厳選!新馬情報局(2017年版)
■第35回:エリティエール

 まだGIタイトルにこそ手が届いていないものの、誰もが認めるトップクラスの現役牝馬と言えば、ルージュバック(牝5歳/父マンハッタンカフェ)だろう。 

 2014年秋にデビューした彼女は、新馬、500万特別、そして翌年のGIIIきさらぎ賞(京都・芝1800m)と3連勝を遂げた。しかもその内容が秀逸で、2戦目の百日草特別(東京・芝2000m)はレコードタイムで勝利。続くきさらぎ賞では評判牡馬たちを蹴散らして、牝馬として51年ぶりの優勝を決めた。

 その年、期待された牝馬三冠では美酒を味わえなかったものの、GIオークス(東京・芝2400m)で2着と奮闘。古馬相手のGIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)でも僅差の4着と、秘めた能力の一端を見せた。

 翌2016年は、GIIIエプソムカップ(東京・芝1800m)とGII毎日王冠(東京・芝1800m)を完勝。特に毎日王冠では、牡馬一線級を相手に堂々たるレースを見せた。

 そして、ルージュバックは今年も現役続行。待望のGIタイトル獲得へ、日々鍛錬を続けている。

 そんな悲願達成に燃えるルージュバックの妹が、デビューを控えた3歳馬の中にいる。エリティエール(牝3歳/父ディープインパクト)である。

 姉と同じく、美浦トレセン(茨城県)の大竹正博厩舎に所属する彼女は、現在デビューへ向けて本格的な調教を重ねているという。関東競馬専門誌のトラックマンが語る。

「追い切りの動き自体は、悪くないようですね。調教を見ていた他のトラックマンも、"軽快な動き"と評価していました。厩舎スタッフからは『ルージュバックと比べるのはかわいそうだが、デビュー戦や条件戦なら十分上位を走れる力はある』とのこと。ある程度の水準には達していそうです」

 さすがに姉のような快進撃を望むのは難しいとはいえ、かなり高い能力が備わっていることは間違いなさそうだ。

 注目のデビュー戦については、2月12日の3歳新馬(東京・芝1600m)が予定されている。ちなみに、デビューがここまで遅れてしまったのは、体質的な面が大きいという。先述のトラックマンが続ける。

「馬体が華奢(きゃしゃ)で、レース時はおそらく430kgを切ると思います。それもあってか、調教を続けると疲れがすぐにたまってしまい、なかなかデビューに踏み切れなかったようです。ただ、ここに来て、少しずつ体質強化が図れてきているとのこと。初戦の走り次第では、クラシック戦線でも面白い存在になれるかもしれません」

 なお、「スタートが苦手なので、陣営は新馬戦での出遅れを心配している」とトラックマン。また、この時期は新馬戦に登録する馬が非常に多く、抽選で除外されて、出たいレースに出られない可能性もある。その点も、同馬にとってはクリアしたいポイントだ。

 それでも、血筋のよさを考えれば、姉のように初戦から輝かしい走りを見せて、注目を浴びる存在になってもおかしくない。まずはその初陣を、しっかりチェックしておきたい。

河合力●文 text by Kawai Chikara