世界ランキング14位のトマーシュ・ベルディハ【写真:Getty Images】

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世界ランク14位が芝に滑りながら右手一本で…仰天の声続々「アメージングだ」

 7月のウィンブルドンに向け、幕を開けたグラスコートの戦いで生まれた男子テニスの珍ショットにファンが感嘆している。芝に足を取られて倒れながら四つん這いになってレシーブ。会場に笑いとどよめきが生まれる中、そのままポイントを奪い、大喝采を呼んだ。ATPの公式Youtubeが動画付きで紹介。「四つん這いホットショット」と称賛している。

 まさかのプレーでファンをうならせたのは、世界ランキング14位のトマーシュ・ベルディハ(チェコ)だ。16日に行われたメルセデス・カップ準々決勝、フェリシアノ・ロペス(スペイン)戦。相手のサービスの場面で“事件”は起こった。

 サーブをバックハンドで返すと、ロペスは中央にフォアを打ち込んできた。フォアで返そうと回り込んだ次の瞬間だった。踏ん張ろうとした足元が芝にとられ、ツルンと滑って両膝を突いてしまった。ボールはワンバウンドして目の前に迫っている。万事休す――。誰もがそう思ったが、31歳は諦めなかった。

 四つん這いの状態で両膝と左手を芝に突いたまま、なんと右手一本で打ち返したのだ。ボールはネットを越えて敵陣に入った。まさかの珍ショットに場内がどよめきと笑いが漏れる中、ベルディアはすぐに立ち上がり、戦闘態勢を取り戻した。

「四つん這いホットショット」に広がる称賛「滑りやすさ、結局問題なかった!」

 今度は自陣左に目いっぱい振られたが追いつき、渾身のバックハンドをクロスに打ち込んだ。これをロペスがネットにかけ、ベルディハのポイントに。スーパーショットからポイントを奪った瞬間、ベルディハは右拳を力強く握ってガッツポーズ。驚きの一打を目撃した観衆は、殊勲の31歳を称賛するように、大きな喝采を浴びせていた。

 10年のウィンブルドン準優勝の“芝の名手”が奪ったミラクルポイントに複数のメディアが動画付きで報じている。

 ATPもYoutubeの公式チャンネルは「ベルディハの四つん這いホットショット」と見出しをつけて紹介。「プライスレスだ」とファンも称賛している。

 さらに、ATP公式中継サイト「テニスTV」も公式ツイッターで掲載。「この草の滑りやすさ…とはいえ、ベルディハには結局問題なかった!」と紹介し、この動画を見たファンから「アメージングだ」「なんてポイントだ」と驚きの声が上がっていた。

 観衆のハートを鷲掴みにした元世界ランキング4位の実力者だったが、試合には1-2で敗戦。4強に駒を進めることはできなかった。しかし、驚異の“四つん這いショット”で、世界のファンに鮮烈なインパクトを残したことは事実だ。