鏡の使い方が効果的! - 映画『ラマン・ドゥーブル(原題)』より

写真拡大

 現地時間26日、第70回カンヌ国際映画祭でフランソワ・オゾン監督の映画『ラマン・ドゥーブル(原題) / L'amant Double』の公式会見が行われ、ヒロイン・クロエを繊細かつ大胆に演じたマリーヌ・ヴァクト(『17歳』)がラブシーンについて語った。

 『ラマン・ドゥーブル(原題)』は、アメリカ人作家ジョイス・キャロル・オーツの小説「Lives of the Twins」を映画化したエロチックなスリラー。クロエは自身の精神科医だったポールと恋に落ちて同棲を始めるが、彼には秘密の双子の兄弟ルイがいることが判明。クロエはポールの真実を突き止めようと、隠れてルイとも会うようになり……。『クリミナル・ラヴァーズ』『ある子供』などのジェレミー・レニエが、優しいポールと傲慢なルイの二役を演じている。

 本作でのセクシーな演技について聞かれたマリーヌが「エロチックなサイドは全てフランソワ(・オゾン監督)によるものよ」とさらりとかわして、オゾン監督に「君もだろ!」とすぐさま突っ込まれる一幕も。「ラブシーンはダンスの振り付けみたいなもので、しっかり準備をして、どういうふうに見えるかわたしたちはちゃんとわかっていた。だからスタントみたいなの。たくさん笑ったわ。スクリーンに映るものとは随分違うと思う」と実情を明かし、「ジェレミーと働くのは好き。実際、わたしはどちらの双子も好きよ」と妖艶に笑った。

 双子という特別な関係性と、それを鏡などを使ってシンメトリーなイメージで表現するというアイデアに惹かれたというオゾン監督。確かにグラフィックで美しい映画になっており、スクリーンから目が離せない。「イメージで遊ぶのが好きなんだ。そのイメージは真実なのか、嘘なのか。僕はそうしたことを考えるのが好きで、とても実験的な映画になっていると思う」と胸を張る。猫も本作で重要な役割を果たしているが「実は猫は怖いから好きじゃない。離れていたら大丈夫だけど」と打ち明けたオゾン監督は、「でも猫の目には何か人を惹きつけるものがある。じっとしていないからクローズアップで撮るのが難しんだけどね。(主演の)マリーヌも猫みたいなところがあるよ」と愉快そうに笑っていた。(編集部・市川遥)

第70回カンヌ国際映画祭は現地時間28日まで開催