろう。

 そして今年も1頭、新潟大賞典から参戦する馬がいる。パリカラノテガミ(牡6歳)だ。

 同馬は、2走前の1600万下特別・常総S(3月26日/中山・芝2000m)を制してオープン入り。その後、新潟大賞典(5月7日)に挑んだが、さすがに昇級初戦で重賞というのは荷が重かったようで、ほぼ見せ場なく、10着と大敗を喫してしまった。

 しかし、同馬はどちらかと言えば、小回りコースを得意とするタイプ。小回りの中山コースでオープン入りを決めたが、その前に勝ったのも小回りの札幌コースだった。

 ならば、条件が違う前走の結果は度外視して、小回りの舞台となる今回の反撃に賭けてみるのも面白いのではないか。”大穴”志向の方には、ぜひオススメしたい1頭だ。 夏の函館で繰り広げられる”熱きハンデ戦”。今年もファンの予想を超える大荒れの結末となるのか。できることなら、難解な重賞の当たり馬券を見事ゲットし、うだるような暑さを吹き飛ばすほどの歓喜を味わいたい。

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