2017年クラシック候補たち
第8回:スワーヴリチャード

 春の3歳牡馬クラシック第1弾となるGI皐月賞(4月16日/中山・芝2000m)。近年、このレースの行方を占ううえで、あるレースが極めて重要な位置付けとなっている。例年2月に行なわれる、GIII共同通信杯(東京・芝1800m)である。

 過去5年における共同通信杯と皐月賞の成績を見ると、その関係の強さがよくわかる。共同通信杯を勝ち、そのまま皐月賞を連勝した馬は、5年で3頭を数えるのだ(2012年ゴールドシップ、2014年イスラボニータ、2016年ディーマジェスティ)。

 さらに、2015年の共同通信杯は1着リアルスティール、2着ドゥラメンテという結果になったが、本番の皐月賞では1着ドゥラメンテ、2着リアルスティールと、上位2頭が続けて優勝争いを繰り広げた。皐月賞、さらにその後のクラシックを見据えるうえでも、今や共同通信杯は決して無視することができないレースとなっている。


共同通信杯を制してクラシックに臨むスワーヴリチャード そして今年も、クラシックで楽しみな馬が共同通信杯で白星を挙げた。スワーヴリチャード(牡3歳/父ハーツクライ)である。

 同馬は昨年9月の新馬戦でデビュー。スムーズさを欠く競馬で2着に敗れたものの、ゴール前では猛追し能力の一端を見せた。その後、10月の未勝利戦で初勝利を飾ると、3戦目には素質馬の集うGIII東京スポーツ杯2歳S(2016年11月19日/東京・芝1800m)に参戦した。

 ここでは、直線で一度先頭に立つも、最後に外からきたブレスジャーニーに屈して2着と惜敗。とはいえ、クビ差の僅差であり、年が明けてからの活躍が期待された。

 実際、年が明けて共同通信杯(2月12日)に出走した同馬は、文句なしの快勝劇を見せる。道中は中団の内を進むと、直線は持ったままで先頭に立つ、余裕たっぷりのレースぶりを披露。最後に何度かムチを入れただけで、後続を突き放した。

 このまま皐月賞へと直行するスワーヴリチャード。近年の傾向からすれば、まさしく”必勝ローテーション”で臨むことになるが、同馬に関わる人々はどんな感触を持っているのだろうか。関西競馬専門紙のトラックマンが伝える。

「2歳時から厩舎での評価は高く、『素質があるのは間違いない』というコメントが聞かれていました。それ以上に、この馬の素質を買っていたのが、コンビを務める四位洋文騎手です。2歳時の段階から『クラシックで勝ち負けできる』と太鼓判を押していたんですね。ダービー2勝の騎手がそう言うのですから、かなりの手応えなのでしょう」

 加えて、すでにクラシックを狙える走りを見せていながら、今後の成長も十分に期待できるという。先述のトラックマンが続ける。

「共同通信杯を勝った時点でも、まだ馬体にはゆるい面があり、成長の余地をかなり残していたそうです。現に、それから春を迎えて、『腹回りがふっくらしてきたし、精神的にもどっしりして成長の跡がうかがえる』とスタッフは言っています。クラシック本番に向けて、ますます好感触を得ているようです。

 また、過去に2度敗れていますが、いずれも負けて強しの内容で、むしろその負けた経験がその後に生きています。文句なしのクラシック候補と言えるでしょう」

 今年の3歳牡馬戦線は、良血の期待馬が総崩れ。実績のある有力馬もケガで戦線離脱したり、ぶっつけ本番になったりと、順調さを欠くケースが目立っている。だが、スワーヴリチャードは順調そのもの。 共同通信杯から皐月賞という”黄金ローテ”から、またもチャンピオンが生まれるのか。まもなく訪れる、決戦の舞台に注目である。

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