ラグナロクが「バトルロイヤル」に(画像はディズニー・ジャパン公式YouTubeチャンネルより)

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アメコミ原作のヒーロー映画「マイティ・ソー」のファンが、シリーズ最新作の「邦題」に怒りを爆発させている。

最新作の原題は「THOR RAGNAROK(ソー・ラグナロク)」。これが、邦題では「マイティ・ソー バトルロイヤル」となった。こうした変更に、ファンが「ダサすぎ」「原作を尊重しろ」などと強く反発しているのだ。

「意味も重さも全然違う」

問題となっているのは、2017年11月3日に日米で同時公開予定のシリーズ第3作。英語版の予告動画が4月10日に公開されると、公開からわずか24時間で再生回数が1億3600万を超えるなど、大きな注目を集めている作品だ。

同シリーズは、米出版社「マーベル・コミック」の同名漫画を原作とした実写映画。物語は北欧神話をベースにしており、主人公のソーは北欧神話の主神オーディンの息子という設定。ソー(Thor)という名前も、北欧神話に登場する戦神「トール(Thor)」に由来する。

こうした神話との繋がりから、シリーズ最新作の原題(「THOR RAGNAROK」)にも、北欧神話で終末戦争を意味する「ラグナロク」という言葉が使われていた。だが、こうした作品のストーリーに根ざしたタイトルが、なぜか邦題では、

「マイティ・ソー バトルロイヤル」

となったのだ。

この邦題が17年5月10日早朝に発表されると、作品のファンからは困惑や怒りの声が続々とインターネット上に寄せられた。ツイッターやネット掲示板には、

「ラグナロクとバトルロイヤルじゃ意味も重さも全然違うんや...」「原作を尊重してタイトルをつけろ」「北欧神話に馴染みが無いからってバトルロイヤルに変更って雑な上にダサすぎ」「ラグナロクのタイトルが好きだっただけに、日米同時公開が決まっても素直に喜べないほどショックを受けました」

といった怒りや困惑の書き込みが数多く寄せられている。ツイッター上での流行語を表す「トレンド」欄にも、10日朝から昼にかけて「ラグナロク」「バトルロイヤル」など複数の関連ワードが登場していた。

配給会社「コメントを差し控えさせて頂きたい」

なかには、北欧神話の神々による終末戦争を意味する壮大な印象の「ラグナロク」が、プロレスなどの試合形式を表す「バトルロイヤル」という言葉に変わったことについて、

「神話級の戦いが一気にそのへんの喧嘩に格下げされたレベル」  「神と神との生存戦争って意味から、いきなりプロレスみたいな雰囲気に」

と揶揄するような声も目立った。ただ一方で、「バトルロイヤルも悪くない」「ダサくてカッコ良いので、むしろ好き」と変更を歓迎するような声も少数ながら出ていた。

いったいなぜ、原題からタイトルを大きく変更したのか。

日本で同作を配給する「ウォルト・ディズニー・ジャパン」は、一部メディアに配布した報道用資料の中で、作品の登場人物が敵・味方関係なくプライドを捨てて共に戦う様が描かれているため、「バトルロイヤル」というタイトルに決定したと説明している。

J-CASTニュースは10日午後、(1)原題からタイトルを変えた理由(2)ファンからは反発の声も出ているが、どう感じるか――などをディズニー・ジャパン側に取材したが、

「現段階ではコメントを差し控えさせて頂きたい」

と宣伝会社を通じて回答するだけだった。