2017年クラシック候補たち
第11回:ペルシアンナイト

 牡馬クラシック第1弾のGI皐月賞(4月16日/中山・芝2000m)が終了し、ファンの視線は第2弾の、競馬界最高峰のレースである日本ダービー(5月28日/東京・芝2400m)へと向けられている。

 その行方を占ううえで、やはりカギとなるのは「皐月賞の上位組」だろう。勝ち馬アルアイン(牡3歳)はもちろんのこと、2着に惜敗したペルシアンナイト(牡3歳/父ハービンジャー)にも注目が集まっている。


鋭い切れ味を秘めるペルシアンナイト アルアイン同様、栗東トレセン(滋賀県)の池江泰寿厩舎が管理するペルシアンナイト。昨年8月のデビュー戦を3馬身差で快勝すると、2戦目は関東に遠征し、オープン特別のアイビーS(2016年10月22日/東京・芝1800m)に出走した。

 ここでは、のちにGI阪神ジュベナイルフィリーズ(2016年12月11日/阪神・芝1600m)を無敗で制した2歳女王、ソウルスターリング(牝3歳)に屈したものの、その強敵と変わらぬ決め手を発揮。2着に食い下がって、力のあることを示した。

 その後、500万下を楽勝するも、GIIIシンザン記念(1月8日/京都・芝1600m)では1番人気で3着に敗れた。重い馬場と、直線で進路が狭くなるなどの不利が影響したようだった。

 実際、それを証明するように、続くGIIIアーリントンC(2月25日/阪神・芝1600m)では、圧巻の走りを披露。楽な手応えで突き抜けて、2着以下に3馬身差をつける快勝劇を演じた。

 そうして挑んだ皐月賞。それまで1600m〜1800mのレースのみ使ってきただけに、戦前は距離不安もささやかれたが、本番ではそうした声を一掃する走りを見せた。向正面で後方から一気に押し上げ、最後の直線では勝ち馬アルアインと真っ向勝負。クビ差の2着と結果を残した。

 そんなペルシアンナイトについて、陣営は皐月賞の走りを「期待どおり」と評価しているという。関西競馬専門誌のトラックマンが語る。

「デビュー前からスタッフの多くが『これは走る』と言っており、皐月賞の1週前追い切りに乗った水口優也騎手(※本番はミルコ・デムーロ騎手が騎乗)も、『この馬が皐月賞で負けるとは思えない』と感じていたほど。ハービンジャーの産駒は切れ味に劣るタイプが多いのですが、ペルシアンナイトについては、誰もが口をそろえて『とにかくキレる』と絶賛していましたね」

 皐月賞の前には懸念されていた距離についても、陣営は「2000mまでは大丈夫」と意に介していなかったようだ。

 とはいえ、さらに400m延長となる日本ダービーは少し状況が異なってくる。2400mをこなせるかという点について、先述のトラックマンはこう続ける。

「とにかく、あれだけキレて反応もいいので、淡々とレースが流れていっての持久力勝負になると、少し厳しいかもしれません。それでも、この馬はデビューからすべて違う競馬場のレースに出て、まったく崩れていないんですよね。その対応力や柔軟性は大きな魅力。それを武器に、どんなレースになっても対応してしまう可能性は十分にあります」

 これまでは、すべて初めての競馬場で奮闘してきたが、日本ダービーが行なわれる東京競馬場は2度目となる。それは、プラスにこそなれ、決してマイナスにはならないだろう。 関わったすべての人々が絶賛する”切れ味”を持つペルシアンナイト。2400m戦とはいえ、最後に少しでも力が残っていれば、東京の長い直線でその持ち味が炸裂するに違いない。

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