チームに勢いをもたらす先制弾を決めたキャプテンのモーガン。この得点シーンだけでなく、この日のレスターはワンチャンスをモノにする凄まじい集中力があった。 (C) Getty Images

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 現地時間3月14日、チャンピオンズ・リーグ決勝トーナメント1回戦のセカンドレグのレスター対セビージャ戦が開催された。
 
 2月22日に行なわれたファーストレグでは1-2で敗れたレスター。逆転を狙うこの試合の布陣はいつも通りの4-4-2。注目の岡崎は最前線でヴァーディーと2トップを組んだ。
 
 試合はキックオフ直後から、ボールを持って主導権を握ろうとするセビージャに対して、前線からアグレッシブにプレッシャーをかけるレスターという構図のなかでスタートする。
 
 レスターがハードワークを怠らず、セビージャが手を焼きながら進行した試合は、膠着状態が続いたが、会場の声援に後押しをされて勢いづいたホームチームがセットプレーから先手を取る。
 
 27分、左サイドからのFKでキッカーのマハレズがボックス内にライナー性のボールを供給。これがファーサイドでモーガンの右足に当たってゴールに吸い込まれた。
 
 ファーストチャンスをものにし、勝ち抜けに向けて前進したレスターは、その後も前線からプレッシャーをかけるインテンシティーの高いサッカーを持続。セビージャの攻撃を見事に抑え込んだ。
 
 その後も、レスターがペースを握ったまま進んだ前半は1-0で折り返しとなった。
 
 迎えた後半は、追い上げるセビージャが動く。開始とともにヨベティッチとマリアーノを投入したのだ。
 
 攻勢を強めて相手を完全に押し込んだセビージャは、52分にクロスバーに直撃する強烈なミドルシュートをエスクデロが見舞うなど、レスターゴールに迫った。
 
 しかし、この試合の2点目を奪ったのはホームチームだった。前掛かりになるセビージャの一瞬の隙を突く。
 
 54分、右サイドからのマハレズのクロスボールを相手CBがクリア。このこぼれ球をオルブライトンが拾って、左足で鋭いシュート放つと、これがゴール右下隅へと突き刺さったのだ。
 
 またもワンチャンスをものにしたレスターは、再び守勢に回ったが、プレッシングは怠らずにセビージャに形を作らせない。64分には疲れが見始めた岡崎に代えてスリマニを投入。交代策も巧みに使って、ペースダウンをさせずに試合を進行した。
 
 74分には、ヴァーディーと口論になり、頭突きを見舞ったナスリが2度目の警告を受けて退場となり、セビージャは数的不利な状況なる。
 
 しかし、追い込まれたセビージャはリスクを犯して前に出ると、80分にボックス内に侵入したビトーロが相手GKシュマイケルに倒されてPKを獲得する。
 
 決めれば合計スコアで並ぶこの重要な場面で魅せたのは、レスターの守護神シュマイケルだった。キッカーのエヌゾンジが右方向に放ったシュートを見事に横っ飛びでストップしてみせたのだ。
 
 決定機を外してしまったセビージャは、83分にサンパオリ監督が退席処分となり、より追い込まれていった。
 
 PKこそ与えたものの、最後までレスター守備陣が緩さを見せることはなく、セビージャの猛攻を凌ぎ切り、試合は2-0で終了した。
 
 奇跡のプレミアリーグ制覇を成し遂げた時の全員サッカーが蘇えったレスターは、合計スコアを3-2として逆転でベスト8へ駒を進めた。
 
 なお、準々決勝の抽選会は3月17日に開催される。