3月26日に春の短距離王決定戦・GI高松宮記念(中京・芝1200m)が行なわれる。ビッグアーサーやダンスディレクターの戦線離脱で混戦模様となっており、どの馬にもチャンスがあると見られている。当初は回避の意向もあったレッツゴードンキ(牝5歳/栗東・梅田智之厩舎)も、ここに照準を定めてきた。上位人気も見込まれる同馬をさまざまなアプローチで分析してみよう。



前走、22ヵ月ぶりの勝利を挙げたレッツゴードンキ
【距離】
 今回のレッツゴードンキについて、最大のポイントとなるのは距離適性だろう。同馬はこれまで19戦を走り、新馬戦(札幌・芝1800m)、GI桜花賞(阪神・芝1600m)、そして前走のGIII京都牝馬ステークス(京都・芝1400m)の3勝を挙げている。芝1200mは4戦して、高松宮記念(中京)8着、GIII函館スプリントステークス(函館)3着、GIIIキーンランドカップ(札幌)3着、GIスプリンターズステークス(中山)9着と勝利はない。

 ただ、昨年の高松宮記念は直線の勝負どころで挟まれて追えず不完全燃焼であったし、スプリンターズステークスはスタート直後に他馬と接触して位置取りが悪くなってしまったものの、上がり3ハロン32秒9のメンバー中最速タイムを出すなど、GIレースでもいい脚を見せていた。GIIIの2戦も勝ち馬から約1馬身(0秒2)差の僅差。展開ひとつで逆転できるはずだ。

■結論
 展開次第だが、勝利する可能性は十分。


【脚質】
 過去21回の高松宮記念で、勝ち馬の決め手で最も多いのは中団からの差しによる10勝(167頭)だが、先行の9勝(80頭)のほうが勝率、連対率ともに高い。後方からの追い込み馬は2着2回が最高となっており、勝利するには4コーナーで11番手までに位置するのがこれまでのセオリーとなっている。2012年にコースが改修されて以降もその傾向は変わらず、改修後5年間の勝ち馬はすべて4コーナーで7番手以内(4頭が4番手以内)につけていた。

 レッツゴードンキは桜花賞こそ逃げ切ったものの、前走の京都牝馬ステークスでは4コーナー7番手からの差し切り。2走前のターコイズステークスでは出遅れて4コーナー通過は16番手だった。普通にスタートすれば1200mでも中団につけられるスピードはあるが、出遅れることもある馬なので、スタートが肝心。勝つためにはうまくゲートを出て、7番手以内で4コーナーを回りたい。

■結論
 勝つには4コーナー7番手以内が理想。前走のような展開が望ましい。

【血統】
 父キングカメハメハの産駒には、このレースの勝ち馬でGI香港スプリント連覇など芝1200mのGIで計5勝(加えて、芝1600mのGI安田記念も勝利)を挙げた名馬ロードカナロアがいる。1200m戦に限ると、同馬の他にはトウカイミステリー(GIII北九州記念)、フィフスペトル(GIII函館2歳ステークス)がいる程度。ロードカナロアが突出しているだけで、特に得意な条件というわけではない。

 母マルトクはダート1000〜1400mで5勝したスピード馬。レッツゴードンキのスプリント能力は母系に因るところが大きいのだろう。

■結論
 短距離のスペシャリスト血統ではないが、マイナス点は少ない。


【性別】
 これまで芝1200mのGIとして21回行なわれてきたこのレース、牝馬は延べ64頭が出走し、3勝、2着4回、3着6回。同距離のGI、スプリンターズステークスは27回で牝馬が8勝していることを考えると決して相性のいいレースとは言えない。

 ただ、これまでに馬券に絡んだ牝馬13頭のうち6頭が5歳馬となっており、年齢的にはレッツゴードンキにゲンのいいデータが残っている。

■結論
 牝馬は5歳馬に好走例が多い。

【桜花賞馬】
 レッツゴードンキは2015年に、牝馬クラシック第1弾である桜花賞を制している。過去、桜花賞馬はこの高松宮記念に2回出走し、1999年のキョウエイマーチ(5歳時)が4着、2006年のラインクラフト(4歳時)が2着。勝利は挙げられなかったが好走を見せている。

 そもそも、桜花賞馬が桜花賞後に1200mのレースに出走するケースは極めて少なく、過去30年では前述の2頭に加え、1992年のニシノフラワー、1987年のマックスビューティの計4頭のみ。ニシノフラワーは3歳時のスプリンターズステークス(当時は12月)を勝利し、マックスビューティは4歳時にオープン特別のオパールステークスを勝利している。牝馬三冠では最も距離が短い桜花賞を制した馬の能力は、牡馬混合のスプリント競走でも通用するケースが多いようだ。レッツゴードンキもこれまで勝利はないものの、1200m戦で好内容を見せている。

■結論
 桜花賞馬の1200m成績は良好。


【騎手】
 騎乗予定の岩田康誠騎手はロードカナロアでこのレースを勝利している。芝1200mの成績を主要距離(他は1600m、2000m、2400mのレース)と比較すると、勝率14.1%(279勝)、連対率26.2%と、最も良い数字を残している。中京コースの成績も勝率(13.4%)、連対率(27.3%)ともに高く、騎手とコースの相性は悪くない。

■結論
 岩田康誠騎手は芝1200mも中京コースも得意条件である。

【まとめ】
 以上、あらゆる角度からレッツゴードンキを分析したが、特に悪いデータはなく、好走が期待される結論となった。あとはレースの位置取りと展開がすべてで、過去2回の短距離GIのようなアンラッキーに見舞われることなく、中団につけられれば高い確率で好走できるだろう。

※成績は3月20日現在

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