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日本で初めてプライズ(景品)の形でボトルキャップが付いたのは、98年秋のペプシコーラであることをご存知だろうか?

前年、サントリーは日本におけるペプシコーラの製造・販売の権利を手に入れていた。世界的なブランドであるペプシだが、日本においてはまだまだマイナーな存在。そのブランド認知を上げる原動力となったのが、ペプシにオマケをつける「オンパックキャンペーン」だ。

ここで、登場した新たなスタイルのプライズがボトルキャップ。フィギュアとプラスチックのキャップを組み合わせた形状である。
当時はアメコミの『SPAWN』を始め、リアルなフィギュアのブームがすでに浸透済み。ここに目を付けたサントリーは、リアルな造形のフィギュアをオマケにすることでファン層の拡大を図ったのだ。

第1弾のキャラクターは『ペプシマン』。アメコミテイストあふれるペプシのオリジナルキャラクターである。

思わず揃えたくなる! リアルなペプシマンフィギュア


CGで描かれたメタリックな質感が特徴的だったペプシマン。おっちょこちょいだが正義感あふれるヒーローとして描かれたCMは、抜群の人気を受けシリーズ化していた。
このペプシマンが野球やサッカーなどのスポーツをしている「SPORTS & ACTION SERIES」が第1弾のラインナップとなる。
小さいながらも、リアルな等身とアクションのディテールが秀逸。飾りたくなるハイクオリティな出来で若者を魅了して行く。

CMなど大々的なキャンペーンを打たなかったが、口コミや雑誌の特集を通じて人気は拡大。翌99年の春には、第2弾となる「FOOD & PEPSI SERIES」が登場する。

ペプシマンがペプシのお供のジャンクフードと絡むデザインであり、ペプシマンが人文字で「P・E・P・S・I」を表現するものと一緒にラインナップされていた。5体揃えずにはいられない、コレクター心をくすぐる仕掛けが絶妙である。

『スター・ウォーズ』ブームの再来でボトルキャップも大ブレイク


そして、99年夏公開のある映画が、このボトルキャップブームを完全に定着させる。
『スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス』。80年代に熱狂的ブームを巻き起こした超大作シリーズの16年ぶりの新作だ。

この復活劇は新旧ファンに支えられ、世界中がお祭り騒ぎといった様相。再び社会現象化するほどの人気となったスター・ウォーズは、グッズやコラボ商品が市場にあふれかえっていた。
そんな中、この『エピソード1』のキャラクターを中心にボトルキャップが登場する。しかもいきなり40種ものラインナップで!

ライトなファンの入門グッズに最適であり、フィギュアに興味がなかった層の関心も集めたこのボトルキャップの人気は絶大。ペプシが全コーラ販売量のシェア6割を占め、キャンペーン自体も品切れを理由に1ヶ月足らずで終了してしまうほどだった。

中身が見えないからフルコンプは至難の業!


この頃には、『プロ野球チップス』や『ビックリマンチョコ』のように、オマケ目当てでペプシを購入する人も目立つようになっていた。
当時は、袋の中身が見えない「ブラインド方式」。外袋越しに指の感触で中身を当てることに必死だった方も多かったのでは?

お目当てのフィギュアが手に入らず、思わずもう一本と手が伸びる人。コンプリートを目指して、大人買いをする人も多かった。
結果、ペプシの売り上げは約10倍にまでなったと言われている。筆者も術中にハマってしまった1人である……。

ボトルキャップのキャップ部分は、ペプシのイメージカラーである「青」で統一されていた。青一色に染め上げたペットボトルのオマケ市場だったが、2000年春に「赤」が侵食し始めることに。
そう、ペプシのライバル、コカ・コーラが同じくハイクオリティなフィギュアで勝負に出たのだ。

これにより、ペットボトルのオマケフィギュアが競うように両社から登場するようになる。アニメやスポーツ選手、スニーカーまでもがフィギュアになった熱狂の大ブームについては、またあらためて振り返ることにしよう!

※イメージ画像はamazonよりペプシマン ボトルキャップ フード&PEPSI [10種セット]