3月5日(日)に、中山競馬場でGII弥生賞(芝2000m)が行なわれる。このレースは4月16日(日)に行なわれる3歳牡馬クラシックレース第1弾・GI皐月賞(芝2000m)のトライアルで、3着以内に入ると本番への出走権が与えられる重要なレースだ。

 皐月賞のステップレースはGIIスプリングステークス(中山・芝1800m)、GIII共同通信杯(東京・芝1800m)、若葉ステークス(阪神・芝2000m)、GIII毎日杯(阪神・芝1800m)など複数あるが、この弥生賞は本番とコース、距離が同じで、レース間隔も十分に取れることから、1983年ミスターシービー、1984年シンボリルドルフなど過去の名馬から、2001年アグネスタキオン、2005年のディープインパクト、2010年のヴィクトワールピサなど、近年も多くの名馬がステップレースに選択してきた。しかし、ここ10年では、このレースから皐月賞を制したのはヴィクトワールピサと08年キャプテントゥーレ(弥生賞4着)のわずか2頭となっており、今年はどのように本番に繋がるか注目だ。


京都2歳ステークスを制したカデナ。弥生賞でも有力な1頭だ


 重賞2連勝中のブレスジャーニー(美浦・本間忍厩舎)が回避し、出走する重賞勝ち馬は2頭。カデナ(栗東・中竹和也厩舎)はGIII京都2歳ステークス(2016年11月26日/京都・芝1800m)を勝利しており、今回はそれ以来、約3カ月ぶりのレースとなる。父は三冠馬であり、リーディングサイアーの大種牡馬ディープインパクトで、兄はGII京王杯スプリングカップを勝ったスズカコーズウェイという良血。父と母の父フレンチデピュティの組み合わせは昨年の勝ち馬で皐月賞2着、日本ダービー1着のマカヒキや、2013年の勝ち馬カミノタサハラと同じ。このコースとは非常に相性の良い配合だ。4戦中3戦で、上がり3ハロン33秒台の差し脚を披露。その瞬発力はマカヒキを彷彿とさせるもので、有力候補だろう。

 もう1頭の重賞勝ち馬は、年明けのGIII京成杯(1月15日/中山・芝2000m)を勝ったコマノインパルス(美浦・菊川正達厩舎)。3戦2勝で、唯一の敗戦となった葉牡丹賞(2016年12月3日/中山・芝2000m)の勝ち馬は後にGIIホープフルS(2016年12月25日/中山・芝2000m)を圧勝するレイデオロだっただけに相手が悪かったと言える。2戦続けて同じコースで好走を続けているのでコースに不安はなく、上位争いは必至だろう。父バゴは仏GI凱旋門賞勝ち馬。父としても2010年菊花賞馬ビッグウィークを出すなど成功を収めている。3代母(曽祖母)リンデンリリーはGIエリザベス女王杯勝ち馬という日本的な血統馬でもある。

 ダイワキャグニー(美浦・菊沢隆徳厩舎)は11月の新馬戦(2016年11月6日/東京・芝1800m)、年明けのセントポーリア賞(1月29日/東京・芝1800m)とデビュー2連勝。前走は4コーナー2番手から上がり3ハロン33秒4という瞬発力を発揮しての快勝だった。2着エトルディーニュは続く共同通信杯で2着に入ったように、決して相手に恵まれたわけではない。父キングカメハメハ×母の父サンデーサイレンスという配合は2015年の日本ダービー、皐月賞の2冠馬ドゥラメンテと同じ。ドゥラメンテはダイワキャグニーと同じセントポーリア賞を勝利しており、それに続けるか注目だ。

 グローブシアター(栗東・角居勝彦厩舎)は昨年12月のホープフルステークス3着以来、約2カ月ぶりの出走。半兄にGIジャパンカップ、GI菊花賞を勝ったエピファネイア、全兄にGI朝日杯フューチュリティステークスを勝ったリオンディーズがいて、母シーザリオもGIオークス、GIアメリカンオークスの勝ち馬という超良血馬だ。しかし、兄2頭ともこのレースに出走して1番人気に推されながら、エピファネイアは4着、リオンディーズは2着に敗退。本番の皐月賞でもそれぞれ2着、5着と敗れており、この兄弟にとっては縁のないレースとなってしまっている。そのジンクスを払拭できるか。

 ダンビュライト(栗東・音無秀孝厩舎)は新種牡馬ルーラーシップ産駒。GIIIサウジアラビアロイヤルカップ(2016年10月8日/東京・芝1600m)2着、前走のGIIIきさらぎ賞(2月5日/京都・芝1800m)3着と勝ち切れないながらも重賞の実績は十分だ。父の産駒は1800mより2000mのほうが好成績で、主要競馬場(東京、中山、京都、阪神)の中でも中山での勝率(18.2%)、連対率(22.7%)は最もいい数字が残っている。ここはピッタリの舞台だろう。今年は甥のブラックスピネルがGIII東京新聞杯を制し、兄ラブラドライトがGIIIダイヤモンドステークスで2着に入るなど、牝系にも勢いがある。

 ベストアプローチ(栗東・藤原英昭厩舎)は昨年の京都2歳ステークスでカデナから0秒4差の3着に入っている。その後2着、6着と結果が出ていないが、父ニューアプローチはGI英ダービー馬で、兄にイギリスとフランスでGIを勝ったレックレスアバンダンがいるという世界的良血馬だ。父の父ガリレオは欧州のトップを走る大種牡馬で、その孫は本馬の他にも昨年の2歳女王ソウルスターリングやGIIIファンタジーステークスを勝ったミスエルテがおり、日本でも大きな注目を集めている。この”血の勢い”に乗りたい。

 2月12日に新馬戦(東京芝1600m)を勝ったばかりだが、高い評価を与えられているのがサトノマックス(美浦・堀宣行厩舎)だ。ディープインパクト産駒で、母がアルゼンチン産馬という血統は昨年のGI菊花賞、GI有馬記念を制したサトノダイヤモンドを思い起こさせる。母ラシャルマンテはアルゼンチンでダート1400〜2000mの重賞を5勝。母の父インディゴシャイナーはなじみのない種牡馬だが、米国ではGI馬を出しており、その父は大種牡馬エーピーインディ。現在2戦2勝の大物牝馬ファンディーナの祖母の父がこのエーピーインディなので、ディープインパクト産駒の配合としては注目度が高まっているパターンだ。 以上、実績馬から新星まで、さまざまな馬を挙げてきたが、このレースは過去5年で1番人気馬が1勝2着1回と、人気馬の信頼度は高くない。2012年には9番人気のコスモオオゾラ、2013年には6番人気のカミノタサハラが制すなど波乱も目立っており、後半に挙げたダークホースたちにも大いに注目したい。

■競馬 記事一覧>>