ASUS ZenFone ARの注目は、Googleの技術を搭載したVR・ARだけとは限らない、隠れた人気とは?

ZenFone ARはGoogleが開発する仮想現実(VR)プラットフォーム「Daydream」と、拡張現実(AR)を実現させる3Dマッピング技術「Tango」に世界初対応したモデルだ。
今年1月に海外で発表され、中でもTangoについては日本でも昨年暮れに発売されたSIMフリースマホ「Phab2 Pro」(Lenovo製)に続く、対応製品第2弾となる。
とはいえ、Phab2 ProにおいてはTango対応アプリはそれほど多くなく、特に便利に使えると実際に体感できるものは少ない。そうした中でも各社がVRやARに力を入れるのはなぜだろうか。
実はARについてはスマホ普及機の2009年にもブームがあった。
日本でも頓智ドットが提供していた「セカイカメラ」は、スマホやケータイに搭載されたカメラを使って見ている風景にデジタル情報を付記できるなどで、リアルとデジタルの融合を象徴する存在だった。
しかしながら、当時はどちらかというと企業や自治体などがプロモーションとして活用するという提供者側が主導となり、利用者が便利になるといった実感が少なかったことなどからサービスが続かなかった。
セカイカメラは2014年にサービスを終了したが、再び、ARが注目を集めたのは昨年大ヒットしたスマホゲーム「Pokémon GO」(以下、ポケモンGO)だ。
また写真を手軽に合成したりする「SNOW」などのアプリが流行ったり、プロジェクションマッピングによる映像を目に触れる機会が増えていることや、VRの普及も加わったこともあるだろう。
さらにARやVRの先とも言える実際に目で見ている風景にそのままデジタル情報を加える複合現実(MR)もMicrosoftが「HoloLens」を使って取り組んでおり、先頃配信がはじまったWindows 10の最新大型アップグレード「Creators Update」ではMR対応をうたっている。
MRを実現するには地道な3Dデータの構築が必要になるため、Microsoftではスマホ向けOSのWindows 10 MobileにおけるCreators Updateでは、カメラで3Dデータを簡単に作成できるような機能も追加している。
GoogleのTangoもこうした流れの中にあり、3Dデータを作り、ARだけでなく将来的にMRにもつながるだけに少しずつでも普及させたいところだろう。
ZenFone ARはそんなスマホの次へとつながる世界の入口とも言える存在になる可能性はある。また何よりもZenFone ARはVRやARを使わなかったとしてもスマホとしてはこちらも世界初となる8GB内蔵メモリー(RAM)を搭載するなど、非常にハイスペックな点も売りとなる。
ベースモデルである「ZenFone 3 Deluxe(型番:ZS570KL)」は人気で予約を打ち切ってしばらくは販売停止していたこともある。ZenFone ARは、さらにハイスペックモデルということだけでも欲しいという人は、かなりいると思われる。
日本での価格はオープンながら希望小売価格で8GB RAM+128GB内蔵ストレージモデルが99,800円、6GB RAM+64GB内蔵ストレージモデルが82,800円。
発売はまだ先だが、楽しみな製品だ。
●ZenFone AR(型番:ZS571KL)の主な仕様
画面 :5.7インチWQHD Super AMOLED(有機EL)
大きさ :158.67×77.7×4.6〜8.95ミリ
重さ :170g
本体色 :ブラック
SoC :Qualcomm製「Snapdragon 821 for Tango」
メモリー :8GBまたは6GB
ストレージ:64GBまたは128GB、microSDXCカード
バッテリー:3300mAh(取外不可)
カメラ :背面約2300万画素(+モーショントラッキングカメラ・深度カメラ)、前面約800万画素
通信 :Wi-Fi(IEEE802.11a/b/g/n/ac)、Bluetooth 4.2
位置情報 :A-GPS・GLONASS・Beidou・Galileo
センサー :加速度、光、磁気、近接、ジャイロ、RGB、気圧、電子コンパス、指紋
端子 :3.5mmイヤホン端子、USB Type-C端子
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