3歳牝馬の頂点を決めるGIオークス(5月21日/東京・芝2400m)。牝馬クラシック一冠目の桜花賞では、単勝1.4倍と断然人気の2歳女王ソウルスターリングが3着に敗れ、8番人気のレーヌミノルが金星を飾った。単勝は4080円の高配当、2着リスグラシューとの馬連配当も1万7000円の万馬券となり、まさに波乱の結末となった。

 これをもって、二冠目のオークスはにわかに混沌としてきた。桜花賞から大きく勢力図は変わらないものの、オークスでも再度、波乱が起きるのではないか、という空気が漂っている。

 そこで、過去の傾向から、穴馬券につながる伏兵馬を探してみたい。

 牝馬にとって過酷な2400m戦ということで、1600mで行なわれる桜花賞から、大きく結果が変わるイメージが強いこのレース。しかしながら、基本的には桜花賞の上位組が強く、一冠目と連動した結果になるケースが少なくない。

 確かに800mの距離延長は、予想をするうえでは大きなファクターとなるが、あくまで3歳牝馬限定戦。各距離のスペシャリストが集まっているわけではないため、結局は桜花賞で見せた絶対能力がモノを言う場合が多いのだ。

 ただ、だからといって波乱がないわけではない。桜花賞で好走しながら、距離不安などが先行し、オークスでも人気が上がらない伏兵馬がしばしばいるからだ。

 例えば、2008年に2着となったエフティマイア。桜花賞で2着と健闘しながら、距離適性への懸念を抱えるとともに、15番人気だったゆえ、その結果がフロックと思われてか、オークスでも13番人気と伏兵扱いのままだった。

 同じような存在と言えば、今年は桜花賞馬レーヌミノルが狙い目となる。同馬も桜花賞では人気薄だったうえ、オークスでの距離延長が不安視されている1頭だからだ。ただ、フロックといったイメージは乏しく、桜花賞よりも人気が上がりそうな気配。さすがにここでは、穴馬として推奨できない。

 では、他に桜花賞で好走しながら、人気しそうもない馬はいないか。面白い存在と言えるのは、ディアドラだ。


桜花賞組では人気薄のディアドラが狙い目 同馬は桜花賞で6着と奮闘。オークスでは4着カラクレナイ、5着アエロリットが不在ゆえ、さらなる好走が期待できるにもかかわらず、メディアでの評価は一向に上がっていないからだ。桜花賞のあと、500万下の矢車賞(1着。5月7日/京都・芝1800m)に出走し、そこからオークスへ向かうローテーションも嫌われているのだろう。

 とはいえ、桜花賞では勝ち馬とはわずかコンマ4秒差。しかも、出走馬の中で最速の上がりをマークしている。もちろん、レーヌミノルをはじめ、桜花賞2着のリスグラシュー、3着ソウルスターリングはオークスでも強敵だが、展開次第では馬券圏内に食い込んでも不思議ではない。

 近年のオークスを見てみると、桜花賞組以外ではトライアルのGIIフローラS(東京・芝2000m)出走組が好走しているパターンが多い。昨年は、フローラSを勝ったチェッキーノが2着、同5着のビッシュが3着と奮闘した。2013年も、フローラS2着のエバーブロッサムが2着、同1着のデニムアンドルビーが3着に入線している。

 その他、2012年にはフローラSで2着だったアイスフォーリスが3着と健闘。また、2011年もフローラS3着だったピュアブリーゼが2着と好走し、波乱を演出している。オークスでは、前者が9番人気、後者が8番人気だった。

 これほどの活躍を鑑(かんが)みれば、フローラS組を軽くは扱えない。今年も同レースを経由して本番を迎える馬には注意が必要だろう。

 なかでも、注目すべきはその勝ち馬であるモズカッチャンだ。

 前走フローラSでは、上がり33秒9の脚を駆使して優勝。インの狭いところから直線でジワジワと伸びて、最後にライバルたちをきっちりとらえた。本番と同じ東京の舞台で、これだけしっかりした末脚を使えたのは好材料だ。

 2月の未勝利、3月の500万下、そしてこのフローラSと、ここまで3連勝という勢いも見逃せない。本番でも同じ切れ味と勝負強さが発揮されれば、あっと言わせるシーンを作ってもおかしくない。

 オークスで結果を出している馬の臨戦過程で多いのは、ここまでに記したように、桜花賞か、フローラSである。そしてもうひとつ、桜花賞と同日に行なわれるオープン特別、忘れな草賞(阪神・芝2000m)も忘れてはならない。

 2015年のオークス馬ミッキークイーン、2011年に7番人気でオークスを制したエリンコートも忘れな草賞からの連勝だった。さらに時間を戻せば、1998年のエリモエクセルも同様の例として挙げられる。

 となると、当然今年の勝ち馬ハローユニコーンも無視できない存在だろう。人気薄となれば、余計に食指が動く。

 同馬は、3月の500万下をこれまでと違った後方待機策で制すると、続く忘れな草賞(4月9日)でも後方から追い込む作戦を選択。稍重の馬場の中、最後まで伸び脚が衰えることなく、前を行く馬たちを次々とかわして快勝した。

 戦法も固まった今、その末脚が予想以上の武器になる可能性もある。東京の長い直線でそれが生かされるかどうか、同馬の一発に期待してみるのも悪くはないだろう。 波乱となった桜花賞に続いて、オークスでも番狂わせが起こるのか。未知なる世界に挑む乙女たちの、熾烈な戦いの幕がまもなく切って落とされる。

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