今週末4日には東京競馬場にて、春の古馬マイル王決定戦・GI安田記念(芝1600m)が行なわれる。

 一昨年は6頭、昨年は5頭のJRA GI馬が出走していたこのレースだが、今年は登録の時点でJRA GI馬は3頭。確固たる中心馬がいない状態で、混戦ムードが漂っている。それだけに、”悲願のGI制覇”を狙っている馬も多く、予想は難しいがレース的には面白くなりそうだ。

 アンビシャス(牡5歳/音無秀孝厩舎、父ディープインパクト)も”初GI制覇”を目指す1頭。これまでGIには4回出走し、2015年天皇賞・秋は4番人気5着、2016年宝塚記念は3番人気16着、2016年天皇賞・秋が4番人気4着、今年の大阪杯では5番人気5着と、馬券(3着以内)に絡んだことはないが、3歳時から”GI級”と高い評価を与えられていた馬だ。本馬の足跡を振り返ってみよう。


GIでの好走歴は多いアンビシャス。悲願達成なるか?
 2歳時は11月のデビュー戦(京都・芝1600m)、続く千両賞(阪神・芝1600m)を連勝。年明けのGIII共同通信杯はリアルスティール、ドゥラメンテの強豪に次ぐ3着となり、GIII毎日杯も3着。続くOPプリンシパルS(東京・芝2000m)で3勝目を挙げた。


 プリンシパルSはGI日本ダービー(東京・芝2400m)のトライアルなので、勝てば日本ダービーへの出走権が与えられるのだが、アンビシャス陣営は「2400mは長い」と判断し回避。7月のGIIIラジオNIKKEI賞(福島・芝1800m)に向かうと、56.5kgのトップハンデ、300m弱の短い直線をものともせず、後方から直線一気の差し切りで3馬身半差をつける圧勝を見せた。

 その後は中距離戦線を中心に出走。3歳秋は勝ち切れなかったが、印象的だったのが、天皇賞・秋(東京・芝2000m)だ。道中は折り合いを欠いて行きたがり、普通だったら惨敗してもおかしくないケースだったが、最後の直線では2着争いにも加わり、勝ち馬から僅か0秒2差の5着に健闘したのだ。このレースでこの馬の強さを評価した人も多いだろう。

 翌年もGII中山記念(中山・芝1800m)でドゥラメンテの2着に入り、GII大阪杯(阪神・芝2000m)では横山典弘騎手が2番手からレースを進める奇策で、キタサンブラック、ショウナンパンドラ、ラブリーデイ、イスラボニータ、ヌーヴォレコルトのGI馬5頭を封じて、重賞2勝目を挙げている。

 そのレース後は勝利がなく、今年は中山記念4着、GI大阪杯5着を経て、この安田記念に出走。昨年より着順は落ちているが、大阪杯では最後方追走からメンバー中最速の上がり3ハロン33秒6を記録しており、内容は悪くない。

 1600mの重賞は初出走となるが、2歳時に1600m戦は2戦2勝。折り合いに難があるだけに、距離短縮でレース展開が速くなるのは好都合だ。


 過去の安田記念を見ると、中距離に実績のある馬の活躍が多く、過去10年でもダイワメジャー、ウオッカ、ジャスタウェイ、ロゴタイプの4頭に芝2000m以上の重賞勝ちがあった。マイルGIより中距離GI戦線のほうが強い馬が集まる傾向もあり、その中で戦ってきた経験が生きるのだろう。

 同様のアプローチでいくと、ステファノス(牡6歳/藤原英昭厩舎、父ディープインパクト)も見逃せない存在だ。

 同馬は2000mの重賞勝ちこそないが、GI に格上げされた前走の大阪杯をはじめ、2015年香港GIクイーンエリザベス2世C(シャティン・芝2000m)、同年の天皇賞・秋と2着が3回あり、日本のみならず香港のGIでも好走。昨秋も天皇賞・秋が3着、香港GI香港C(シャティン・芝2000m)も3着と、安定した走りを続けている。 こちらは2014年のGIII富士Sで、今回と同じ東京芝1600m戦での重賞勝ちを果たしているのも心強い。一方で同レース以来2年半以上にわたって勝利がなく、6歳とやや高齢である点は気になるが、GIで2着が3回、3着が2回というその実績は、”悲願”のGI制覇により相応しい存在と言える。ここで成就するのか、注目したい。

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