ケンタッキーフライドチキンの「サンドBOX」

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ハンバーガーを取り扱うファストフードチェーンで、「BOX」と名の付くセット商品の発売が相次いでいる。従来からあるセット内容にプラスアルファしつつ、価格は抑えてお得感が強くなっている。

そんなボックス商品、この2か月間でロッテリアにバーガーキング、ケンタッキーフライドチキン(KFC)も乗り出した。

ロッテリアに続き、バーガーキング、KFC

KFCは2017年5月31日、「サンドBOX」を発売。価格890円(税込、以下同)で箱の中には、

・チキンフィレサンド(または和風チキンカツサンド)1個
・カーネリングポテトSサイズ1個
・骨なしケンタッキー(チキン)1ピース
・ミニアップルパイ1個
・ドリンクMサイズ1個

が収まっている。

ボリュームがあるのに価格は抑えられているのが特徴だが、インターネット上では、別の理由から大きな注目を集めている。5月22日にバーガーキングが「KING BOX(キングボックス)」を発売しており、価格690円でセット内容が次のようにほぼ同様なのだ。

・バーガー(テリヤキレタスバーガーかタルタルチキンかチーズバーガー)1個
・フレンチフライSサイズ1個
・チキンナゲット5ピース
・ベルギーチョコレートパイ1個
・ソフトドリンクMサイズ1個

9日の間に相次ぎ発売された両者は、ツイッター上では

「ケンタッキーのカーネルサンドBOXとバーガーキングのこれ(編注:KING BOX)もかなりきてる」
「バーガーキングに続いてケンタッキーもBOXセット出したってよ!これはコスパ高くていいね」
「KFCボックスかバーキンボックスか」

と並べて語る投稿が多い。

実は、ロッテリアも「ロッテリアスライダーBOX」というセット商品を4月6日から980円で販売している。セット内容は、手のひらサイズのプチサイズバーガー3種に、フレンチフライポテトSサイズ1個、オニオンリングと、上記2社とは若干異なるものの、専用の箱に納めて販売するスタイルは同様だ。またロッテリア広報によると、6月8日からセット内容のオニオンリングがチキンに変更されるため、結果的に内容は2社に近くなる。

相次いで発売されたボックスタイプのセット。お互い意識しているのか。狙いは何なのか。

マックやモスにも注目が

「KING BOX」のバーガーキング・ジャパン担当者は6月2日のJ-CASTニュースの取材に、「メインのバーガーからデザートまで、箱を開けた瞬間に一気に目に飛び込んでくるワクワク感を楽しんでもらえる商品です。価格に敏感に反応される方が多いと分かってきたので、安く抑えてまずバーガーキングの商品を知ってもらう。印象的なこのボックスをきっかけに固定ファン拡大につなげるのが狙いです」と話した。販売は好調で、肝心の専用の「箱」の製造が一時的に追いつかなくなるほどだった。「SNSでも予想を上回る反響が出ています」と驚いている。一方、他社への意識については「当社は日本ではまだまだ小規模で比較になりませんし、特に他社さまのことは意識しておりません」と話している。

「サンドBOX」の日本KFCホールディングス担当者は取材に対し、「メインターゲットはお一人のお客様で、『KFCは家族や友人でバーレルなどを集まって食べる』というイメージとは異なるセットです。メインのチキン商品だけでなく、『KFCのフルコース』として他の商品も同時に押し出し、新規客を取り込みたいと考えています」と狙いを明かす。9日前にバーガーキングもボックスタイプのセットを発売していたことについては「まったくの偶然です。他社さまを意識しているわけではありません」という。

一足発売が早かった「スライダーBOX」のロッテリアは、人気の3種類のバーガーを小型にして「いろんなものを少しずつ食べたい」という要望に応えた。「ボックスタイプにすることで行楽シーズンにピクニックなどへ持ち運びやすくしています」と、「お一人様」に限らない層も狙う。

ツイッター上では他に「さあ、モスバーガーも対抗したモスボックスを発売するんだ」といった声や、業界最大手のマクドナルドが乗り出していないこともあり「マクドナルドを潰しにかかっている」との見方まで見られ、まだ参入していない2社の今後の動きが注目を集めている。