【厳選!2歳馬情報局(2016年版)】
■第30回:アドマイヤロブソン

 ハイレベルなメンバーがそろい、大いに盛り上がった今年の3歳牡馬クラシック戦線。タイトルを獲得した馬たちはもちろん、それ以外の"脇役"にも記憶に残る実力者たちが多数いた。

 その一頭が、アドマイヤダイオウ(牡3歳/父ディープインパクト)である。

 同馬は、昨年11月のデビュー戦こそ3着に敗れたものの、2戦目の未勝利戦から500万下、オープン特別と破竹の3連勝を飾った。特に圧巻だったのが、3勝目となったオープンの若葉S(阪神・芝2000m)だ。

 皐月賞トライアルとなるこの一戦で、単勝1.7倍という圧倒的な支持を得たアドマイヤダイオウ。レースでは、中盤で一気に前へ取りつくと、直線に入ってからは2番人気ナムラシングンとのマッチレースを展開した。

 残り100m地点、完全に前に出たのはナムラシングンだった。だが、そこからアドマイヤダイオウが底知れぬ勝負根性を発揮。ナムラシングンに半馬身かわされたあと、ゴール前で再度盛り返して、大逆転勝ちを収めたのである。

 次走のGI皐月賞(中山・芝2000m)では9着に敗れたものの、秘めた能力の片鱗は示した。その後、戦列を離れているが、復帰してくれば、大舞台でも活躍できる器だろう。

 さて、そのアドマイヤダイオウの弟となる2歳馬が、デビューへ向けて着々と準備を整えている。アドマイヤロブソン(牡2歳/父ディープインパクト)である。

 管理するのは、兄と同じ栗東トレセン(滋賀県)の友道康夫厩舎。兄弟を知るスタッフは、アドマイヤロブソンについて、どんな評価をしているのだろうか。関西競馬専門紙のトラックマンが伝える。

「500kg近い雄大な馬体で、調教では『水準以上の動きを見せている』とのこと。スタッフも確かな能力を感じているようです。この馬の兄には、ダートを主戦場としているアドマイヤスター(牡4歳)もいますが、『雰囲気はアドマイヤダイオウに似ている』と話しています」

 すでにデビュー戦の日取りは決まっていて、1月5日の3歳新馬(京都・芝2000m)に挑む予定だ。トラックマンいわく、「じっくり乗り込んでおり、年内でも使えそうな仕上がり」とのことで、万全の状態で臨めそうだ。

 ただ、能力や状態面についてはスタッフも高い評価をしているが、今後の活躍を見据えるうえでは課題もあるという。先述のトラックマンが説明する。

「欲を言えば、もう少し折り合い面がよくなってほしいみたいですね。ちょっと引っかかってしまうなど、『決して乗りやすいタイプではない』と聞いています。ただ、そうした課題はあるものの、動き自体はなかなかのもの。多くの有力馬がデビューし終わった1月の新馬戦なら、いいレースを見せられるのではないでしょうか」

 先述の、ふたつ上の兄アドマイヤスターはデビュー戦を快勝し、ひとつ上の兄アドマイヤダイオウは2戦目から3連勝を決めている。つまり、早いうちに勝ち星を挙げることができる、安定したファミリーと言える。

 ゆえにアドマイヤロブソンも、たとえ課題があったとしても、デビュー戦からきっちり結果を出してくる可能性は高い。年明け早々、新たな逸材としてクラシック戦線に名乗りをあげることができるのか、その初陣に注目したい。

河合力●文 text by Kawai Chikara