「プチローソン」のお菓子BOX(写真: ローソンの発表資料より)

 昨今、徐々に広がりを見せる店舗のセルフレジ化。普及にはまだほど遠い感が否めないが、自販機に代表されるように、実は日本こそ無人販売大国という見方もできる。昨今では、オフィス内の無人販売が成果を出しており、ここにコンビニ業界の一角、ローソンが参入することが発表された。非現金化セルフレジ専用の設置型オフィス内コンビニ、その名も「プチローソン」。これを東京都23区内先行で展開するとのこと。7月3日より開始し、7月末で約100カ所、2017年度内に1,000カ所の導入を予定している。

■忍び寄るセルフレジ化

 海外では、店舗のセルフレジ化が進んで久しい。米Amazon.comによる、無人コンビニ「Amazon Go」のテスト店の登場も記憶に新しいところであろう。

 日本でも一部店舗でのセルフレジ化が進められている。TSUTAYAでは、早くから導入されており、他にも、GU(ジーユー)、その他スーパーなどの小売業界で続々と広がっている。ただ、反応は未だ賛否分かれているところであり、普及にはまだ遠い印象だ。

■無人販売大国日本と、成果を上げているオフィス内無人販売

 だが、待ってほしい。実は日本こそセルフレジ大国ではなかったのか。古くは野菜の無人販売、そして、自販機。これこそセルフレジそのものではないのか。また、昨今普及しているオフィス内で置き菓子「オフィスグリコ」などのサービスも同様だ。

 このオフィス内の無人販売。ここに目を付けたのが、コンビニ業界だ。いち早く参入したのは、ファミリーマートだ。以前から進められている、「自販機コンビニ(ASD)」に加え、「オフィスファミマ」が東京都内23区(一部配送外エリアがあり)、川崎、横浜など首都圏において、2013年より開始。それぞれ、「自販機コンビニ(ASD)」は約1600カ所、「オフィスファミマ」は約1,000カ所で展開されている。

 「自販機コンビニ(ASD)」は、飲み物、お菓子に加え、お弁当や軽食、日用品まで用意することが可能。対して、「オフィスファミマ」は、コンビニコーヒー、お菓子、カップ麺、日用品などに絞り、省スペース化を実現している。

■ローソンもオフィス内コンビニへの参入

 この競争に、ローソンが参入する。非現金化セルフレジ専用の設置型オフィス内コンビニ「プチローソン」を、7月3日より東京23区内で開始する。お菓子やカップ麺などが、交通系マネー(Suica、PASMO)専用セルフレジで購入できる。簡易版のコーヒーマシンの設置も可能とのことだ。7月末で約100カ所、2017年度内に1,000カ所の導入を目標としている。

 セルフレジ化の普及は、未だ先の見えない感があるが、無人販売そのものは、日本では非常に長い歴史を持つ。問題は無人化そのものではないのであろう。