ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 今年も早いもので半年が過ぎようとしています。今週は、その上半期の競馬を締めくくるGI宝塚記念(6月25日/阪神・芝2200m)が開催されます。

 昨年は17頭、一昨年も16頭とフルゲートに近い頭数で争われましたが、過去20回のうち、フルゲート18頭で行なわれたのは2007年の1回だけ。反対に、14頭以下の少頭数で争われたことが11回もあって、比較的出走馬がそろいづらいGIと言えます。

 その要因は、やはり天皇賞・春(京都・芝3200m)がタフなレースだけに、そこをステップにしてくると”オツリ”が残っていない場合があること、そして何より、夏の暑い時期に差しかかってきて、休養を選択する馬が多いことなどが挙げられるでしょう。

 今年も、天皇賞・春(4月30日)に出走した馬の多くが不参加。上位勢では、3着サトノダイヤモンドが秋の凱旋門賞を視野に入れて放牧に出され、その他、4着アドマイヤデウス、5着アルバート、6着ディーマジェスティらも、それぞれ休養に入ったようです。

 今年はさらに、大阪杯(4月2日/阪神・芝2000m)がGIに格上げされた影響も少なからずあるのでしょう。近年では最も少ない頭数(11頭)で行なわれることになってしまいましたね。

 しかも、前述のサトノダイヤモンドやディーマジェスティ、そしてマカヒキといった昨年のクラシック上位馬が出走しないため、超トップクラスと言えるのは、キタサンブラック(牡5歳)1頭のみ。GI5勝は、今回のメンバーでは断然の実績です。

 まさしく「1強」状態と言えますね。この少頭数なら紛れる心配もなく、優勝する確率はかなり高いでしょう。

 唯一の懸念は、前走の天皇賞・春がレコードVだったこと。その反動があってもおかしくないとは思うのですが、昨年も同じローテーションですし(天皇賞・春1着→宝塚記念3着)、その昨年よりも数段パワーアップしている今なら、何ら心配する必要はないのかもしれません。

 逆に、反動ではなく、使ってさらに成長した姿を見せてくれそうな勢いを感じます。そうなると、ますます逆らい難い状況です。

 そんな状況にあって、もし逆転があるとすれば……。

 もちろん、展開次第でどの馬にもその可能性はあると思いますが、出走馬の中でキタサンブラックを破って勝利している唯一の存在、ゴールドアクター(牡6歳)に最も魅力を感じます。近走は人気を裏切っていますが、まだ見限れません。


近走は不甲斐ない結果が続いているゴールドアクターだが... ゴールドアクターが優勝して、キタサンブラックを3着に退けたのは、一昨年の有馬記念(2015年12月27日/中山・芝2500m)。当時のキタサンブラックはまだ3歳で成長途上にあったのは確かですが、結果として破っていることは事実です。それに、昨年の有馬記念でもゴールドアクターは、勝ったサトノダイヤモンド、2着キタサンブラックと、僅差の勝負を演じて3着と奮闘しています。

 年明けの2戦がだらしない結果に終わって評価が下がっているようですが、2走前の日経賞(5着。3月25日/中山・芝2500m)は、いかにも休み明けといった状態でした。前走の天皇賞・春(7着)は、出負けしたこともありますし、鞍上の横山典弘騎手が展開を読み間違えたようにも見えました。まだどうなるかわからない部分を残していると思います。

 そもそも有馬記念で好走しているように、このくらいの距離の小回りコースが得意なタイプ。有馬記念の舞台と似た形状の阪神内回り・芝2200m戦は、ゴールドアクターにとってはいい条件だと思います。

 今回も鞍上は横山典騎手。前走が不甲斐ない結果に終わったので、ここに対する思いは相当なものだと思います。おそらく結果を求める”勝負騎乗”で魅せてくれるのではないでしょうか。

 もしかすると、最初からここが勝負で、天皇賞・春では反動を残さないように乗っていたのかも……そんな気さえしてきました。名手であり、勝負師でもあるジョッキーが、どんな騎乗を見せてくれるのか、本当に楽しみです。 そういうわけで、上半期の締めくくりとなる宝塚記念の「ヒモ穴馬」には、このゴールドアクターを指名したいと思います。

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