5000円チャージの「Suica」、6328円で落札 フリマで出品急増のワケ
現行紙幣や硬貨の取引を禁止したフリーマーケットアプリ「メルカリ」に、今度は現金をチャージした「交通系ICカード」の出品が相次いでいる。規制の「抜け穴」を狙った出品だとみられ、すでに売買が成立しているケースも出ている。
「メルカリ」の広報担当者は2017年4月25日のJ-CASTニュースの取材に対し、チャージ済みICカードが出品されていることは「把握しております」と回答。その上で、「すでに監視を開始しており、順次削除して参ります」と話した。
現金の取引を禁止した実施した直後から
「メルカリ」で現行の紙幣が額面以上の値段で出品されていることがインターネット上で話題になったのは17年4月22日ごろ。実際、1万円札1枚が「1万1900円」で落札された例もあった。
現金の出品についてネット上では、クレジットカードのショッピング枠の現金化をめぐるトラブルになったり、不正に得たお金を取引を通じて正当に得たお金と見せかける「マネーロンダリング」(資金洗浄)に利用されたりするのではないか、などと問題視する意見が相次いでいた。
こうした動きを受け、メルカリ側は22日付で現行の紙幣や硬貨の出品を禁止する措置を取った。4月24日のJ-CASTニュースの取材に対しメルカリの広報担当者は、禁止の理由について、
「マネーロンダリングなどのトラブルになる可能性がある」
と説明した。
だが、メルカリ側が現金の取引を禁止した実施した直後から、その「抜け穴」を狙ったとみられる出品が相次ぐようになった。それは、現金をチャージした交通系ICカードの出品だ。
実際、4月25日13時時点で、メルカリの検索機能で「Suica チャージ済」などと調べると、少なくとも百件以上の出品がヒットする。
すでに売買が成立したケースもあり、ポイント1000円分のものが「1400円」で落札されたり、5000円分のものが「6328円」で落札されたりしている。中には、1万円以上の現金をチャージしたICカードを出品するユーザーも出ていた。
メルカリ「監視を強化して対応」
実際のところ、交通系ICカードにチャージされたポイントを現金化することは簡単だ。「Suica」を発行するJR東日本の広報担当者によれば、
「Suicaに入金されたポイントは、みどりの窓口で現金での払い戻しが可能です。その際は、手数料として220円を払い戻し額から差し引かせて頂いています」
という。
現金チャージ済みの交通系ICカードの出品が相次いでいることについて、「メルカリ」の広報担当者は取材に対し、
「チャージ済の交通系ICカードの出品も把握しております。すでに監視を開始しており、順次削除して参ります。当社では以前よりマネーロンダリングに繋がるおそれのある取引を禁止していますが、今後も監視を強化して対応に当たって参ります」
とコメントした。
なお、現金をチャージした交通系ICカードが出品されているのは「メルカリ」だけではない。4月24日にコレクション目的以外での現金の取引を原則禁止する措置を取ったオークションサイト「ヤフオク!」でも、入金されたポイント以上の価格でICカードが出品されるケースが出ている。
「ヤフオク!」を運営するヤフーの広報担当者は取材に、「社内で対策を検討している」と話した。