これまではインテル愛を強調して残留してきた長友。しかし、さすがに今夏は大きな決断を迫られそうだ。(C)Getty Images

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 ちょうど1年前、日本代表DFの長友佑都はインテルと新たに2019年6月30日までの3年契約を結んだ。シーズン序盤こそチーム内の序列が低かったが、徐々に指揮官の信頼をつかんで勝ち取った契約延長だった。
 
 しかし今、長友はインテル退団の瀬戸際にあるようだ。イタリアの移籍サイト『トゥットメルカートウェブ』は現地時間4月8日、長友が来シーズンもインテルに留まることは「難しく、ほぼありえない」ことだと報じた。ステーファノ・ピオーリ監督の構想外にあるというのだ。
 
 昨年10月にピオーリ監督が就任して以降、長友はセリエAで5試合しか出場していない。スタメンはわずか3試合、プレー時間は235分と、同じミラノを拠点とするミランの本田圭佑ほどではないが、思ったように出場機会を得られていない。
 
 2018年のロシア・ワールドカップに向けて、日本代表での地位を維持するためにも、長友は出場機会を増やすことが必要となる。移籍も選択肢のひとつだ。
 
 しかし、1年前はレバークーゼンやマンチェスター・Uからの関心が騒がれた長友も、昨年9月に30歳を過ぎたうえ、今シーズンはベンチを温めているとあって市場価値が下落。同サイトによると、今では「魅力的なオファー」があまり届いていないとのこと。関心を示したのは、プレミアリーグで残留を争っているクリスタル・パレスのみで、あとはブンデスリーガから若干の調査があるだけという。
 
 1月に入籍してミラノで新婚生活を始めたばかりの長友の希望は、イタリア残留と見られている。国内ではかつて短期間ながらインテルを率いた経験を持ち、今シーズンはアタランタを躍進させたジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督が長友を評価しているようだ。来シーズンの欧州カップ戦出場権を争い、ミラノから近いベルガモを拠点とするアタランタであれば、悪くない新天地だろう。
 
 いずれにしても、トゥットメルカートウェブはインテルのオーナーである蘇寧グループが長友の残留を考えていないと強調している。2011年1月から6年以上をミラノで過ごしてきた長友だが、この夏は大きな決断を迫られるかもしれない。