セールの勝ち組になる買い物術とは?

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7月に入りセールシーズンが到来しました。 気になるアイテムが値下げされ、安さにつられて買ってしまう。しかし、いざ手に入れたものの結局出番がなく、そうこうしているうちに秋の新作が魅力的に見えてきて、「あのセール品を買うならこちらを買っておけば良かった」そんな後悔をしたことはありませんか? ずばり、セール品は勢いで買うと失敗します。今回は絶対に失敗しないセールの必勝法をお伝えします。

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【セール品には2種類ある】
セール品は割引率が高ければ高いほど手に入れた時の満足度も高いですよね。ですが、そのセール品、本当にお得な買い物なのでしょうか? セール品には以下の2種類があるのをご存じですか? 

・今まで売っていたものを値下げした商品
・セールのために作られた商品(セール企画品)

そもそもセールには、価格を下げてでも在庫を減らしたいという企業側の事情がありますが、基本的に売れ残りなので、安くても売れないということがしばしばあります。そこでセール用に売れそうな商品を作ってその時期に投入し売上増加を図る。これがセールのために作られた商品となるわけです。これら商品は元の金額、つまり定価が分からないのでどれだけの値引き率か分からない、要はお得感はあまりない、ということなのです。
もちろん百貨店などのセール企画品は百貨店のイメージがあるので、それなりのクオリティーのものが店頭に並びますが、ショッピングモールなどに入っているショップではあまり期待できないでしょう。それでも気に入ったということであれば問題ないです。だた、知って買うのと知らないで買うのは違いますよね。

【セール企画品の見分け方】
ではどれがセール企画品なのでしょうか。単純に値札に元の金額の記載があり、その上にセール価格のシール、又は○%OFFと書かれたシールが貼りつけてあるものは今まで売っていたものを値下げした商品です。そうではなく、タグに直接値段が印刷してあるものはセールのために作られた企画品と考えて良いでしょう。安いからといってなんでも買えばよいというものではありません。セールの最大の醍醐味は「定価のときから目を付けていた商品をセール期間に安く買うこと」にあることを忘れないでください。

【鮮度が短いことを忘れずに】
セールが本格化するのは7月。そこで買って着回しても賞味期限は2か月ほどしかありません。夏休みが終わり9月に入ると、いくら残暑が厳しくても、真夏に着ていた色や柄、デザインはもうシーズン遅れに映ってしまいます。ファッション業界では9月は秋冬の実売期。暑かろうが、台風が来ようが、世の中の気分は秋なのです。長袖を着ろということではなく、ノースリーブや半袖など涼しげなアイテムでも、秋色にシフトしていくという時期です。
セールは一見お得感がありますが、「今それを買っても着る期間が少ししかございません」ということを忘れないで下さい。「それでも欲しい!!」と思えるかどうかがポイントです。

【割引率に惑わされるな】
70%OFFなどと割引率が高いものはかなりのお得感があると思われがちですが、はっきり申し上げて商品の人気と割引率は反比例します。売る側からすると人気商品だったものはセールでも売れると見込まれるので割引率を高くしません。逆に今年限りのデザインや素材のために「今売り切らないともう難しいぞ」という商品は50%、70%、80%と値引き率を高く設定するのです。いくら割引率が高くお得だと思っても、そこは冷静にその商品をしっかり見て下さい。割引率の高さだけで飛びつくのは危険です。

【賢い人は下見をする】
今年はもう7月に入ってしまいましたが、他の人より一足早く欲しいものを手に入れるための必勝法として6月中旬に下見をすることをお勧めします。
「えー! 早い!」と思われるかもしれませんが、ファッション業界的にも6月中旬からセール準備に入りますし、ブランドやセレクトショップによってはカード会員様先行、お得意様先行プレセールなどとリピーター顧客にメリットがあるような先行セールを行うところがほとんどです。ということは人気商品は6月中に売れてしまうのです。
ですので、本当に無駄のないセール品を手に入れたければ下見をしましょう。もう6月中旬を過ぎたらセール狙いというくらい見方を変えても良いかもしれません。「この夏は下見が出来なかった!」という方も、次にやってくる冬のセールはぜひこの方法を試してください。冬のセールは年明け初売りの1月からで、下見は12月中旬から十分間に合います。(こんなことを言うとファション業界の方には怒られそうですが)ショップ店員さんを上手く使って、その商品は在庫に余裕があるか、セール時期や先行セールがあるかを聞いてみて下さい。ある程度のことは教えてくれるはずです。少しでも早くセール品をゲットできるよう情報を集めるのも賢いお買物をするコツなのです。

いかがでしょうか。セールはお祭りのようなもので、その場の空気にも左右されやすいですし、「セール=安い」という目先のお得感で判断してしまいがちです。ですが、本当のところはどうなのか? を敢えて挙げさせて頂きました。
私自身セール品を選ぶ時は、定価で買うには躊躇したトレンドのものを真夏に着倒すつもりで買うか、来年も着られそうな流行に左右されないものを選んで、コスパを上げるかどちらかです。中途半端なものは買いません。
皆さんも今年からは、ちょっと視点を変えてセール品を見てみて下さい。売る側の事情を知って売り場に行くだけでセールの勝ち組になれるかもしれません。

■樋口玲子(ひぐちれいこ)プロフィール
1973年 東京生まれ
R.H.mirror 代表
『樋口玲子のファッションを味方につける!』
https://ameblo.jp/rhmirror/

婦人服メーカー、フランスのインポートブランドを経て、1999年にジョルジオアルマーニジャパン株式会社入社。退職までの12年間で販売からPR、VMD、レディースの買付業務、店舗マネージャーを務める。退職後、男児を出産。
2015年トラストコーチングスクール認定講師の資格取得。2016年にこれまでの経験を活かしてパーソナルスタイリストとしてR.H.mirrorを立ち上げる。『ファッションを味方につける!』をモットーに、なりたい自分になるためのファッション講座、ファッションクルーズのサービスを提供中。それぞれのライフスタイルに合わせて上質なものとプチプラを賢く取り入れながら、個々の魅力を引き出すスタイリングを提案する。
(TechinsightJapan編集部 パーソナルスタイリスト樋口玲子)