4月16日に開催される牡馬クラシック第1弾の皐月賞(中山・芝200m)。牝馬のファンディーナに注目が集まっているが、忘れてはいけない存在がいる。ここまで3戦3勝のレイデオロ(牡3歳/父キングカメハメハ)だ。このまま無傷でGI制覇を果たすことができるのか、鞍上のクリストフ・ルメール騎手にその手応えを聞いた──。


デビュー3連勝中のレイデオロ。無敗のままクラシック制覇を狙う──まもなく行なわれる皐月賞では、レイデオロに騎乗予定です。同馬はここまで3戦3勝。能力的には「世代、ナンバー1」という評価もあるようです。まず、この馬のいいところを教えてください。

「ノット・ビッグ・ホース。バット、グッド・バランス。どんなポジションからでも反応できますし、シュンパツ力も発揮します」

──「瞬発力」ですか?

「そう、シュンパツ力。この日本語、大好き!(笑)。レイデオロは、シュンパツ力がめっちゃすごいです」

──確かに、年末のホープフルS(2016年12月25日/中山・芝2000m)を勝ったときの末脚には、ゾクッとさせられました。

「直線を向いたときのポジションはかなり後ろでした。でも、ゴーサインを出すと、反応がめっちゃ速かった。そこからのフットワークも素晴らしかった。乗っていて、とても気持ちよかったです(笑)」

──ただ心配されるのは、そのホープフルSのあと、レースを使っていないこと。およそ3カ月半の休養を挟んで、ぶっつけで皐月賞に臨むことになります。何かアクシデントでもあったのですか?

「ノー。ホープフルSを勝ったあと、すぐに藤沢(和雄)先生が『このあとは、皐月賞まで使わない』とおっしゃいました。メインターゲットは、あくまでもダービー(5月28日/東京・芝2400m)だからです。ダービーに向けてトップコンディションに持っていくには、トライアルを使わずに皐月賞を叩いて、そこからダービーへ行くのがベストと判断したわけですね。レイデオロは、まだ馬体が出来上がっていないところがありますから、僕もそれがベストだと思いました」

──つまり、ぶっつけで皐月賞に向かうのは、予定の行動だったわけですね。

「レイデオロは軽い馬です。だから、おそらくトライアルはいりません。中山は得意ですし、(ぶっつけでも)きっと皐月賞もダイジョブ!」

──ところで、レイデオロに最初に乗ったときの印象はどんなものでしたか。その頃から、クラシックの有力候補になれると思っていましたか。

「レイデオロもソウルスターリングと同じで、デビューした頃はとてもテンションが高い馬でした。まだ、子どもでしたね。だから、そんなにすごいとは思わなかったけど、だんだんとよくなっていきました」

──「よくなった」と思われたのは、どのあたりからでしょう。

「2戦目の中山のとき(葉牡丹賞1着。2016年12月3日/中山・芝2000m)。ちょうどいい感じになりましたね。リラックスして走っていたし、最後もいいシュンパツ力を使いました。ゴールしたあともまだまだたくさんパワーが残っていて、あのレースで、この馬は強くなった。ダービーにも行ける、と思いました」

──さて、いよいよ皐月賞です。現時点で、どういうレースプランを考えていますか。

「ポジションは、いつもどおり後ろでいいです。それより、とにかくリラックスして走ってほしい。そのために、グッドペースになってもらいたいですね。もしグッドペースで流れて、リラックスして走れれば、最後は必ずいい脚を使います。

 逆に、ペースが遅くなると、中山は前の馬が止まりません。そうなると、いい脚を使っても届かない。だから、スタートしてペースが遅すぎると感じたら、プランを変えるかもしれません。後ろでなきゃダメ、という馬ではないですから」

──ライバルになるのは、どの馬でしょうか。

「四位(洋文)さんの馬、スワーヴリチャード(牡3歳/父ハーツクライ)ね。共同通信杯(2月12日/東京・芝1800m)は、ベリー・インプレッシブ(印象的)だった。それから、あとは……牝馬です。ファンディーナ(牝3歳/父ディープインパクト)。あの馬がたぶん、一番強い(笑)」

──皐月賞での、レイデオロの勝算はいかがなものでしょう。

「いい競馬はすると思います。ただ、今年はまだ走っていないから……。才能があるのはわかっているし、きっとダイジョブとも思っているけど、『自信がある!』とはきっぱり言えません」

──ダービーはどうでしょうか。

「ずっとダービーがメインターゲットだったわけですから、皐月賞の結果に関係なく、ダービーでは期待できます。でも、やはり1回、走ってみないとね。だから、『自信があります!』と言うのは、ちょっと我慢します。皐月賞が終わったあと、言います(笑)」

──ダービーと言えば、昨年はマカヒキとサトノダイヤモンドの一騎打ちとなりました。クラシックに入る前はどちらの馬にも騎乗していて、どちらの馬にも乗れたと思うのですが、選ばなかったマカヒキにダービーを勝たれてしまいました。選んだサトノダイヤモンドは僅差の2着。悔しい結果だったと思います。

「確かに、負けたときはすごく悔しかった。でも、どっちも強い馬だし、負けたといっても、あれだけのレースをしてハナ差でしょ。その結果だけで、どっちが強いというのは間違いです。僕は今でも、サトノダイヤモンドがマカヒキより劣っているとは思わないし、あのとき、サトノダイヤモンドを選んだことがミステイクだとも思っていません」

──実際にその後、秋にはサトノダイヤモンドがGIを2勝しました。

「僕はずっと、ジョッキーは1頭の馬に続けて乗ることが大事だと思っています。それで(昨年のクラシックでは)サトノダイヤモンドを選んだんです。皐月賞は3着、ダービーは2着でしたけど、そのあとに彼は菊花賞と有馬記念を勝って、僕に大きなプレゼントをしてくれました。その勝利の際、サトノダイヤモンドが『あのとき、僕を選んでくれてありがとう』と言ってくれているような気がしました。とても感動しました。だから、有馬記念のあと、泣きました(笑)」

──最後に、改めてダービーに向けての思いを聞かせてください。「(日本ダービーは)すごい。どこの国でもダービーはスペシャルなものだけど、日本のダービーはめっちゃすごい。だから、勝ちたい」

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