iPhoneに次いでファーウェイに躍進! SIMフリーで1位、全体で3位と日本戦略でも死角なし

華為技術日本(以下、ファーウェイ・ジャパン)は21日、新しいSIMフリースマートフォン(スマホ)「HUAWEI nova」(以下、nova)と「HUAWEI nova lite」(以下、nova lite)を2017年2月24日(金)に発売すると発表した。
価格はnovaが4万円前後、nova liteが2万円前後。ただし、nova liteは当面、仮想移動体通信事業者(MVNO)からのみの販売となる。
これらの2機種はファーウェイが昨年9月に発表した新シリーズ「nova」で、「新星」を意味する。またファーウェイのコーポレートフレーズ「DNA—Innovation」と「nova」を掛けられており、若者に向けた製品となっている。
発表会に登壇した同社のデバイスプレジデントの呉 波(ゴ・ハ)氏は、novaとnova liteを投入する意図について
「これまで弱かった層へのアピール」
と語っている。
若者や女性を中心とした流行りに敏感な層の取り込みに力を入れ、世界市場だけでなく好調な日本市場でもさらなる躍進をめざすという。
さらに呉氏は、
ファーウェイ・ジャパンが2016年のSIMフリースマホ市場の販売台数シェアで1位(28.8%)を獲得し、NTTドコモなどのキャリア向けも含めた日本全体のスマホ販売台数でも2016年12月の単月ならiPhoneのアップルやXperiaのソニーに続く3位に躍り出たことも明らかにしだ。
これらはともにBCNランキングのデータだが、囲み取材では今月6〜12日のGfKラインキングを引用して「iPhone、iPhone、iPhone……ファーウェイ」と表現し、同社の人気機種「HUAWEI P9 lite」がキャリア向けも含めた機種別ではじめてSIMフリーがトップ10に入ったことも紹介した。
実際には1〜6位はiPhone(うち4位のY!mobile向けiPhone 5s以外はiPhone 7)だが、7〜9位にXperiaが入っており、BCNランキングと同様に日本で人気のあるiPhoneとXperiaに続く形となっている。
加えて、呉氏は単に販売台数を追っているわけではなく「プレミアム戦略」に注力しており、日本でもフラッグシップモデルの「HUAWEI P9」や「HUAWEI Mate 9」を中心に選び抜いた製品だけを投入しているという。
確かに同じSIMフリースマホ市場でシェアを追うエイスース(ASUS JAPAN)やFREETEL(プラスワン・マーケティング)では、低価格なモデルがラインナップされていること多い印象はある。
今回、日本で発売となったnovaとnova liteにしても外観はともに高級感があり、novaは「au VoLTE」や「キャリアアグリゲーション(CA)」、「デュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)」といったSIMフリースマホのトレンドにもしっかりと対応した上での約4万円という価格設定は、お買い得感がある。
またnova liteは、細かな仕様ではnovaよりも性能や機能が落とされているが、約2万円という低価格が大きな特徴だ。
昨春に約3万円で高コスパモデルとして人気となった「HUAWEI GR5」より、さらにコストパフォーマンスが高い点は大きなセールスポイントだろう。
novaは前述通り、海外では昨年秋に発表した機種だが、日本市場の若者が新たにスマホを持つことが多い春商戦にあわせて投入してきたことは、呉氏が言う「(日本市場での目標は)毎年、生き残ること」という姿勢に基づき、きちんと市場調査している結果だとも感じる。
日本では特に若者を中心にiPhoneのシェアが高くなっているが、料金を気にする親には格安SIMと合わせてnovaとnova liteがiPhoneの代わりとして強く訴求できそうだ。
海外では近く次期フラッグシップスマホ「HUAWEI P10」が発表される見込みだが、呉氏は「これまでの単なる後継ではなく、みなさんに『ワォ!』と言ってもらえる画期的な製品」だと言う。
現在の好調さにそのままHUAWEI P10を乗せ、今後も世界だけでなく日本でもファーウェイの勢いに目が離せそうにない。