マック、「無料コーヒー」キャンペーン、行列できず・・・(写真は、マクドナルド「大崎ゲートシティ店」2017年1月16日8時30分撮影)

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2017年1月16日、「マクドナルド」の「プレミアムローストコーヒー」のホットSサイズが、無料で「お試し」できるキャンペーンが始まった。

1月13日のキャンペーンの発表直後は、「無料配布」ということで、インターネットの掲示板などでは、「多くの人が殺到するのではないか」「長蛇の列ができるのではないか」などと心配された。ところが始まってみると、そんな「騒ぎ」にはならなかったようだ。

「あまり知られていないのかもしれません」

日本マクドナルドホールディングス(HD)が、全国の「マクドナルド」で開始した「朝5日間『ホットコーヒー売りません』。無料でお試しいただけます」キャンペーンは、1月16日から20日までの5日間の、朝7時から10時までの時間帯に限って実施している。

この「お試し」キャンペーンは、同社が2017年の商品戦略として掲げる「おいしさ向上宣言」の第1弾で、本格派コーヒーブランド「マックカフェ」のレギュラーコーヒー「プレミアムローストコーヒー」を、「マック史上最高リッチな味と香り」を実現したリニューアルに伴うもの。

これまで使用してきた3種のコーヒー豆に、新たにエチオピア産モカを加えた4種類の豆をブレンド。焙煎方法や専用のコーヒーマシンによる抽出方法にこだわった、コク深くクリアな後味に仕上げた。そんな「マック自信」のホットコーヒーが、ハンバーガーやマックフライポテトなどの他の商品を注文しなくても「無料」で飲めると、楽しみにしていた人は少なくなかった。

ところが、ふたを開けてみると、店舗によっては行列どころか、店内が閑散とするありさま。J‐CASTニュースが日本マクドナルドHDに話を聞くと、

「無料キャンペーンのことが、あまり知られていないのかもしれません」

と話す。

同社では16日からテレビCMを展開しているが、「新しく、おいしく、『生まれ変わったコーヒー』をPRしているので、無料キャンペーンについてはふれていません」と説明。店舗で看板を出したり、チラシを配布したり、公式ツイッターなどのソーシャルネットワークサービス(SNS)で告知したりしているが、「行き届いていないのかもしれません」ともいう。「あす(17日)以降、SNSなどを駆使してPRをかけたい」としている。

一方で、東急蒲田駅前店では、駅を利用するサラリーマンなどが多く立ち寄る姿が見られるなど、好調な滑り出しをみせた店舗もあるという。同社では「店頭で『お試し』をPRしたところ、立ち寄っていただいたり、持ち帰っていただいたりしたお客様も多かったようです」と話す。

「実際に手にとっていただき、飲んでもらえれば、新しく、おいしくなったことがわかっていただけるはず」と、自信をのぞかせる。

朝コーヒーの「牙城」コンビニとの対抗意識

今回の、マックのホットコーヒーの「無料お試し」キャンペーンが「静かなスタート」になったのは、「朝7時から10時限定」だったことや、無料コーヒーの配布が基本的に「お一人様一杯」に限っていたことがあったかもしれない。

朝、出勤途中で立ち寄るとなると、会社近くの店舗になると思われる。「無料」とはいえ、あわただしいサラリーマンらには行列に並んでいる時間がないとみられる。

インターネットには、

「なんとなく寄った。待たずにもらえたよ」
「朝限定なのがキツイ。昼飯食う前に寄ってコーヒーだけもらってもいいかな?」
「コーヒーだけで? 騒ぎ過ぎだろw」

といった声があがる。

「1人だけど2杯もらったしwww」

との声もあった。

「コーヒー」をめぐる競争は熾烈だ。マックの「プレミアムローストコーヒー」(Sサイズ)は、通常100円。セブン‐イレブンの「セブンカフェ」やローソンの「MACHI cafe」、ファミリーマートの「ファミマカフェ」といったコンビニエンスストアも、「100円コーヒー」に力を注ぐ。

最近は、オフィス街では出社前にコンビニへ立ち寄ってコーヒーを買って会社に入るサラリーマンらの姿をよく目にするようになった。マックが「朝」を意識するのは、そういったコンビニへの対抗という面もある。

コーヒーは「朝が勝負」。マックが「おいしさ」で、コンビニの牙城に割って入ることはできるのか――。