進化を続ける「360度動画」の最新動向まとめ――YouTube/Facebook/Vimeo

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Vimeoが360°動画に対応

クオリティの高い動画が多いことで知られる動画共有サイトのVimeoがついに、360度動画のアップロードと視聴に対応しました。

360度動画では、動画タイトルの横に360度であることを示す「360」バッジが表示され、見る方向をコントロールできる「コンパス」もプレイヤー内に表示されます。

特徴的なのが、最大で8Kの360度動画をアップロードでき、ストリーミングでも4Kという高画質での視聴が可能という点。モバイルアプリにはオフライン再生機能も備わっています。

さらにヘッドセットのアイコンをタップすればVR視聴も可能になります。現時点ではSamsungの「Galaxy Gear VR」や「Google Daydream」といったヘッドセットと連携しており、今後さらに「Oculus Rift」や「HTC Vive」への対応も計画されているとのことです。

▽ クリエイターによる360度動画作品

VR専用アプリ「Facebook 360」

Facebookは、Samsung製のVRヘッドマウントディスプレイ「Gear VR」に対応したVR視聴アプリ「Facebook 360」の提供を開始しました。(注:Gear VRにはSumsung製スマートフォンGalaxyが必要です)

このアプリを使うと、Facebook上で公開されている100万件以上の360度動画と、2,500万点以上の360度写真がHMD上で視聴できるようになります。

お気に入りの投稿者をフォローしたり、コンテンツをスマートフォンに保存できるほか、リアクションやシェア機能も備わっています。その他のソーシャル機能も近いうちに追加されるとのことです。

Facebook上の360度動画が増加する一方で、実はHMDでの視聴があまりスムーズではない状況が続いていました。本アプリの登場により、Facebook上の360度コンテンツをHMDでシームレスに楽しめることになります。

さらに他のプラットフォームへの展開も予定されているとのことで、Facebookの360度動画の普及を後押しする要因になりそうです。

YouTubeが360度動画の画質向上を目指す

PCやスマートフォンで360度動画を視聴するには、360度の映像データを長方形のプレイヤーに投影するプロセスが必要です。YouTubeによると、現在の投影方式では画面の上端と下端がもっとも画質が高くなり、視聴者の視線が集まる画面中央部分がもっとも画質が粗い状態だそうです。

そこでGoogleはDaydreamと共同で新しい投影技術の開発に着手。画面全体の画質の均質化および向上に取り組んでいることを明らかにしました。

例えば下図は、従来のEQという投影技術と、EACという新しい投影技術を比較したものです。車両や車線などを見比べると、EACの方が画面中央部分の画質が向上していることが分かります。

画像参照元:YouTube Engineering and Developers Blog

当面は従来のEQ方式のままとのことですが、Googleは今後もこの取り組みを続け、業界の新しいスタンダードの確立を目指すと述べています。

360度動画を取り巻く環境が進化することで、人々が360度動画を視聴する機会は今後ますます増えていくことでしょう。没入感やエンターテインメント性の高い360度動画は、企業のマーケティングにおいても有力なコンテンツのひとつであり、市場の動向には引き続き注目していきたいと思います。