限界が来る前に情報断食でリセット!心がラクになる7つのストレス解消法

ストレスを解消したいと思っても、時間がなかったり具体的な方法が分からなかったりして実行できず、ストレスをためたままにしていませんか? 今回は精神保健福祉士・産業カウンセラー・キャリアコンサルタントの大美賀直子先生に、手軽にできるストレス解消法や、ストレスをためにくくするメンタルケア法を伺いました。
目次
ストレスとは?ストレス解消法ストレス解消につながる快眠法ストレスをためないメンタルケア法
ストレスとは?

心身が疲労する原因となる「ストレス」が何かを知ることで、今自分がどんな状態なのかを理解するきっかけとなります。ここでは「ストレス」を感じるメカニズムを解説します。
ストレスを感じるメカニズム
「ストレス」とは、「ストレッサー」と呼ばれる外部からの刺激によって、心身に「ストレス反応」が現れることです。
人間の身体を「ゴムボール」に例えると、ボールにへこみをつくる刺激を「ストレッサー」、ボールに現れるへこみを「ストレス反応」と呼びます。この刺激と反応の総称が「ストレス」です。
ストレッサーとは
「ストレッサー」には、大きく分けて3つの種類があります。
ストレス反応とは
ストレスにより心身に現れるさまざまな反応を「ストレス反応」と呼びます。ストレス反応は主に以下の3種類があるとされています。
身体反応睡眠障害や食欲低下、発熱、頭痛など、身体面に現れる反応
心理的反応憂うつ、あせり、苛立ち、不安など心理面に現れる反応
行動反応今までできていたことが急にできなくなったり、効率が落ちたりするなど、行動面に現れる反応。刺激物や特定の行為への依存などもある。
よいストレスもある
自ら望んだ「行動」によって得られるストレスは、「適度なストレッサ-」として、心身にとってよい刺激となります。例えば、新しくダンスを習うとき、これまでにない経験が快刺激の「ストレッサー」になります。ただし、快刺激にも過剰にさらされると、心身への負担となります。
ストレスがたまっていく段階
ストレス反応には「警告反応期」「抵抗期」「疲弊期」の3つの段階があり、それぞれの期間には個人差があります。
警告反応期
ストレスにさらされるといったん身体の抵抗力が低下した後、ストレスに適応するために抵抗力が上昇していきます。この時期を「警告反応期」といいます。
抵抗期
心身にストレスがかかり続けると、しばらくは身体の抵抗力が上昇した状態が続きます。この時期には心身がエネルギッシュになるため、休むことを忘れて頑張り続けてしまうことがあります。
疲弊期
抵抗期に適度に休息をとらないで頑張りすぎると、身体の抵抗力が低下し、疲弊期に入ります。悪化すると、心身の病が発症します。
ストレスがたまっていると感じたら、まずはしっかり心身ともに休むことが大切です。特に「抵抗期」に入ると心身の興奮が続き、仕事や家事を普段以上のペースでこなそうと頑張りすぎてしまうことがあります。そのため、この時期には意識的に休息をとっていくことが大切です。アクティブな生活を好む人でも、ときには「骨休め」をして、ゆっくりと過ごしましょう。
ストレス解消法

休日に心身ともに休ませたい、と思っても時間が取れない人は、日々の生活の中で少しずつ解消していきましょう。ここでは、自分自身のストレスを軽減するための考え方と、具体的にストレスを解消する方法を紹介します。
ストレスを軽減するためのアプローチ
ストレスへの対応を「コーピング」と呼び、大きく分けて2つのアプローチがあります。
問題焦点型
ストレスの原因になっている問題(ストレッサー)の解決を試みるコーピング。例えば、隣人の騒音がうるさいと感じている「環境要因」に対し、「隣人に直接話をする」「引っ越しをする」というようなアプローチです。
情動焦点型
感情をケアしたり、考え方を変えたりすることによって、ストレスの緩和を試みるコーピング。直面している問題に対し、見方や発想を変えたり、運動や趣味を楽しんで気晴らしをしたりする方法をとります。
具体的なストレス解消法
ストレスがたまっているときこそ、できるだけ「感性の豊かな生活を送ること」を心がけましょう。五感が豊かに働くと、精神的疲労が軽減されやすくなります。ストレスを解消しようと思ったときは、肩の力を抜いて、自然な気持ちでいられるようにしましょう。ここでは心身ともにリラックスすることで、ストレスの軽減につながる具体的な解消法を紹介します。
十分な睡眠時間をとる
心身の休息のためには、十分な睡眠が必要です。睡眠中に心身の疲労が回復するため、睡眠が十分にとれていないとストレスが蓄積されてしまいます。最適な睡眠時間には個人差があるので、下記を参照し、十分な睡眠時間をとりましょう。
【医師監修】寝過ぎもNG!最適な睡眠時間を知る方法
→「1日8時間が理想の睡眠時間」はウソ? 自分に合った睡眠時間を計る方法を紹介します
情報断食をする
脳をリフレッシュさせるためには、一時的に外界からの刺激を受けないようにする「情報断食」が効果的です。インターネットやテレビを見るのをやめる「情報断食」を行ってみましょう。
音楽を聞く
そのときの自分の感情に近い曲調の曲を選びましょう。たとえば「悲しいときにはスローバラードを選ぶ」「気分をすっきりさせたいときにはビッグバンドのジャズを選ぶ」などすると、音楽によるストレス解消効果が高まります。
大きく3回深呼吸する
深く呼吸をすることで身体の緊張が解け、ほどよいリラックス状態に導かれます。息の吸い込み方や秒数などにはあまりこだわらず、自分にとって楽だと感じるペースで大きく3回ほど深呼吸をしてみましょう。
運動をする
ヨガやストレッチ、景色や風を感じながら汗を流せるウォーキングやサイクリングがおすすめです。体を動かすことに集中し、楽しんで行うことがよい気晴らしとなり、ストレス解消になります。
信頼できる人と話す
「思いのたけを話す」という行為には、心に閉じ込めた感情が解放され、浄化される効果があります。これを「カタルシス効果」と呼びます。安心して話ができる相手を選ぶと、素直な気持ちを口に出しやすくなります。
人と一緒に食事をとる
食事によって「美味しさ」や「香りのよさ」などの感覚を味わうことができ、五感が刺激されます。同時に、会食によって会話を楽しみながら食事をすることによって、カウンセリングのような効果も得られます。
ストレス解消につながる快眠法

ストレスを解消するためには、前述したとおり十分な睡眠が重要です。しかし、睡眠時間を確保していても、睡眠の質が悪いと心身の疲労はとれません。ここでは、睡眠の質を上げる方法を紹介します。
身体のほどよい疲れを得るために、日中には身体を動かす
仕事や勉強で脳が疲れていても、身体がほどよく疲れていないとスムーズに眠りにつけません。身体が自然と休息を求めてスムーズに眠りにつくために、日中には積極的に身体を動かしましょう。
就寝前は、部屋を暗くする
寝室の明かりを暗くすると、眠気を誘う「メラトニン」というホルモンが分泌され、スムーズに入眠できるようになります。
就寝1〜2時間前に入浴をすませる
人は、身体の体温が下がり始めるときに、自然と眠気が生じるようになります。就寝1〜2時間前に湯船につかると、一度上がった体温が下がるタイミングで就寝時間を迎えることができるので、スムーズに眠りにつくことができます。特に夏場の湯温は38℃〜40℃ぐらいのぬるめの設定にするとよいでしょう。
ストレスをためないメンタルケア法

ストレスがたまらないよう、自分自身でコントロールすることが可能です。ここではストレスを感じたときに、ためずに対処するメンタルケア法を紹介します。
「感謝」のクセをつける
ストレスを感じやすい人は、「〜してくれない」「足りない」など、否定的な言葉を無意識に使っていたり、身の回りの人やものに対して「感謝」の気持ちを持つことができていなかったりする傾向があります。「ないこと」より「あること」に目を向け、「あること」に対して感謝をすると、自然と気持ちがポジティブになり、ストレスも受けにくくなります。
「認知の歪み」を修正する
ストレスをためやすい人は、合理的ではない思考のパターンである、「認知の歪み」を持っている傾向があります。「認知の歪み」には以下の10種類があります。
上記の認知の歪みを改善するためには「コラム法」が有効です。
コラム法
まず、不快な出来事があったとき、そのときに感じた正直な気持ちと出来事を、そのままノートに書きとめます。書いたら、そのまま少し置いておきましょう。そして、気持ちが落ち着いてきたころに、ノートに書いた出来事と感情が「認知の歪み」(10種類)に当てはまるかどうかチェックしてみるといいでしょう。自分自身の認知の歪みが明確になったら、今度は現実に即して、客観的にとらえ直してみましょう。ノートに書き出すことで、ストレスをためやすい思考を修正することができます。
例)
Aさんに挨拶をしましたが無視をされたことで、「嫌われているのではないか」といった不快な考えが浮かんだとします。この事実とその時の考えをそのままノートに書き込んでいきます。「嫌われているのではないか」というのは、「心の読みすぎ」という認知の歪みです。現実に即して客観的にとらえ直すと「Aさんは余裕がなかったのかも?」「私のことを嫌っているかは判断できない」「考えすぎても意味がない」というように、合理的な考えを広げることができるようになります。
photo:Getty Images
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