2017年クラシック候補たち
第5回:ファンディーナ

 3歳クラシックの幕開けがおよそ1カ月後に迫り、前哨戦となるトライアルレースが本格的にスタートした。そうした状況の中、「超ハイレベル」と言われる3歳牝馬戦線において、一気に勢力図を変えるかもしれない”新星”が登場。関係者やファンから熱い視線が注がれている。

 現在、2戦2勝のファンディーナ(牝3歳/父ディープインパクト)である。まだ新馬戦と500万条件を勝ったにすぎないが、とにかくその内容が破格だったのだ。


デビュー2連勝を飾って注目を浴びているファンディーナ デビュー戦となった3歳新馬(1月22日/京都・芝1800m)では、スタートから先頭を奪って、そのまま直線に入るとさらにリードを拡大。2着に9馬身差もつける圧勝劇を演じた。

 続く2戦目のつばき賞(2月19日/京都・芝1800m)では、2、3番手の好位につけたが、前半1000mが1分4秒1という超スローペースとなり、後続に差をつけてハナを切ったタガノアスワドの完全な勝ちパターンとなった。だが、直線で大きく抜け出したタガノアスワドを、上がり33秒0という驚異の切れ味を繰り出したファンディーナが難なくとらえて差し切り勝ち。新馬戦と違った形で連勝を飾って、一躍注目の的となった。

 彼女の血統を見ると、半兄に2016年のGI皐月賞(中山・芝2000m)で7着となったナムラシングン(牡4歳/父ヴィクトワールピサ)がいる。同馬は、直前のトライアルとなる若葉S(阪神・芝2000m)で2着となってクラシックの舞台を踏んだ。ファンディーナも、クラシック出走はもちろんのこと、兄以上の結果が期待されている。

 そんなクラシック制覇まで見込まれる逸材を管理するのは、栗東トレセン(滋賀県)の高野友和厩舎。無論、この馬に関わる人たちもその能力の高さを絶賛しているという。関西競馬専門誌のトラックマンが伝える。

「2戦目で33秒0という驚異の末脚を使いながら、『その後のダメージはあまりない』とスタッフは話しています。続けて、『あの上がりでもまだ余力があった。ケチのつけようがない』とべた褒め。確かに、並みの馬では差し切れない展開でしたから、一般的な物差しでは測ってはいけないレベルにあるのかもしれません」

 さらに、同馬に惚れ込んでいるのが、初戦で手綱を取った岩田康誠騎手だという。トラックマンが続ける。

「2戦目のつばき賞は、東京で行なわれたGIフェブラリーS(東京・ダート1600m)と同日だったため、当然のことながら、岩田騎手はそちらを優先しました。それで、代役は川田将雅騎手が務めたのですが、実はレース直前まで、岩田騎手はGIを捨ててファンディーナに乗ろうか迷っていたとか。最終的には『川田騎手の騎乗は今回だけ』という条件で譲ったようですが、岩田騎手の思い入れは相当なものです」

 この談話どおり、3戦目は再び岩田騎手とのコンビでGIIIフラワーC(3月20日/中山・芝1800m)に向かうことが決まっている。その先は未定だが、賞金を加算していい状態を整えられれば、GI桜花賞(4月9日/阪神・芝1600m)挑戦も視野に入ってくるだろう。

 なお、先述のトラックマンによれば、ファンディーナはこれから、さらなる成長が見込めるようだ。

「陣営は、『まだよくなっている段階。成長を重ねている』とコメント。2戦目で控える競馬もできましたし、『もっと頭数の多いレースになっても大丈夫だろう』と自信を見せています。そういう意味でも、3戦目は注目のレースになりますね」 年が明けてから登場した逸材は、はたしてどれだけの能力を秘めているのか。ひょっとすると、デビューから数カ月でクラシック制覇という”シンデレラストーリー”を実現するかもしれない。その可能性を見極めるうえでも、重賞に挑むファンディーナの3戦目は見逃せない。

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