© ucchie79 - Fotolia.com


子連れの外出で、手軽に食事をする場所といえばやっぱりファミリーレストラン。子どもにとって魅力的に見えるお子さまランチですが、親としては「栄養面などを考えるとどうなんだろう…?」と考えてしまうこともしばしば。

今回は、管理栄養士・幼児食アドバイザーで「管理栄養士ママが教える! 子どものからだとこころが育つ!食事のホント」の著者でもある山口真弓さんに、お子さまランチに関するさまざまな疑問に答えてもらいました! 私たちがよく知っている、おなじみのチェーン店のお子さまメニューから、おすすめのお子さまランチも教えてもらいましたよ!

■「お子さまランチ」は親子で楽しむレジャーの一環!
「お子さまランチを食べる上でもっとも大切なのは、あくまでレジャー感です」と山口さん。たしかに、栄養バランスや添加物などのことを考えたら、家庭の手料理のほうが優れているのは当然のこと。ただし、外食は母親の息抜きにもなるし、子どもにとっても普段と違う環境での楽しい食事の経験になります。「いつもは食べられない野菜が食べられた」といったキッカケにつながることもあるので、月に1〜2回なら活用しても良いそうですよ。

一般的にお子さまランチのエネルギー量は、500kcal以上のものが多く、すべて食べきると考えた場合、3歳〜6歳程度を想定していることが多いとか。今はお子さまメニューの幅も広がっているので、うどんなどであれば1歳ごろからでも少量を食べることは可能。家族みんなで、外食の楽しさを一緒に味わえたら嬉しいですね!

■管理栄養士直伝! ファミレスで子どもにやってあげたい工夫
ファミレスのメニューは、お子さまメニューに限らず見た目が華やかなものが多いですが、その分、油分や塩分などが多く含まれていることがあります。そのため、大人のメニューを子ども用に取り分ける際には、味を薄くするなどの配慮が必要です。「食事のマナーとしては決して良いとは言えませんが…」と前置きした上で、山口さんが教えてくれた対処法を紹介します!

揚げ物は衣を半分はがすべし
唐揚げやとんかつなど、ファミレスの定番メニューには揚げ物がズラリ…。子どもに与えるときは、衣を半分はがして与えるようにしましょう。ちなみに唐揚げの場合、鶏皮部分を取るだけでエネルギーは半減します。衣や皮を避けるという一手間で、余計な油分などをカットすることができるんです。

フライドポテトは紙ナプキンで拭くべし
お子さまメニューに必ず付いてくると言っても過言ではないフライドポテト。あらかじめ塩を少なめにするようお願いしたり、テーブルにある紙ナプキンでサッサッと拭いたりするだけでも、摂取する油分や塩分には違いが出るそうです。

汁物には氷を入れるべし
大人用のうどんやラーメン、スープなどの汁物は子どもには味が濃すぎてしまいます。そこで活用したいのが「氷」。汁物に氷を入れることで味が薄まるだけでなく、料理が適度に冷めるので、子どもでもすぐに食べ始めることができて一石二鳥♪

チャーハンなど味付きご飯には白米を混ぜるべし
汁物は簡単に薄められるけど、さすがにご飯類は……というのは早とちり。白米を混ぜることで、その味を薄めることができるのです。チャーハンや炊き込みご飯など、はじめから味が付いているご飯類に活用できる目から鱗のアイデアです!

■管理栄養士ママが選ぶオススメのお子さまランチ4選
ファミレスでの注意点がわかったところで、気になるのはお子さまランチの選び方。たまの外食だから栄養面は気にせずに……といっても、親としては少しでも子どもにとってプラスになるメニューを選びたいですよね。

そこで山口さんに、栄養面だけでなく、見た目や子どもの食べやすさなども踏まえた上で、大手ファミレスチェーン店が提供するお子さまメニューから独自にオススメの4品をピックアップしてもらいました。今回は、アレルギー対応メニューを除いたお子さまメニューからの選出です。是非とも参考にしてみてくださいね!

■おすすめ1「おこさま食育 おにぎりプレート」/ジョナサン

なんといっても、自分でのりを巻いて食べるというオリジナリティが魅力。お子さまメニューにおいて、やはり子どもが楽しんで食べられるというのが一番のポイントです。野菜はブロッコリー&かぼちゃの温野菜で、油分などが気になる人はマヨネーズを付けずに与えてもOK。同じくジョナサンの「おこさまうどん」も、卵やにんじんなどの野菜が入っており、素うどんを食べるより栄養が摂れる嬉しい一品です。(注文は小学生以下)

■おすすめ2「キッズカレープレート」/ガスト

ガストのキッズカレーは、ブロッコリー、カリフラワー、赤ピーマン、ほうれん草、にんじん、たまねぎという6種類の野菜入り。野菜が細かく刻まれている上、カレーということもあり野菜嫌いの子どもでも大抵は気付くことなく食べてくれるはず。カレーはあまり噛まずにサラサラと食べてしまう子もいるので、枝豆でしっかりとあごの運動を。「消化に良さそう」といったなんとなくの理由で子どもには柔らかいものを与えがちですが、あごを動かして噛むという行為は成長の過程でとても大切なことなのです。※注文は小学生以下。

■おすすめ3「お子さまうどんせっと(温)」/大戸屋

うどん、かぼちゃのコロッケ、レタスというシンプルな3品でありながら、子どもが食べやすい内容。うどんは1歳程度の小さな子どもでも食べることができ、卵入りなのでタンパク質も摂取できます。コロッケは、油分が気になる場合は衣を避けて中身だけ与えるようにしましょう。一般的に和食店は、ひじき煮やおひたしなど、大人用のメニューにも栄養価が高く取り分けしやすいメニューが多いため、小さな子どもとの外食にぴったりです。

■おすすめ4「キッズグラタン」/ビッグボーイ

マカロニ入りのクリームグラタンは子どもが味覚的に好むだけでなく、炭水化物、脂質、タンパク質を一度に摂取できる優秀メニュー。そして何より、サラダ・スープ・カレー・ライス・ドリンク付きというのが最大の魅力です。バイキング形式で食べたいものを好きな量持ってくることができるので、レジャー感もたっぷり! 量の調整ができるため、比較的年齢が高い子どもでも満足できるのも特長です。※注文は小学生以下。

「おこさまランチ」といっても、内容量は各レストランによって異なります。子どもの消化機能や味覚、食事量に合わせて、適宜メニューを選ぶようにしましょう。家庭の食卓とはちょっぴり違う特別なレジャーとして、ファミレスで楽しい食事の時間を過ごしてみるのも良いかもしれませんね!

取材協力/山口真弓さん ブログ「管理栄養士ママの三食健美」
http://ameblo.jp/sanshokukenbi/
(nakamura omame)