(写真提供=SPORTS KOREA)韓国打線を封じたジェイソン・マーキー投手

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オランダ、キューバ戦を制して2次ラウンドでも勢いづく日本を横目に、1次ラウンド敗退のショックから未だにさめていない韓国。今回残した1勝2敗という成績は、WBC過去最悪の成績だ。

振り返れば韓国が1次ラウンド敗退で終った原因は、開幕戦となった3月6日のイスラエル戦にあったと見ることができるだろう。韓国のWBCテレビ中継社であるJTBCのスポーツ文化部、チョン・ヨンヒ記者も指摘する。

「大方の見方になりますが、韓国は1次ラウンドの強敵をオランダと見ていました。そのためイスラエルと台湾に勝って、1次ラウンド突破を果たすと多くの人が考えていました。それを踏まえると、初戦のイスラエルに敗れたことが今回の結果につながったと見ることができると思います」

肌で感じたイスラエルの実力

韓国にとってもイスラエル戦を落とすことは想定外だったに違いない。

今でこそイスラエルの勝利が“まぐれ”でないことが明らかだが、当時、韓国がイスラエルに敗れたことは「衝撃的」と伝えられた。

チョン記者は「ニューヨークタイムズも“奇跡的な勝利だ”と報じていましたが、韓国も決して侮っていたわけではない」としながら続ける。

「世界ランキングを見てみると、イスラエルは43位で、韓国は3位。とても差があるわけです。しかし、イスラエルの選手たちは大部分がユダヤ系アメリカ人で、アメリカでプレーする選手たち。だから韓国では世界ランクほど“簡単な勝負にはならない”と見ていました。韓国が若干有利だが、楽に勝てる相手ではないととらえていました」

例えば、韓国戦に先発し、韓国打線をほぼ完璧に封じたジェイソン・マーキー投手は、メジャーで124勝をした投手だ。

「単純に勝利数だけを見れば、日本の野茂英雄選手よりも多い。韓国人初のメジャーリーガーであるパク・チャンホ選手と同じ勝利数になります」

マーキーは日本戦に登板できないが、イスラエルのブルペンで警戒すべきは彼だけではない。

韓国戦の勝利投手となったゼイドも韓国打者をほぼ完璧に抑えている。チョン記者は韓国が敗れた最も大きな原因を、イスラエルの投手力と強調する。

「韓国が敗れた理由は、間違いなくイスラエルの投手にあるでしょう。想像以上に実力がありました。イスラエル戦で韓国の打者たちは、まったく話になりませんでした。ソ・ゴンチャンが唯一の打点を上げただけで、3番のキム・テギュン、4番のイ・デホはともにノーヒット。これでは言い訳はできません。韓国よりイスラエルが強かったということです」

チョン記者のこの言葉は、1次ラウンドを全勝し、2次ラウンドでもキューバを下した“快進撃”を続けるイスラエルの現状を見ると、かなりの説得力がある。つまるところ、韓国はイスラエルに実力で負けたということなのだろう。

韓国1次ラウンド敗退の“戦犯”は?

初戦のイスラエル戦を落とし、1次ラウンドで敗退した韓国。野球ファンは辛らつな批判を飛ばしており、韓国メディアを見ると戦犯探しに忙しそうだ。
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例えば『news1』は「WBCの惨事、高額年俸者たちが責任を感じなければならない理由」という記事を掲載。「非難の矢は高額年俸者に集中している」としながら、キム・テギュン、イ・デホ、チェ・ヒョンウの名前を挙げている。

キム・テギュン84億ウォン(約8億4000万円)、イ・デホ150億ウォン、チェ・ヒョンウ100億ウォンというFA契約規模の選手たちで“334億トリオ”などとも呼ばれていたが、たしかに散々な結果だった。

ちなみにキム・テギュンは今大会、8打数1安打に終った。それでも台湾戦でホームラン1本を放っただけ、マシだったかもしれない。4番のイ・デホにいたっては、11打数2安打、打率.182とまったく振るわなかった。

高額年俸の主力選手たちの不振が今回の結果につながったことはいうまでもない。「暴かれた化けの皮」ともされた「韓国野球バブル大崩壊論」の一端になった。

個人的には、これまでWBCで激闘を繰り広げてきた日韓戦が実現せずに残念だが、すでに韓国のWBCは終わり、その序章がイスラエル戦にあったことに異論はないだろう。

そんな韓国とは対照的に、日本は本日3月15日19時にイスラエルと対戦する。決して気を抜ける相手ではないことだけは間違いなさそうだ。

(文=慎 武宏)