先週のGI宝塚記念で春のGI戦線が終了。次のGIは10月1日のスプリンターズS(中山・芝1200m)までお預けとなるが、もちろん競馬は毎週行なわれているし、楽しみな重賞レースもたくさんある。ふだんGIしか見ないような方も、2歳戦や、夏の間に力をつけて台頭してくる馬たちをチェックしておけば、秋のGI戦線がより楽しめることだろう。

 今週末7月2日に行なわれるGIIIラジオNIKKEI賞(福島・芝1800m)は3歳馬による重賞。GI日本ダービーに出走できなかった馬が目指すことが多いため、”残念ダービー”などとも呼ばれているレースだ。昨年の勝ち馬ゼーヴィントはその後も重賞戦線で安定した走りを見せているし、一昨年の勝ち馬アンビシャスも今年のGI大阪杯5着などGI戦線で常に注目を集める存在となっている。

 このレースの大きな特徴として挙げられるのが3歳重賞としては唯一のハンデ戦であるということ。重いハンデを背負った人気馬が着外に敗れるというケースも多く見られており、馬券的には難しいレースであると同時に、高配当が狙えるレースでもある。多くの馬が初経験となる、小回りの福島コースというのも大きなポイントだ。過去の傾向なども振り返りながら、今年のラジオNIKKEI賞を占ってみよう。


マイネルスフェーンは福島コースと相性がいいステイゴールド産駒

 過去5年の福島芝1800〜2000mの種牡馬別成績を見ると、最も勝利数が多いのはステイゴールドの23勝。5年連続JRAチャンピオンサイアーに輝いているディープインパクト(22勝)を差し置いてのものなので、これは評価できるポイントだ。


 今年は2頭がスタンバイ。ウインガナドル(牡3歳/美浦・上原博之厩舎)は母タイムフェアレディがGIIIフラワーC勝ち馬という良血で、母の父はメジロマックイーン。オルフェーヴル&ドリームジャーニー兄弟やゴールドシップと同じ、いわゆる”黄金配合”の馬だ。

 昨年10月に新潟での未勝利戦(芝2000m)を3馬身差のコースレコードで制し、前走の夏木立賞(東京・芝1800m)も逃げ切ってここに臨む。スタートが上手で先行力があるので、先手を奪えれば好走する可能性は高いだろう。

 もう1頭のマイネルスフェーン(牡3歳/美浦・手塚貴久厩舎)は日本ダービー(東京・芝2400m)からの参戦。昨年のGIIホープフルS(中山・芝2000m)では後のダービー馬レイデオロの2着、GIII京成杯(中山・芝2000m)でも3着と、重賞実績は十分だ。京成杯は直線で前が詰まって追い出しが遅れた影響が大きく、スムーズならもっと際どい競馬になっていただろう。復帰後はGII青葉賞(東京・芝2400m)9着、日本ダービー16着と大敗が続いているが、この相手に入れば主役を張ってもいい存在だ。

 現3歳が初年度産駒となるルーラーシップ産駒も注目だ。まだサンプルは少ないが、福島1800〜2000mではこれまで5戦して2勝、2着1回、3着1回と、勝率40%、複勝率80%と安定した数字を残している。今回は2頭が出走する。

 バルベーラ(牝3歳/栗東・渡辺薫彦厩舎)は京都芝1600mで2連勝中。前走は不良馬場をものともせず、力強い末脚で差し切った。1800mは4戦して2着が最高だが、展開次第ではここに入っても通用するはずだ。母の父はディープインパクトで、叔母にチューリップ賞など重賞3勝のココロノアイがいて、4代母はオークス、桜花賞を制したマックスビューティという良血。奥が深く、今後の成長が期待される存在だ。


 マイブルーヘブン(牡3歳/栗東・高橋義忠厩舎)は1勝馬で、昨年暮れの阪神ダート1800m戦で強烈な末脚を見せ勝ち上がっている。芝でも山吹賞(中山・芝2200m)で2着に入っており、ダート馬と決めつけ、軽視するのは禁物だ。先行激化で前崩れの展開になれば、後方待機のこの馬にチャンスが巡ってきそうだ。

 血統的見地から言えば、セダブリランテス(牡3歳/美浦・手塚貴久厩舎)も見逃せない。戦績は中山ダート1800m、新潟芝1800mで無傷の2連勝。兄モンドインテロは今年のGII日経新春杯3着など重賞で活躍中だ。ダービー馬キズナや三冠馬ナリタブライアンといった名馬と同じ牝系を持ち、さらに同じ牝系の昨年の勝ち馬ゼーヴィント(父ディープインパクト)とは、母の父まで同じブライアンズタイム。セダブリランテスの父はディープインパクト産駒のダービー馬ディープブリランテなので、非常に似た血統構成となっている。ただし、ディープブリランテ産駒の福島芝1800m成績は6戦して5着が最高の未勝利と、父の産駒の相性はよくない。牝系のよさで、それを払拭できるか。

 その他、GII弥生賞を勝ったカミノタサハラの全弟でディープインパクト産駒のクリアザトラック(牡3歳/栗東・角居勝彦厩舎)、ダービー2着馬サトノラーゼンの半弟でハーツクライ産駒のサトノクロニクル(牡3歳/栗東・池江泰寿厩舎)、唯一の重賞勝ち馬ライジングリーズン(牝3歳/美浦・奥村武厩舎)など、今後の飛躍が期待される血統馬が揃った今年のラジオNIKKEI賞。筆者は上記ステイゴールドとルーラーシップ産駒、計4頭を中心に狙ってみたい。