厳選!新馬情報局(2017年版)
■第33回:ラディアンスウェイ

 さまざまな腕達者のホースマンがしのぎを削る日本競馬において、現在、名実ともに「トップ調教師」と言えるのが、美浦トレセン(茨城県)の堀宣行調教師だろう。

 JRAでは年間成績をもとに、毎年調教師の表彰を4部門で行なっている。最多勝利調教師、最高勝率調教師、最多賞金獲得調教師、優秀技術調教師の計4つである。 

 先日、2016年のJRA賞が発表されたが、上記4部門のうち、最多勝利を除く3つのカテゴリーでその栄誉を手にしたのが、他でもない堀調教師だったのである。

 実際、堀調教師が率いる厩舎からは、近年の競馬界を彩ったスターホースが次々に登場している。代表的な馬たちを挙げれば、2015年の3歳牡馬クラシックにおいて二冠(皐月賞・日本ダービー)を達成したドゥラメンテ、国内外でGI6勝を挙げたモーリスらがそうだ。

 そんな堀厩舎において、まだデビュー前ながらも大きな期待を集めている3歳馬がいる。ラディアンスウェイ(牡3歳/父ディープインパクト)である。

 母は、現役時代にアメリカのGIを2勝したギャビーズゴールデンギャル。それに、トップ種牡馬のディープインパクトを配合して生まれた良血馬だ。

 そんな血統背景を持つこの若駒に対して、厩舎スタッフはきわめて高い評価を与えているという。関東競馬専門紙のトラックマンが語る。

「昨年12月にゲート試験をパスして、年末年始に本格的な調教を行ないましたが、『相当モノはいい』とのこと。デビュー戦は"出たとこ勝ち"くらいの感触を持っているようです。厩舎としてもかなり期待している逸材で、先々も相当楽しめる1頭だと見ていますね」

 名うてのスタッフたちがこれだけの賛辞を送るのだから、その素質は間違いないと言えるだろう。となると、早くその姿を競馬場で見たいものだが、デビュー戦についてはまだかなり先になりそうだ。

 というのも、少し調教をしたあと、同馬は再び放牧に出されてしまったのである。ただし、これはアクシデントではなく「期待しているからこそ」だという。先述のトラックマンが続ける。

「何本か本格的な追い切りをしたのですが、疲れが出てしまったため、無理せず放牧に出したようです。先々大きいところを狙える器だからこそ、ここはあえて大事を取ったとのことですね。普通なら、この時期に素質馬を管理すると、つい春のクラシックに照準を合わせてしまいますが、そこは馬の成長を優先する堀厩舎。クラシックうんぬんよりも、その先のビッグタイトルを見据えているのでしょう」

 現在は放牧に出ているため、デビューについては「今後の調整の進め具合で決まっていくのではないか」とトラックマン。じっくりと成長を促したその先で、トップ厩舎が太鼓判を押す実力が存分に見られることだろう。

 大きな期待を受けて、じっくりと英気を養うラディアンスウェイ。デビュー戦を迎える日が待ち遠しい。


河合力●文 text by Kawai Chikara