高齢家族のパソコンサポートをブラック化しない!プライスレスな親孝行を失敗させない注意ポイント

現代は高齢化社会となり、高齢者がパソコンやスマートフォンを利用することも多くなっている。もしかすると、若者以上に高齢者のほうがパソコンを使っているのかもしれない。
高齢者といっても、若い頃からパソコンやワープロに親しんでいた人であれば、意外とすんなりと使えるケースは多い。
しかし、若い頃、パソコンに全く触れていなかったという人の場合、かなり導入のハードルが高くなる。
そこで、必要になってくるのが「子供世代」の家族サポートだ。
筆者の旦那様の実家も高齢の父母がおり、パソコンを積極的に使っている。
そのため、時々パソコンで困ったことがあると、離れて住む旦那にサポート依頼の連絡が来るのである。
通常、メールや電話で対応をしているのだが、パソコンを実際に操作しないと現象や原因が特定できないという問題も多く、その場合、実家に出向いて対応することになるのである。
この意外に苦労が絶えない家庭内PCサポート、実際の事例を見ながら見ていきたい。
Vistaがサポート終了!Windows10パソコン移行という船出サポート
実家で使われていたWindows Vistaパソコンは、2017年4月でサポートが終了する。
このため、急遽パソコン買い換え問題が浮上した。
当然のように、筆者の旦那様が、購入パソコンの選定からサポートすることになった。
・購入パソコンの選定のためにショップに同伴
・新パソコンのセットアップ作業
・旧パソコンからのソフトウエア、データの移行作業
・Windows10の操作・利用方法のレクチャー
主におこなったサポート内容は以上である。
これだけでも、ちょっとしたメーカーサポートの域をこえている。
どれほどの作業になるか、箇条書きにしただけでは伝わりにくいと思う。
実は、これを全て処理するために、旦那様は泊まり込みで作業することになったのである。
今回のように、使う基本ソフトであるOSが、新しいバージョンに変わるということは、
・パソコン本体と基本の操作手順が変わり、使い方も変わる
・使うソフトウエアが新しいOSで動くとは限らない
・使う人が新しいパソコン、操作を覚え直しが必要
など、ただパソコンを買い替えればいいわけではなく、
使う人が新しいパソコンを使えるようにしなければならないため、かなり大変なのだ。
たとえば、
これまではWindows Liveメールを使っていたけれど、Windows10では「メール」アプリを使わないといけない。当然、操作や使い方は、前とは違うわけで、慣れずに戸惑う原因となるわけだ。
Word、Excelの操作性もガラッと変わってしまうため、周囲に詳しい人か、マニュアルがないと、新しいバージョンを使いこなすのはなかなか険しい道のりとなるだろう。
筆者の旦那様は、一般の男性と比べても比較的パソコンに詳しいタイプだ。
お手製のサポートマニュアルまで作成して、きっちりとサポートしていたが、そこまでできる人は、そうそう多くない。また、できるスキルがあっても、なかなか親や親戚のために、そこまでする旦那様は多くないだろう。
では、それほど詳しくない人の場合、家族のPCサポートは、
どうすれば、うまく乗り切れるのだろうか?
そのあたりを旦那様に聞くと、
実は、購入時に同伴し、販売員の話を一緒に聞くだけでも、十分にサポートになるという。
理由は、高齢者が販売員の話を聞いていると、理解できていない用語や内容も多いという。それを家族が一緒に聞くことで、情報の補完ができるというのだ。
家族がパソコンの知識に明るくなく、セットアップも苦手だという場合は、
プロに任せることも、良い方法なのだそうだ。
知識のある専門スタッフにパソコンのセットアップだけをしてもらい、家族が一緒に聞いて理解しておいた新しい環境の説明や使い方を活かせば、家庭サポートに役立つという。
怪しげなポップアップは何?危険なソフトを駆除!
さて、家庭のパソコンサポートは、パソコン購入時だけでは終わらない。
Windoes10パソコンにした義父から、起動時に立ち上がるポップアップについての問い合わせがあった。
話を聞くと、Simple Driver Updaterという常駐ソフトがインストールされているようであった。
こうした場合、まず、
・悪質な常駐ソフトが入っていることを伝える。
・むやみにクリックしないように指示をだす
後日、旦那様が実家に出向いて駆除対応をする。
駆除作業は、状況の確認からはじまり、
・ソフトのアンインストール
・スタートアップの削除
・ダウンロードファイルの削除
など、ケースによっては、かなりの時間がかかる場合も多い。
義父のパソコンには、当然、ウイルス対策ソフトもインストールしてある。
しかし、アクセス履歴を確認したところ、
何らかのフリーソフトをインストールした際に、一緒にインストールしてしまったと思われる。
一度でも悪質なソフトをインストールしてしまうと、その後の対応がとても大変になる。
安全性が分からないソフトやサイトには、タッチしないように伝えることも、家庭のPCサポートを軽減する上で大切なことなのだ。
もし、新しいソフトをインストールしたい場合は、
一度、連絡をもらい、あらかじめソフトの内容や安全性を調べてあげると、大きなリスクを回避できるとのこと。
遠隔サポートは何が分からないか理解することが大事
実家からは、Officeの操作やブラウザの操作など、基本的な操作方法について質問を貰うことも多い。
その際、一番重要なのは、
「何に困っているか」、これを正確に確認、理解することが大切だという。
ただ困っている、動かないなど、言われる表面的な現象だけに目を奪われると、解決できないそうだ。
実際に、
・何をやりたいのか
・何をしたかったのか
・何をしたのか
というシンプルな要因を聞き出すことが重要なのだ。
高齢者に限らず、パソコンでのトラブルや不満では、自分が、
「何が分かっていないか」を分かっていないことも多いため。
原因や理由を理解する手助けをする必要があるのである。
そして、サポートした記録を残しておくこと。
これが意外に大事なのだが、できないことでもある。
サポートして解決した記録があれば、本人が確認できるし、次にサポートが必要になった際も対処しやすくなるのである。
今の時代は、実家のパソコンサポートは、多くの家庭で直面している問題でもある。
身内のサポートがあることで、高齢者がパソコンを使う機会が増え、できることも増え。生活に活力も生まれてくる。
子供や家族のパソコンスキルによってサポートできる内容は異なるが、できる範囲で親の“困った”を解決して親孝行をしてほしい。
執筆 ちえ