銀行がおサイフになるデビッドカードの「便利と危険」、「メリットとデメリット」の境界とは
今までは、カード払いというとクレジットカードをすぐ思い浮かべる人が多いかと思います。
しかし、最近では、デビットカードを利用する人が増えています。
デビットカードは、自分の銀行口座から支払いと同時に、代金が引き落とされる「即時払いのカード」です。
日本銀行の調査によると、2016年度のデビットカードによる決済件数は1億756万件と、この5年間で3倍以上に増加しています。決済金額も約8921億円と、4年連続で増え続けています。
デビットカード利用増加の要因としては、
・クレジットカード大手のVISAやJCBが利用できるようになったこと
・使える店が大幅に増えたこと
などが背景にあるようです。
普及が加速しているデビットカードですが、現在主流のクレジットカードやSuicaなどの電子マネーに比べ、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
■カードの支払いタイミングから見るデビットカードのメリット
現在、日常のショッピングなどで使えるカードは、大きく分けて3つあります。
この3つのカード、実は、支払いのタイミングに大きな違いがあります。
・クレジットカード →「後払い」
・プリペイド式電子マネー →「前払い」
・デビットカード →「即時払い」
クレジットカードは、後払い方式。
購入時に現金が不要というメリットはありますが、実際は、カード会社から代金を借りて決済し、後で支払う。
つまり、一時的に借金をして買い物をする仕組みです。
一方、Suicaなどプリペイド式電子マネーは、支払うお金(使えるお金)を前もって入金(チャージ)しておくため、チャージ残高が足りなければ買い物(決済)はできませんが、「借金」は発生しません。
デビットカードは、買い物した金額がそのタイミングで、銀行口座から引き落としされます。もちろん、銀行口座の残高以上の買い物はできませんが、電子マネーより大きな金額が使えます。また分割払いやリボ払いもできませんので、借金(負債)が発生することもありません。
デビットカードは、クレジットカードのように分割やリボ払いなどができませんが、そのぶん、盗難や不正利用で口座残高を超えるような利用も未然に防止できます。
■使いすぎの防止以外のメリットとは?
クレジットカードのように現金不要で買い物ができて、使いすぎも防げるデビットカードには、使い過ぎを防ぐほかにもメリットがあります。
その1
・銀行口座があれば、誰でも作れる
デビットカードは、クレジットカードと違い入会審査がありません。
銀行口座を持っている人なら誰でも申し込み・作成ができます。
そのため、中学生を除く15歳以上 (銀行により異なる)であれば、未成年でもデビットカードを持つこともできます。
※原則として未成年の場合は銀行口座の開設に親権者の同意が必要
その2
・海外での支払いにも使える
デビットカードはクレジットカード同様に国際ブランドをもっています。特にVISAはデビットカードに力を入れており、海外旅行へ行ってもVISAが使えるお店ならクレジットカードと同様に使うことができます。
その3
・ネットショッピングでも使える
VISAなら「VISA」、JCBなら「JCB」のマークがあるサイトであれば、クレジットカードと同様に使うことができます。
つまりAmazonや楽天、Yahoo!ショッピングなどをはじめとした多くのネットショップでも利用することができるのです。
デビットカードは、カードの作りやすさでは電子マネーには及びませんが、国内の店舗や海外での支払い、ネットショッピングでも利用できることは、大きなメリットとなります。
■便利な半面、不正使用・紛失に注意が必要
デビットカードは、クレジットカードよりも簡単に取得できます。
さらにクレジットカードのように、国内外の店舗やネット通販でも使えるメリットがありますが、リスクもあります。
・分割払いやボーナス払いができないため、銀行口座の残高までしか使えない
・紛失した場合、再発行の手続きが面倒
・不正使用された場合、補償金額に上限がある
とくに不正使用された場合、デビットカードの利用限度額が、上限(口座残高)まで設定されている場合、口座残高を引き落とされるリスクがあります。
この場合、クレジットカードのように不正な使用をカード会社側で止めることができず、補償による入金を待たなければならなくなります。
ただし、こうしたリスクへの対策も用意されています。
多くのデビットカードでは、
・初期の利用限度額が設定されている
・利用限度額の変更が可能
利用目的にあわせて、利用限度額を設定することで、万が一の際にも最小の被害で納めることができます。
このほかデビットカードは、キャッシュバックやポイント制度を導入している点もメリットです。また外貨預金の口座があれば、海外での利用時にはその口座で決済できるようになるなど、今後は、一段と普及することが見込まれています。
とはいえ、便利で安全性も高いデビットカードですが、100%安全な決済カードは存在しません。
用法、用途、安全に使う方法を、よく理解して使う必要があります。
磯崎 新
しかし、最近では、デビットカードを利用する人が増えています。
デビットカードは、自分の銀行口座から支払いと同時に、代金が引き落とされる「即時払いのカード」です。
日本銀行の調査によると、2016年度のデビットカードによる決済件数は1億756万件と、この5年間で3倍以上に増加しています。決済金額も約8921億円と、4年連続で増え続けています。
デビットカード利用増加の要因としては、
・クレジットカード大手のVISAやJCBが利用できるようになったこと
・使える店が大幅に増えたこと
などが背景にあるようです。
普及が加速しているデビットカードですが、現在主流のクレジットカードやSuicaなどの電子マネーに比べ、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
■カードの支払いタイミングから見るデビットカードのメリット
現在、日常のショッピングなどで使えるカードは、大きく分けて3つあります。
この3つのカード、実は、支払いのタイミングに大きな違いがあります。
・クレジットカード →「後払い」
・プリペイド式電子マネー →「前払い」
・デビットカード →「即時払い」
クレジットカードは、後払い方式。
購入時に現金が不要というメリットはありますが、実際は、カード会社から代金を借りて決済し、後で支払う。
つまり、一時的に借金をして買い物をする仕組みです。
一方、Suicaなどプリペイド式電子マネーは、支払うお金(使えるお金)を前もって入金(チャージ)しておくため、チャージ残高が足りなければ買い物(決済)はできませんが、「借金」は発生しません。
デビットカードは、買い物した金額がそのタイミングで、銀行口座から引き落としされます。もちろん、銀行口座の残高以上の買い物はできませんが、電子マネーより大きな金額が使えます。また分割払いやリボ払いもできませんので、借金(負債)が発生することもありません。
デビットカードは、クレジットカードのように分割やリボ払いなどができませんが、そのぶん、盗難や不正利用で口座残高を超えるような利用も未然に防止できます。
■使いすぎの防止以外のメリットとは?
クレジットカードのように現金不要で買い物ができて、使いすぎも防げるデビットカードには、使い過ぎを防ぐほかにもメリットがあります。
その1
・銀行口座があれば、誰でも作れる
デビットカードは、クレジットカードと違い入会審査がありません。
銀行口座を持っている人なら誰でも申し込み・作成ができます。
そのため、中学生を除く15歳以上 (銀行により異なる)であれば、未成年でもデビットカードを持つこともできます。
※原則として未成年の場合は銀行口座の開設に親権者の同意が必要
その2
・海外での支払いにも使える
デビットカードはクレジットカード同様に国際ブランドをもっています。特にVISAはデビットカードに力を入れており、海外旅行へ行ってもVISAが使えるお店ならクレジットカードと同様に使うことができます。
その3
・ネットショッピングでも使える
VISAなら「VISA」、JCBなら「JCB」のマークがあるサイトであれば、クレジットカードと同様に使うことができます。
つまりAmazonや楽天、Yahoo!ショッピングなどをはじめとした多くのネットショップでも利用することができるのです。
デビットカードは、カードの作りやすさでは電子マネーには及びませんが、国内の店舗や海外での支払い、ネットショッピングでも利用できることは、大きなメリットとなります。
■便利な半面、不正使用・紛失に注意が必要
デビットカードは、クレジットカードよりも簡単に取得できます。
さらにクレジットカードのように、国内外の店舗やネット通販でも使えるメリットがありますが、リスクもあります。
・分割払いやボーナス払いができないため、銀行口座の残高までしか使えない
・紛失した場合、再発行の手続きが面倒
・不正使用された場合、補償金額に上限がある
とくに不正使用された場合、デビットカードの利用限度額が、上限(口座残高)まで設定されている場合、口座残高を引き落とされるリスクがあります。
この場合、クレジットカードのように不正な使用をカード会社側で止めることができず、補償による入金を待たなければならなくなります。
ただし、こうしたリスクへの対策も用意されています。
多くのデビットカードでは、
・初期の利用限度額が設定されている
・利用限度額の変更が可能
利用目的にあわせて、利用限度額を設定することで、万が一の際にも最小の被害で納めることができます。
このほかデビットカードは、キャッシュバックやポイント制度を導入している点もメリットです。また外貨預金の口座があれば、海外での利用時にはその口座で決済できるようになるなど、今後は、一段と普及することが見込まれています。
とはいえ、便利で安全性も高いデビットカードですが、100%安全な決済カードは存在しません。
用法、用途、安全に使う方法を、よく理解して使う必要があります。
磯崎 新