パナソニックの23万円超え「GH5」が初回入荷で完売!映像クリエイターのハートを掴む理由とは【Turning Point】
パナソニックは3月23日にミラーレスデジタル一眼カメラの新製品「LUMIX DC-GH5」(以下、GH5)を発売した。
GH5は、ボディのみの価格で23万円を超える。
にもかかわらず、初回入荷分は完売するほどの人気ぶりだ。
一体、このカメラGH5は、なにが、それほどの魅力なのだろうか?
現在、大型イメージセンサーを搭載するデジタル一眼カメラは、アマチュアからプロまで幅広い層に支持されている。
こうした背景には、理由がある。
一般のカメラユーザーを対象としたコンパクトデジカメ市場は、より手軽に撮れて高画質なスマートフォンのカメラにとってかわられた。
スマホカメラへの移行により、普及した「Instagram」をはじめとするSNSに写真を投稿するライフスタイルが定着し、ユーザーに”見て貰うための写真” ”見た人にキレイと「いいね」して貰う写真”への必要性が高まり、より高画質な写真を欲する市場が生まれていると言える。
そうしたユーザーのニーズに応えるのが、GoProをはじめとするアクションカメラやミラーレス一眼、エントリーモデルのデジタル一眼レフカメラなどだ。
これらは安価ながら、スマートフォンのカメラのように簡単な操作で、さらに高画質で個性的な写真が撮れる。実に上手い道具選びであると感心する部分でもある。
■デジタル一眼カメラのいま
スマートフォンやデジタルカメラなどのデジタルデバイスは、数年で急速に性能が向上する。そして、一定の水準まで進化すると、その成長は鈍化する傾向にある。
ここまで成長すると、次に来るのは低価格化と付加価値による個性が商品価値になる。
現在人気のSIMフリースマートフォンの低価格化がまさにこの流れだ。
消費者としては嬉しい話でもあるが、メーカーにとっては厳しい消耗戦の時代であり、追随できないメーカーは、やがて淘汰されていくことにもなりかねない。
コンパクトデジカメは、低価格な製品市場がスマートフォンに置き換わったことで、以前のような低価格なカメラは製品数が減り、その代わりに5万円以上のミドルクラス、ハイエンドクラスのカメラが店頭に並んでいる。
そして、ミラーレス一眼や一眼レフカメラも、5万円からのエントリーモデル、ミドルレンジ、ハイエンドと、ニーズに分けた棲み分けができている。
実は、こうしたジャンルのカメラは、数年前と比較しても低価格が進んでいるわけではない。もちろん、処理速度や機能追加など、性能の向上は適応されているので、コストパフォーマンスは確実に上がっているが、店頭の販売価では、そう大きな変化はない。
デジタル一眼カメラが搭載する大型イメージセンサーには、パナソニックとオリンパスが採用する「マイクロフォーサーズ」と、キヤノンやニコン、ソニー、ペンタックス、などが採用する「APS-C」や「(35mm判)フルサイズ」がある。
富士フイルムはAPS-Cサイズのほかに、さらに大型の「中判フォーマット」(43.8×32.9mm)を搭載するミラーレス一眼も発売している、
中でもフルサイズイメージセンサーは、
センサーの、約36mm×24mm、画素ピッチの大きさによる高画質、高感度撮影そして、センサーサイズに起因するボケ効果の大きさなど、写真表現において、現状のカメラの中でも非常に魅力的なフォーマットとなっている。
もちろんフルサイズのセンサーを搭載するカメラは、高価な製品が多いが、それゆえに、カメラユーザー憧れの1台となるポジションを担っている。
APS-Cは、
フルサイズよりも一回り小さい23.4mm×16.7mmに近いイメージセンサー。
フルサイズよりも若干高感度やボケ効果の量は減るものの、同じレンズを使用しても望遠撮影が有利になるなどバランスの良いフォーマットといえる。
価格設定も幅広く、ユーザーニーズに合わせて5万円台から20万円台まで、幅広いユーザーに対応できる製品がそろっているのも、人気の理由だろう。
マイクロフォーサーズ(フォーサーズ)は、
フルサイズの対角長の1/2となる約17.3mm×13mmのアスペクト比4:3のイメージセンサーだ。
メリットは
・イメージセンサーが小さいためボディをコンパクトにできる
・フルサイズとよりも2倍の焦点距離となるため、望遠レンズをはじめとするレンズのコンパクト化ができる
デメリットは、
やはり、イメージセンサーが小さいことによる画質、ボケ効果の量が下がる点だ。
実は、ボディをコンパクトにできることは、カメラ本体の形状で自由度が高くできる。
つまり、女性にも人気のオリンパス「PEN」シリーズやコンパクトデジタルカメラのサイズのパナソニックの「GF」シリーズといった、扱いやすい高画質カメラを生み出すことができるのである。
■デジタル一眼カメラの付加価値づけ
デジタル一眼カメラの進化は。最大の目標が静止画の画質向上だった。
このために、画素数アップやノイズ低減、連写性能向上のための高速化など、イメージセンサーの進化が鍵となってきた。
ところが、近年、この目標が大きく変わってきた。
キヤノンが2008年に発売した「EOS 5D Mark II」が搭載したFHD(1920×1080ドット)動画撮影機能が、ミュージックビデオなどを撮影する映像業界で高く評価された。
このことがターニングポイントとなった。
デジタル一眼カメラの動画撮影は、アマチュア層にも需要が一気に広がったのだ。
実は、EOS 5D Mark IIの前に、ニコンが「D90」でHD(1280×720ドット)画質の「Dムービー」をセールスポイントとしていたのだが、EOS 5D Mark IIほどのビッグウェーブを起こすことはできなかった。
映画のような映像表現で高い評価を得たキヤノン EOS 5D Mark II
こうしてデジタル一眼レフカメラは、動画撮影という、カメラユーザーへの大きな付加価値に気付き、手に入れた格好となったわけだ。
ところがミラーレス一眼カメラは、光学ファインダーではなく、常にモニタディスプレイ(イメージセンサー)のライブビュー映像で撮影するため、静止画の撮影以上に動画撮影は得意分野だった。
長年、ミラーレス一眼を提供してきたパナソニックが、それを見逃すハズはなかった。
動画撮影を特徴とした「GH」シリーズを発売したのだ。
さらに2010年、2世代目となる「DMC-GH2」において、FHD画質で60pの滑らかな撮影を可能とする。
これが高く評価され°「GH」シリーズは、ムービー一眼としての地位を築くこととなる。
そして2014年には、一眼カメラ初となる4K動画撮影に対応した「DMC-GH4」を発売。
プロ向けのアクセサリーも用意するな、新たな映像市場の開拓を実現した。
その後、他社も追随、ソニーのαシリーズなどが4K動画撮影に対応し、脅威の高感度撮影やフルサイズイメージセンサーによる映像表現など新たな付加価値の創造に成功している。
■安価で実現するクリエイター向けの映像表現
さて、話しを3月に発売となったGH5の人気の理由に戻そう。
GH5は、GH4同様に4K動画撮影機能を搭載しながら、イメージセンサーは一新されて1605万画素から2033万画素へ高画素化し、読み取り速度も向上させている。
これによって、ミラーレス一眼では初となる4K画質での60p撮影を可能としている。
※デジタル一眼レフカメラでは2016年発売のキヤノン「EOS-1D X Mark II」で実現
GH5の4K/60p設定。ビットレートは150Mbpsだ
そもそも4K/30p動画でも、それだけで高精細な動画であり、細部に何が写っているのか分かるほどである。
そのためGH5の4K/60p動画に対する必要性はそれほど感じていなかったのだが、その予想は良い意味で覆された。
4K/60pで実際に撮影した映像を見ると、4Kの高精細に加えて60pによる時間軸の滑らかさが加わったことで、映像のみずみずしさや立体感が増しているように感じた。
GH5に搭載する4K/60p映像で、久しく忘れていた映像による新たな可能性に気付くことができたのだ。
4K/60pは、スポーツ撮影やドキュメンタリーなどの撮影に向いているほか、24pの映画のスローモーション素材撮影にも活用できる。
さらにそれをアシストすべく、イメージセンサーによる5軸のボディ内手ブレ補正も搭載。手持ち撮影時には、手ブレ補正機能を搭載するレンズと合わせることで、ボディ内の手ブレ補正の両方が機能する「Dual I.S.2」および「Dual I.S.」によってブレの少ない安定した撮影ができるようになった。
クリエイター向けの機能としては、
従来は外部レコーダーを必要としていた4K/30p 4:2:2 10bit映像を本体のSDカードに記録できるようになっている。
外部モニターレコーダー、バッテリーなど大きなシステムを持ち出すことなく本体だけで記録できるようになり、クリエイターが求める撮影が手軽にできるようになったというわけだ。
そのほか、画素数が上がったことでパナソニックが静止画撮影の新たな機能として推し進める「4Kフォト」が「6Kフォト」へ進化している。
6Kフォトは、最大4992×3744ドットの解像度で秒間30コマの動画として記録し、そのなかから決定的瞬間を切り出すという撮影方法だ。
画素数が上がった6Kフォトのほかに、従来の800万画素で撮影する4Kフォトは60p撮影可能になっており、秒間60コマの高速連写による撮影も可能としている。
この機能は、決定的瞬間を捉えるために何度も撮り直しを必要としていた撮影において、ベストショットを捉える可能性が増えるということになるとしているが、もっとシンプルに子どもやペットが遊んでいるところを動画として撮影し、あとからベストショットを切り出すという使い方がわかりやすいかも知れない。
GH5は、高価な機材が必要だった4K/60p撮影を23万円台で可能としたところが革新的なところなのだ。
またGH5は、動画撮影において時間無制限で撮影できる点も、大きく評価されている部分である。
特にフル画素読み出しによる4K/60p撮影は、長時間撮影に対応するためには熱処理が重要となる。パナソニックも苦労したようで、GH4よりもボディが大きく重くなったほか、内蔵フラッシュを非搭載としその部分まで廃熱に利用して、時間無制限で撮影を実現している。
動画撮影を中心に機能を見てきているが、静止画撮影も進化している。オートフォーカス性能は速度が向上し動体撮影にも強い。また、AFを駆動しながらの秒間9コマ連写とJPEGで600枚、RAWで60枚のバッファを持つなど、基礎体力の高さも評価に値する。
GH5は、バッテリーの続く限り動画撮影を可能したことや、4K/60p、6Kフォトなど新しい映像表現を可能とした。
単なる写真を撮るカメラでななく、映像表現ができカメラとして、新時代の進化ポイントが多く、完成度も向上したことが、23万円を超える価格すら安く感じさせているミラーレス一眼といえるだろう。
執筆 mi2_303
GH5は、ボディのみの価格で23万円を超える。
にもかかわらず、初回入荷分は完売するほどの人気ぶりだ。
一体、このカメラGH5は、なにが、それほどの魅力なのだろうか?
現在、大型イメージセンサーを搭載するデジタル一眼カメラは、アマチュアからプロまで幅広い層に支持されている。
こうした背景には、理由がある。
一般のカメラユーザーを対象としたコンパクトデジカメ市場は、より手軽に撮れて高画質なスマートフォンのカメラにとってかわられた。
スマホカメラへの移行により、普及した「Instagram」をはじめとするSNSに写真を投稿するライフスタイルが定着し、ユーザーに”見て貰うための写真” ”見た人にキレイと「いいね」して貰う写真”への必要性が高まり、より高画質な写真を欲する市場が生まれていると言える。
そうしたユーザーのニーズに応えるのが、GoProをはじめとするアクションカメラやミラーレス一眼、エントリーモデルのデジタル一眼レフカメラなどだ。
これらは安価ながら、スマートフォンのカメラのように簡単な操作で、さらに高画質で個性的な写真が撮れる。実に上手い道具選びであると感心する部分でもある。
■デジタル一眼カメラのいま
スマートフォンやデジタルカメラなどのデジタルデバイスは、数年で急速に性能が向上する。そして、一定の水準まで進化すると、その成長は鈍化する傾向にある。
ここまで成長すると、次に来るのは低価格化と付加価値による個性が商品価値になる。
現在人気のSIMフリースマートフォンの低価格化がまさにこの流れだ。
消費者としては嬉しい話でもあるが、メーカーにとっては厳しい消耗戦の時代であり、追随できないメーカーは、やがて淘汰されていくことにもなりかねない。
コンパクトデジカメは、低価格な製品市場がスマートフォンに置き換わったことで、以前のような低価格なカメラは製品数が減り、その代わりに5万円以上のミドルクラス、ハイエンドクラスのカメラが店頭に並んでいる。
そして、ミラーレス一眼や一眼レフカメラも、5万円からのエントリーモデル、ミドルレンジ、ハイエンドと、ニーズに分けた棲み分けができている。
実は、こうしたジャンルのカメラは、数年前と比較しても低価格が進んでいるわけではない。もちろん、処理速度や機能追加など、性能の向上は適応されているので、コストパフォーマンスは確実に上がっているが、店頭の販売価では、そう大きな変化はない。
デジタル一眼カメラが搭載する大型イメージセンサーには、パナソニックとオリンパスが採用する「マイクロフォーサーズ」と、キヤノンやニコン、ソニー、ペンタックス、などが採用する「APS-C」や「(35mm判)フルサイズ」がある。
富士フイルムはAPS-Cサイズのほかに、さらに大型の「中判フォーマット」(43.8×32.9mm)を搭載するミラーレス一眼も発売している、
中でもフルサイズイメージセンサーは、
センサーの、約36mm×24mm、画素ピッチの大きさによる高画質、高感度撮影そして、センサーサイズに起因するボケ効果の大きさなど、写真表現において、現状のカメラの中でも非常に魅力的なフォーマットとなっている。
もちろんフルサイズのセンサーを搭載するカメラは、高価な製品が多いが、それゆえに、カメラユーザー憧れの1台となるポジションを担っている。
APS-Cは、
フルサイズよりも一回り小さい23.4mm×16.7mmに近いイメージセンサー。
フルサイズよりも若干高感度やボケ効果の量は減るものの、同じレンズを使用しても望遠撮影が有利になるなどバランスの良いフォーマットといえる。
価格設定も幅広く、ユーザーニーズに合わせて5万円台から20万円台まで、幅広いユーザーに対応できる製品がそろっているのも、人気の理由だろう。
マイクロフォーサーズ(フォーサーズ)は、
フルサイズの対角長の1/2となる約17.3mm×13mmのアスペクト比4:3のイメージセンサーだ。
メリットは
・イメージセンサーが小さいためボディをコンパクトにできる
・フルサイズとよりも2倍の焦点距離となるため、望遠レンズをはじめとするレンズのコンパクト化ができる
デメリットは、
やはり、イメージセンサーが小さいことによる画質、ボケ効果の量が下がる点だ。
実は、ボディをコンパクトにできることは、カメラ本体の形状で自由度が高くできる。
つまり、女性にも人気のオリンパス「PEN」シリーズやコンパクトデジタルカメラのサイズのパナソニックの「GF」シリーズといった、扱いやすい高画質カメラを生み出すことができるのである。
■デジタル一眼カメラの付加価値づけ
デジタル一眼カメラの進化は。最大の目標が静止画の画質向上だった。
このために、画素数アップやノイズ低減、連写性能向上のための高速化など、イメージセンサーの進化が鍵となってきた。
ところが、近年、この目標が大きく変わってきた。
キヤノンが2008年に発売した「EOS 5D Mark II」が搭載したFHD(1920×1080ドット)動画撮影機能が、ミュージックビデオなどを撮影する映像業界で高く評価された。
このことがターニングポイントとなった。
デジタル一眼カメラの動画撮影は、アマチュア層にも需要が一気に広がったのだ。
実は、EOS 5D Mark IIの前に、ニコンが「D90」でHD(1280×720ドット)画質の「Dムービー」をセールスポイントとしていたのだが、EOS 5D Mark IIほどのビッグウェーブを起こすことはできなかった。
映画のような映像表現で高い評価を得たキヤノン EOS 5D Mark II
こうしてデジタル一眼レフカメラは、動画撮影という、カメラユーザーへの大きな付加価値に気付き、手に入れた格好となったわけだ。
ところがミラーレス一眼カメラは、光学ファインダーではなく、常にモニタディスプレイ(イメージセンサー)のライブビュー映像で撮影するため、静止画の撮影以上に動画撮影は得意分野だった。
長年、ミラーレス一眼を提供してきたパナソニックが、それを見逃すハズはなかった。
動画撮影を特徴とした「GH」シリーズを発売したのだ。
さらに2010年、2世代目となる「DMC-GH2」において、FHD画質で60pの滑らかな撮影を可能とする。
これが高く評価され°「GH」シリーズは、ムービー一眼としての地位を築くこととなる。
そして2014年には、一眼カメラ初となる4K動画撮影に対応した「DMC-GH4」を発売。
プロ向けのアクセサリーも用意するな、新たな映像市場の開拓を実現した。
その後、他社も追随、ソニーのαシリーズなどが4K動画撮影に対応し、脅威の高感度撮影やフルサイズイメージセンサーによる映像表現など新たな付加価値の創造に成功している。
■安価で実現するクリエイター向けの映像表現
さて、話しを3月に発売となったGH5の人気の理由に戻そう。
GH5は、GH4同様に4K動画撮影機能を搭載しながら、イメージセンサーは一新されて1605万画素から2033万画素へ高画素化し、読み取り速度も向上させている。
これによって、ミラーレス一眼では初となる4K画質での60p撮影を可能としている。
※デジタル一眼レフカメラでは2016年発売のキヤノン「EOS-1D X Mark II」で実現
GH5の4K/60p設定。ビットレートは150Mbpsだ
そもそも4K/30p動画でも、それだけで高精細な動画であり、細部に何が写っているのか分かるほどである。
そのためGH5の4K/60p動画に対する必要性はそれほど感じていなかったのだが、その予想は良い意味で覆された。
4K/60pで実際に撮影した映像を見ると、4Kの高精細に加えて60pによる時間軸の滑らかさが加わったことで、映像のみずみずしさや立体感が増しているように感じた。
GH5に搭載する4K/60p映像で、久しく忘れていた映像による新たな可能性に気付くことができたのだ。
4K/60pは、スポーツ撮影やドキュメンタリーなどの撮影に向いているほか、24pの映画のスローモーション素材撮影にも活用できる。
さらにそれをアシストすべく、イメージセンサーによる5軸のボディ内手ブレ補正も搭載。手持ち撮影時には、手ブレ補正機能を搭載するレンズと合わせることで、ボディ内の手ブレ補正の両方が機能する「Dual I.S.2」および「Dual I.S.」によってブレの少ない安定した撮影ができるようになった。
クリエイター向けの機能としては、
従来は外部レコーダーを必要としていた4K/30p 4:2:2 10bit映像を本体のSDカードに記録できるようになっている。
外部モニターレコーダー、バッテリーなど大きなシステムを持ち出すことなく本体だけで記録できるようになり、クリエイターが求める撮影が手軽にできるようになったというわけだ。
そのほか、画素数が上がったことでパナソニックが静止画撮影の新たな機能として推し進める「4Kフォト」が「6Kフォト」へ進化している。
6Kフォトは、最大4992×3744ドットの解像度で秒間30コマの動画として記録し、そのなかから決定的瞬間を切り出すという撮影方法だ。
画素数が上がった6Kフォトのほかに、従来の800万画素で撮影する4Kフォトは60p撮影可能になっており、秒間60コマの高速連写による撮影も可能としている。
この機能は、決定的瞬間を捉えるために何度も撮り直しを必要としていた撮影において、ベストショットを捉える可能性が増えるということになるとしているが、もっとシンプルに子どもやペットが遊んでいるところを動画として撮影し、あとからベストショットを切り出すという使い方がわかりやすいかも知れない。
GH5は、高価な機材が必要だった4K/60p撮影を23万円台で可能としたところが革新的なところなのだ。
またGH5は、動画撮影において時間無制限で撮影できる点も、大きく評価されている部分である。
特にフル画素読み出しによる4K/60p撮影は、長時間撮影に対応するためには熱処理が重要となる。パナソニックも苦労したようで、GH4よりもボディが大きく重くなったほか、内蔵フラッシュを非搭載としその部分まで廃熱に利用して、時間無制限で撮影を実現している。
動画撮影を中心に機能を見てきているが、静止画撮影も進化している。オートフォーカス性能は速度が向上し動体撮影にも強い。また、AFを駆動しながらの秒間9コマ連写とJPEGで600枚、RAWで60枚のバッファを持つなど、基礎体力の高さも評価に値する。
GH5は、バッテリーの続く限り動画撮影を可能したことや、4K/60p、6Kフォトなど新しい映像表現を可能とした。
単なる写真を撮るカメラでななく、映像表現ができカメラとして、新時代の進化ポイントが多く、完成度も向上したことが、23万円を超える価格すら安く感じさせているミラーレス一眼といえるだろう。
執筆 mi2_303