放送コード無視のたけし氏は健在

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 自主規制ばかりが蔓延するテレビの世界。そんな窮屈になった“ギョーカイ”をビートたけし氏が叩っ斬る!

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 オイラの『テレビじゃ言えない』(小学館新書)って新書がソコソコ売れているらしい。これは、オイラが最近感じている「テレビじゃ言いたい放題やりたい放題ができなくなってる」ってフラストレーションを、政治から下ネタまであらゆるところでぶつけた本だ。

 この頃は「コンプライアンス」という名の下に、政治的な内容から下ネタ・カツラネタに至るまで、「アレは言うな」「コレもダメ」と先回りして注意されちまう。

 だから生放送でも思うように発言できないし、収録番組でもコメントがスパッとカットされちゃう。こんな不自由な状況でも「放送コード無視のビートたけしは健在だぜ」ってつもりで書いたんだ。

 この本がウケてるのは、もしかしたらオイラが感じてるような閉塞感を、世間も敏感に察知しているからなのかもしれない。まァ、テレビ業界がここまで萎縮しちまったのは「インターネット」の影響も大きいだろう。

 ネット社会じゃ、テレビ番組へのクレームが直接スポンサーに行っちまう。時には「不買運動だ!」とけしかけるヒマなバカまでいる。それでスポンサーに迷惑をかけたくないっていうテレビ局がドンドン萎縮してしまうんだ。で、勝手に自主規制して「言葉狩り」や「問題タレントの排除」をやっちまう。

 で、萎縮した結果として何が起こるかというと、新しいチャレンジをしなくなる。「過去にウケたもの」の焼き直しばかりが、番組表に並ぶようになっちまうんでさ。

 テレビのバラエティって、最近は「決まった型」に凝り固まってるもんな。

 笑って欲しいオチのコメントじゃ、画面の下にテロップを出す。で、番組の山場にさしかかったところで「続きはCMの後で」だよ。そりゃ視聴者だって飽きてチャンネル替えたくもなるだろってさ。

※SAPIO2017年5月号