iPhoneで駐車場を借りられる時代へ!分単位で駐車!工事なしで駐車場化できる画期的な「スマートパーキング」の技術と展望を聞く

写真拡大 (全9枚)

iPhoneで駐車場を借りられる時代がやってきた。それも分単位で賃借できる。
最新の駐車場サービス「Smart Parking(スマートパーキング)」がスタートしたのだ。

自動車を所有、利用する上で、常に問題になるのが、駐車場の確保だ。
大都市圏では、駐車場が混雑することが多く、特に休日や祝日では駐車場がどこも満車ということも少なくない。また、仕事の移動でも、現地で駐車場が見つからず、約束の時間に遅刻しそうになったということも、よくある。

こうした問題を解決したのが、株式会社シード提供の「スマートパーキング」だ。

■IT技術で空きスペースを有効活用
「スマートパーキング」は、いうなれば、駐車場をシェアリングするサービスといってよい。
「駐車場を使いたいユーザー」と「空きスペースを保有するオーナー」を繋ぐことで、双方にメリットを与えるサービスだ。

●駐車場を求めるユーザーのメリット
「駐車場を使いたいユーザー」は、iPhoneやAndroidスマホなどのスマホアプリ「スマートパーキング」で駐車場を検索し、空いている駐車場を確認し、駐車場を確保できる。


「スマートパーキング」利用方法

使い方も簡単だ。
・駐車場の空き状況を地図上で把握する
・駐車場まではスマホのナビゲーションが誘導してくれる
このように、初めて行く場所でも、駐車場探しで迷うこともない。

料金については、
・駐車中に課金される料金はスマートフォンでリアルタイムに確認
・駐車時間の料金を後払い
このため、1日単位や1時間単位で借りる駐車場に比べ、実際に駐車した時間だけの料金を支払うので割安感がある。さらに支払いは、クレジットカード決済できるので、手持ちの現金が無い場合でも利用できる。


●空きスペースを保有するオーナーのメリット
「空きスペースを保有するオーナー」にとっては、空いている土地を「スマートパーキング」の駐車場として活用できる。初期費用や設備投資、運営費用などの諸経費は必要なく、ノーコストで運用ができる。

月極(入居者)駐車場のオーナーであれば、月極(入居者)駐車場を募集しながら「スマートパーキング」を活用すれば、駐車場の空き時間を減らし、有用に活用できるので、収益アップができるというわけだ。

なお、駐車場の利用状況と売上は、Webサイト上で確認できるところも便利な点だろう。
諸事情で「スマートパーキング」サービスを停止したい場合も、すぐに解約可能で、解約後、現地のカラーコーンを取り除けば、完了だ。



駐車場を提供するサービスとしては、これまでにも
・コインパーキング
・カーシェアリング
・駐車場シェアリング(他社)
などがある。

これらのサービスと比較した場合、「スマートパーキング」は
・利用時間でのロスが少ないことで収益性が上がる
・用地査定や工事が不要
といったメリットがある。



■「スマートパーキング」はどのようにして実現できているのか?
「スマートパーキング」の最大の特徴は、空きスペースに「カラーコーン」を設置するだけで、その場所を駐車場として利用できることだ。

これは、どういった仕組みなのだろうか?


「スマートパーキング」で利用されているカラーコーンには、Bluetoothのユニットが内蔵されている。
このBluetoothユニットとスマートフォンを「スマートパーキング」アプリで繋いでいる。


カラーコーンの中にあるBluetoothのユニット

オーナーが、空きスペースを駐車場として貸す場合、カラーコーンの受け取りや、オーナー登録が必要となるが、最短1日〜1週間程度でオープンさせることができるという。


さて「スマートパーキング」というユニークなサービスは、どのようにして誕生したのだろうか?

■お客さんからの相談で生まれた「スマートパーキング」
株式会社シード代表取締役社長吉川幸孝氏に、「スマートパーキング」開発から今後の展開までをうかがった。


株式会社シード代表取締役社長吉川幸孝氏


●余っている駐車場や土地を有効活用したい
吉川社長は、父親がコインパーキングの運営会社を経営していたことから、昔から駐車場の運営には興味を持っており、父親の会社で営業や売り上げを伸ばすためのリサーチ分析も行っている。

ある日、営業先の不動産会社で
「10台ある月極駐車場で、2台空きがあるから、そこだけ何とかならない?」
といった相談受けたという。

2台スペースだけにコインパーキング設備を設置することができない。
先方には全スペース(10台分)の貸し出しを持ちかけたが、話しがまとまらず、結局、契約には至らなかった。実は、営業先では、こういった1台、2台だけ空いているスペースを駐車場に転換したい要望が多かったそうだ。

そこで吉川社長は、
「なんとか設備に投資しないで駐車場を運営することはできないものか?」

「もし、可能であれば、土地が余っている人や、その土地を使いたい人、どちらにも喜んでもらえるサービスができるのでは?」

と試案することになる。
そして、今回の「スマートパーキング」というサービスを思いついたという。

「スマートパーキング」の開発中、実際の駐車場運営をしている父親に相談しても、まったく興味を持ってもらえなかったという。
しかし、完成した「スマートパーキング」アプリのデモを見せたときに、
「これはコインパーキング業界を変えるかもしれない」
という言葉を、父親からもらえたとう。

この評価は、吉川社長にとって、その後の大きな励みになった。

吉川社長は、「スマートパーキング」をローンチした当初の周囲の反応について、
「ベンチャー企業が頑張っているな、という程度の認識でしかなかったのではないでしょうか?」
と語ってくれた。

既存にはない新しいサービスの創業時は、どのような事業でも厳しい視線や対応、状況に立たされる。
「スマートパーキング」も決して例外ではなかった。

●「後払い時間貸し」であるが故の悩み
「スマートパーキング」が他社の駐車場シェアリングサービスと大きく異なるのは、「後払い時間貸し」である点だ。

そこで問題となったのが、「どうやって無人の場所で現地認証するか?」である。

他社のサービスは事前予約制だ。
つまり、「何時から何時まで」、「何日から何日まで」というように、利用時間を決めて先払いで料金を徴収する。このため、現地認証は一切必要ない。

しかし、後払いの「スマートパーキング」では、現地認証は必須となる。
なぜなら、利用時間を証明するものがなければ、正しい料金を請求、徴収できなくなるからだ。
さらに、駐車場に利用したスペースには、全く電源設備がない場所もある。


そこで、吉川社長は現地認証を実現するために、
・電池が最低でも1年は持つこと
・雨風に強いこと
など、条件を満たすセンサーを探した。

そこでたどり着いたのが、現在の通信端末というわけだ。


●最大のピンチはやはり資金繰り
吉川社長が、一番ピンチだったのは、資金だった。
「スマートパーキング」アプリの開発に、銀行から数千万円を借りようと動いていた。
税理士からは、ほぼ8割から9割借りられると言われたこともあり、1千万円以上の発注を出した。

ところが、銀行の最終面談で「貸せない」と言われたのだ。
これには、吉川社長も、かなり焦ったという。

各方面に「支払いが遅れるかもしれない」と謝罪すると同時に、ほかの銀行からの資金調達に動いた。
「有り難いことに、皆さん、わかりましたと言っていただきましたが、内心は違っていたと思います。」
と、吉川社長は当時を振り返ってくれた。

最終的に、ほかの銀行で、まとまった資金の融資が決まり解決した。
吉川社長は、今でも、当時の銀行担当者には感謝しているという。

●こだわりはUIとUXによる直感的な操作
吉川社長に、スマートパーキングを立ち上げて、一番良かったと思ったことをうかがってみた。
「やはり、『いろいろな方にスマートパーキングっていい!』と言ってもらえることが一番嬉しいですし、手ごたえを感じる瞬間ですね。特にオーナーさんとは直接お話しする機会も多いのですが、そこで『えっ、カラーコーンだけでコインパーキングができるの?』と驚かれる瞬間はたまらないものがありますね。」

吉川社長がスマートパーキングで、とくにこだわったのは、ユーザーインタフェース(UI)とユーザーエクスペリエンス(UX)だという。
「使い勝手にはこだわりました。まだ完璧だとは思いませんが、アプリを開いてから出来る限り少ないタップ数で直感的に入庫や出庫できるようにと考えました。まったく新しいコインパーキングの使い方なので、直感的なUIとUXにこだわり『えっ、こんなんで入出庫できるの?』という体験にできるだけ近づけるために何度も手書きでアプリの流れを書き直しました。」

サービスの伝え方で気をつけていることは、
他の駐車場シェアリングサービスとよく比較されるので、
・予約制と後払いの違い
・スマートパーキングのメリット
についてわかりやすく伝えることだという。

ちなみに「スマートパーキング」という名前の由来だが、
「社会のインフラになることを目指したので、固有名詞から一般名詞になることを狙って名前を考えました。『駐車場シェアリングサービス=スマートパーキング』というようなイメージです。また、新しい駐車場サービスであること、便利そうだということを印象づけるようなネーミングを意識しました。」
とのこと。

●「スマートパーキング」にライバルはいない
ライバルについてうかがってみると、最初はシェアリングサービスなども意識したが、今はあまりしていないという。

理由は、予約制のシェアリングサービスと「スマートパーキング」のサービスはポジショニングが異なると考えているからだ。

予約制のシェアリングサービスは、ターゲットは事前に混雑が予想される場所で、例えば野球場などのイベント会場周辺などだ。

一方、スマートパーキングは、通常のコインパーキングの進化版であるため、都市部や住宅地など、一般的なコインパーキングが存在するエリアが得意だ。実際に、パークアンドライド利用とビジネス利用が利用者の約8割を占める。そのため、1度使えば圧倒的にリピーターになる方が多い。

利用者の反応については、

「キャッシュレスで便利、使いやすいというコメントも頂いておりますが、利用者さんからはまだまだ数が足りないもっと駐車場を増やしてくれと一番言われております。利用者はヘビーユーザーが多く、約1年ですでに200回以上使っているユーザーも何名かいます。日々駐車場増加に奮闘しているので、駐車場余っている方はぜひ、スマートパーキングに登録して欲しいですね。」

●最終目標は社会のインフラになること
「スマートパーキング」は、今までにない新しいサービスである。
それだけに、メディアも注目しはじめているようだ。

「今までメディアの方と関わりがなかったので、反応がいいのか悪いのか、わからないのですが、興味を持ってもらえているのではないかと予想しております。そのため、日経ビジネスさんやダイヤモンドオンラインさんであったり、様々な新聞社さんやテレビでご紹介していただけているのかなと考えております。」

また、今の状況については
「まだまだ、これからですけども、順調だと考えております。このサービスに共感してくれている方が、長期的な視点で駐車場をどんどん開設してくれていて、成長を応援してくれるスタンスで駐車場運営してくれているので、とても私は恵まれているなと感じております。」

最後に、吉川社長に今後の展望をうかがってみた。
「もちろん数字的なところもあるのですが、私が目指すのは、スマートパーキングが社会のインフラになることです。コインパーキングに当たり前に停めるように、将来はスマートパーキングに当たり前に停めてもらえようにしていきます。」
と展望を語ってくれた。
ITライフハック 関口哲司