今週末21日には東京競馬場にて、3歳牝馬クラシック第2弾のGIオークス(芝2400m)が行なわれる。

 クラシック第1弾のGI桜花賞(4月9日/阪神・芝1600m)で単勝オッズ1.4倍という圧倒的な人気に推されながら、3着と人気を裏切ったソウルスターリング(牝3歳・藤沢和雄厩舎)の巻き返しなるかというのが大きなテーマとなる。今回はそれについて分析してみたい。

桜花賞は3着に敗れ、初黒星を喫したソウルスターリング
 まずは桜花賞のレース内容から振り返っておこう。稍重馬場で行なわれ、ソウルスターリングは道中5、6番手を追走。1000m通過が58秒3とまずまずのハイペースだったが、位置取りとしては悪くなかったし、手応えも十分あるように見えた。しかし、直線に入って追い出されても、ソウルスターリングより前にいて先に抜け出したレーヌミノル(牝3歳・本田優厩舎)をかわせず、リスグラシュー(牝3歳・矢作芳人厩舎)にも差されて、1/2馬身+クビ差の3着に敗れた。鞍上のルメール騎手は「これまでとは違った馬場で、それに尽きる」と語っており、稍重馬場が最大の敗因ということになるのだろう。

 しかし、稍重といっても勝ちタイムは1分34秒5と遅いものではなかったように、それほど悪い馬場ではなかった。”歴史的名牝”とか”勝ってダービーへ?”との声も聞かれるほどの前評判だっただけに、期待外れの内容だった。


 もうひとつ敗因を挙げるとすれば、2回にわたる輸送も少なからず影響があったのかもしれない。関東馬のソウルスターリングは、3月4日のGIIIチューリップ賞(阪神・芝1600m)、4月9日の桜花賞と、約1ヵ月の間に茨城県の美浦から兵庫県の阪神競馬場まで、2度の輸送を経験した。馬にもよるが、繊細な3歳牝馬にとって、輸送のストレスやダメージは小さくないもの。近年、桜花賞を勝った関東馬は2010年のアパパネも2013年のアユサンもチューリップ賞後に栗東トレセンに滞在して桜花賞を迎えていた。

 また、2頭ともチューリップ賞は敗れており(アパパネ2着、アユサン3着)、その後、調子を上げていった感があるので、チューリップ賞で強い競馬を見せたソウルスターリングは、余計に調整がしにくかったところもあるのだろう。

 続いて、血統を見てみよう。英国で14戦14勝という成績を残し、”史上最強馬”との呼び声も高い父フランケルの産駒は現3歳世代が初年度。海外でもダービーやオークスなど、まだ2400mのクラシックレースの出走がなく、距離適性に関しては未知数だが、4月28日に英国サンダウン競馬場で行なわれた英GIIIクラシックトライアルでは産駒のクンコが初めて約2000m(9ハロン209ヤード)の重賞を勝利しており、クラシックディスタンスへの可能性も見せている。フランケルの父ガリレオは、欧州のダービー馬を多数出している大種牡馬で、母スタセリタは芝2100mの仏GI仏オークス、芝2400mの仏GIヴェルメイユ賞、米GIフラワーボウル招待S(芝10ハロン=約2000m)を勝った中距離タイプ。この父と母の配合なら、2000mがベストで、2400mも問題ないように思われる。


 スタセリタの父モンズーンも芝2400mのドイツGI勝ち馬で、種牡馬としてもドイツのチャンピオンサイアーに輝き、英GIキングジョージ6世&クイーンエリザベスSを勝ったノヴェリストや米GI BCターフのシロッコ、母の父としても独GI独ダービーのシーザムーンなど多くの中長距離の名馬を送っている。元々、オークスは短距離やマイラー血統でも実力次第で好走可能なレース。中距離以上の適性がこれだけあれば、血統面の不安はほとんどないと言える。ソウルスターリングのオークスでの巻き返しは可能だと見る。

 あとは他馬との比較になってくる。桜花賞を勝ったレーヌミノルはダイワメジャー産駒で、2400mへと距離が伸びて有利というタイプではないが、2着のリスグラシューはハーツクライ産駒で、もともと桜花賞よりオークス向きと見られていた馬。桜花賞2番人気ながら12着と敗れたアドマイヤミヤビ(牝3歳・友道康夫厩舎)も、東京・芝2000mの百日草特別(2016年11月6日)で後に重賞2勝のカデナを破ったように、距離延長がプラスに働きそう。さらに、忘れな草賞(4月9日/阪神・芝2000m)を勝った新星ハローユニコーン(牝3歳・鮫島一歩厩舎)もおり、このハーツクライ産駒3頭は、かなりの強敵になりそうだ。

 筆者は今年1月に書かせていただいたクラシック展望でも、”オークスはリスグラシュー”という見解で、ソウルスターリングと大きな差はないとしている。これにアドマイヤミヤビ、ハローユニコーンを加えた4頭はどれが勝っても不思議ではなく、当日の馬場状態や枠順、レースの流れなど、状況次第で結果は変わってくるのではないか。難解だが、おもしろいレースになりそうだ。

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