『実力派の千鳥

 いま、テレビ業界の一線で働く人たちが、本当に面白いと思っているU-50芸人は誰なのか。本誌は100人のテレビマン、放送作家に取材。

 1位に輝いたのは2007年M-1王者のサンドウィッチマン

「2人とも気遣いの人で、素人を傷つけずにイジれる。伊達さんはタクシー運転手に聞きにくいことを聞くロケで『俺よく乗るのに、タクシー業界に嫌われないかな?』と本気で心配していた。

 富澤さんは初めて街頭で素人にインタビューするとき、緊張のあまり『精神統一する』と言ってロケバスから30分以上降りてこなかった。いまではすっかり慣れ、素人相手に人一倍笑ってくれる。編集すると、面白いことが起こっているように見えて助かる」(テレ朝制作)

 放送作家の高橋秀樹氏はM-1で9年連続準決勝進出の実力派、千鳥を推薦。

「漫才の腕が突出している。たいていの芸人はボケにしろツッコミにしろ、ネタが単発。千鳥は全体の構成がしっかりしているので、3分でも5分でも漫才ができる玄人好みのコンビ。いまの芸人は目標がテレビタレントで、世に出るきっかけとして漫才をしている人が多い。千鳥はそうした芸人とは違い、漫才を書く腕を持っている」

 岡山弁で、ボケの大悟(37)の育った北木島が田舎であるネタが鉄板。
「ロケ芸人としてブレイクしていますが、ひな壇でも面白い。引き出しをたくさん持っていて、瞬発力がある」(放送作家・山田美保子氏)

「ザキヤマ」こと山崎弘也(41)は、柴田英嗣(41)と組んだアンタッチャブルが活動休止してからブレイク。

「とにかくストイックにボケ続ける。編集でカットになっている部分もあわせればボケ数は断トツ」(日テレ制作)

「もう一度、2人のアンタッチャブルを見たい。彼らが初めてテレビに出たとき、僕がディレクターだったんですが、そのときから、ずば抜けていました。親友同士の受験生が合格発表を見に行くネタなんか最高です。どちらが欠けても、よくないですよ」(フジテレビチーフプロデューサーの渡辺俊介氏)

 単独でMCを務める番組が6本を数えるフットボールアワーの後藤輝基(42)は飲み会でのトークが熱い。
「番組後の飲み会で、指原莉乃に本気で『あそこはもう2回ボケられる』とダメ出し。仕事には妥協しない人だ。 スタッフが『指原さんは芸人じゃないんですから』と止めていた」(日テレ制作)

 テリー伊藤も推すメイプル超合金。
「カズレーザーの脈絡のないボケに安藤なつが突っ込む息の合った感じ。本番以外でも、安藤さんに気をきかせたつもりで2人の楽屋にお弁当を3つ置いたら、カズレーザーが『相方、ああ見えて少食なんです』とわざわざひとつ返してきた」(フジ局員)

 南海キャンディーズの山里亮太(40)も現在レギュラー6本。

「あるとき、配られた台本が明らかにやっつけ仕事の雑なものだったが、山里さんが司会すると、収録はごく自然に進行した。番組後の反省会ではちゃんと台本の雑な部分を指摘し、それもソフトな言い方だった」(日テレ制作)

 千鳥と並ぶ実力派コンビとして、おぎやはぎが7位にランクイン。前出の山田美保子氏は「スレスレ、ギリギリな感じがたまりません」と太鼓判。

「矢作さんはけっしてキャラがぶれず、 バラエティでもワイドショーでも、発言の本質は変わらない。かつ笑いが取れる」(フジ制作)

 山田氏が「イベントに起用したい」のがロバートの秋山竜次(38)。
「どこかにいそうなクリエイターのキャラになりきる『クリエイターズファイル』が面白すぎ。そのキャラで秋山さんが出演した電化製品の記者会見には、 著名なスタイリストや美容ジャーナリストが来ていて驚いた」(山田氏)

 放送作家の遠藤みちスケ氏が推すのは、トレンディエンジェルと、ウーマンラッシュアワーの村本大輔(36)。

「トレンディエンジェルの斎藤司さんは頭の回転がナンバーワン。イベントの司会をお願いしたとき、現場に着いたのが本番直前になってしまったのですが、ほぼ打ち合わせなしでも完璧でした。村本さんは毒舌キャラで悪い男のふりをしてますが、じつは繊細で礼儀正しい。

 ブレイクする前にイベントでご一緒したとき、なんにでも噛みついて無茶苦茶面白かった。終わったら真っ先に『自分たちのネタ、どうでした?』と聞きに来ました。真摯な努力家です」

 流行の女芸人だが、今回ランクインしたのは唯一、友近(43)。

「後輩の女芸人から尊敬されているのが友近さん。ライブでは、テレビではやれないディープな芸能ネタ満載です」(前出・山田美保子氏)

 惜しくもベストテンを逃した芸人にも、このような推す声が聞かれた。

「千原ジュニアさんの番組って台本がないんです。収録前に1時間半くらい、じっくり打ち合わせをして、そのまま臨むんです。擬音の入れ方は天才的。先輩芸人がベランダからラブドールを落とした話をして、『下の道にいた母娘の前に、ラブドールがソン、ソソソソンと着地した』。ソン、ソソソソンって(笑)。すごい独創性です」(フジ局員)

「飲食店でのロケで、料理ができるまで待ち時間が1時間近くあった。永野さんに『休憩していてください』とお願いしたら、『落ち着かないんで……』と言って、お客さんにずっとインタビューしてくれた。おかげで撮れ高は十分。こちらも休めないので、ちょっと疲れましたが……」(テレ朝制作)

 テレビマンは、芸人たちの才能と努力を間近で見ている。

1位 サンドウィッチマン
2位 千鳥
3位 山崎弘也
4位 後藤輝基
5位 メイプル超合金
6位 山里亮太
7位 おぎやはぎ
8位 秋山竜次
9位 トレンディエンジェル
10位 村本大輔
10位 友近

(週刊FLASH 2017年6月13日号)