■2016クリスマス決戦、有馬記念(1)

 プロ生活10年目のシーズンを終えた中日ドラゴンズ・福田永将(のぶまさ)。中学生時代にはニューヨーク・メッツから入団テストのオファーを受け、ドラゴンズ入団後はプロ初打席で初ホームランを記録するなど、大砲としての素質を期待されてきた彼が、今季後半ついにドラゴンズの4番を担い、初の2ケタ本塁打も記録するなどブレイクを果たした。来シーズンもさらなる飛躍が期待される遅咲きのロングヒッターだが、グラウンドを離れると、意外にも競馬好きという。プロ2年目の春季キャンプでは、球界屈指の馬券好きとして知られる山本昌と同室だったという縁もある彼が、野球と競馬の意外な接点を語るとともに、今年の有馬記念を占ってくれた。

 実は小さい頃から、意外と馬との接点があったんです。僕の父は彫金の仕事をしていたのですが、仕事場が馬事公苑(東京都世田谷区)のすぐそばで、扱うデザインも馬関係のものがメインだったんです。馬の形はもちろん、蹄鉄や鞍の形だったり、鐙(あぶみ)だったり。そういったこともあって、馬は乗ることこそなかったんですが、身近には感じていました。

 その父の影響もあってか、うちにナリタブライアンのぬいぐるみがありました。ちょうど僕が小学校に入ったくらいに大活躍したんですよね。当時はそれほど意識しなかったんですが、"三冠"馬でしょう。野球選手にとっては憧れの響きですから、僕がこうしてプロとして活動できているのも何かの縁かもしれません。

 球団に入って、先輩でも馬券好きが結構いて、面白そうだなあと思いつつも、最初は特にその輪に加わろうというのはなかったですね。自分もまだまだペーペーでしたし、何しろ競馬にお金を使えるほど稼ぎもよくなかったですから。

 それがある年のオフ、お正月でたまたま地元(神奈川県・横浜市)に帰っていたときに、友人に誘われて、「じゃあ、ちょっと行ってみようか」と川崎競馬場に行ったんです。これが初めての競馬観戦でした。ちょうどお正月休みだったんで、お客さんがすごく多くてにぎわっていましたし、何しろ馬が大きくて、格好よくて、びっくりして、「ああ、確かにこれは、はまる気持ちがわかったかも」と思い、そこから引き込まれましたね。今は横浜高校野球部の同期や野球仲間とLINEのグループを作って、毎週末「何買う?」って、やり取りさせてもらってます。

 球団の練習場が尾頭橋(おとうばし)の駅に近くて、ここってウインズ名古屋もすぐ目の前なんですよ。それで練習の合間に、職員さんとかに頼んだりしていました。去年からは僕の使っているゆうちょ銀行もネット投票に対応したので、それからは携帯を使って馬券を買うことが多いですね。

 でも、全然当たりません(笑)。普段の予想では、まず新聞上で誰も印をつけていない馬は買い目からはずします。プロのみなさんが「いらない」と一致している馬はやっぱり狙いにくいです。それから、たぶん素人さんだと思うんですけど、ブログで毎週穴馬を何頭かピックアップしている人がいて、それを参考にしています。記者さんでは、万哲(スポーツニッポン、小田哲也記者)さんの予想も見ますね。あと若原(隆宏)さん(東京中日スポーツ記者)のもよく見ます。あの人もたまにすごい大穴をズバっと当てますよね。

 馬券は三連単、三連複、馬単のマルチ流しが多いです。三連単はずっと当てたかったんですが、今年やっと、250倍ぐらいの馬券が当たりました。200円買っていたので、5万円ちょっとの払い戻しになりましたけど、うれしかったですね。山本昌さんみたいな豪快な払い戻しにも憧れますが、あの人たちは張る金額もすごいですからね(笑)。

 ただ僕は、馬券は当たりすぎなくていいと思っています。実際に今年の夏、CBC賞(GIII、中京・芝1200m)で、新聞を見ながら「レッドファルクス(3番人気)とラヴァーズポイント(7番人気)だ!」と閃(ひらめ)いたんです。この2頭の馬単で表裏1000円ずつ買おうと、ナゴヤドームでの試合前の休憩時間にスマホを操作していたんですね。ところが、最後のところで通信がうまくいかなくて。まあ、あとで買おうと思っていたんですが、そうこうしている間に試合(14時プレイボール)も始まっちゃいまして(笑)。

 あとで結果を見たら、馬単で19,540円もついてたんです。これだけだと、やっちまった!って思うところなんですが、実はこの日の試合でホームランを打ったんですよ。しかも満塁で。だから、むやみに運を使わなくてよかったんだ、と思っています。やっぱりこういうゲンみたいなのは気にしますね。

 まだ、「思い出の馬」というほどの馬には巡り会えていないんですが、逆に競馬が面白くなってきて、昔の映像を見ることが多くなって、その中でトウカイテイオーにはものすごく感動しましたね。前の年の有馬記念を1番人気で惨敗して、それから1年後の有馬記念でカムバック。1年ぶりのレースがGI中のGIだなんて常識的には勝てないのに、完璧な走りで勝ってしまいましたからね。知れば知るほどに競馬は面白いですが、今のところ一番のエピソードだと思います。僕は野球以外のスポーツでは泣かないと思っていたんですが、これは泣けますね。若い競馬ファンにもぜひ、レースを見てもらいたいです。

 野球でも一流中の一流は、ケガから復帰して、最初の試合でいきなり結果を出すんですよね。競馬でもそれがあるんだなあと思いました。

 あと、結果という面では外国人騎手が乗り替わってきっちり結果を出すじゃないですか。あれもすごいなあ、と。というのも、プレッシャーの度合いでいくと、僕の場合4番のプレッシャーよりも、チャンスで代打にいくほうがプレッシャーは大きいんですよ。「打てばヒーロー!」と変に自分を高ぶらせてもダメですし、だからといって「ここで打たないと......」と硬くなるのももちろんダメ。スタメン4番の場合は試合の流れがありますが、代打はいきなり試合に入っていくので、ちょうどいいテンションを保つのが難しいんです。それでも一発勝負で結果を出さないといけない。だから、いくらうまいとはいえ乗り替わって結果をきっちり出すのは大したものだなあと思います。

ただ、初対戦のピッチャーもそうですけど、受身になるのはよくない。打席に立ってから球を見るのでは遅くて、どんどん振っていって主導権をこちらが握ることが大切です。結果を出す外国人騎手には、そういった"場"のコントールの巧さも感じますね。

 今年の有馬記念はシュヴァルグラン(牡4歳、父ハーツクライ)にまず注目しています。この馬いいなあ、と思って追っかけていたら、ひょんなことから佐々木(主浩、元メジャーリーガーで、現在は解説者)さんの馬だとわかって、より応援するようになりました。やっぱり将来的には馬主になってみたいですしね。この馬自身、成績も安定していながら、1番人気にはなりにくいですし。でも、休み明けだった前々走のアルゼンチン共和国杯(GII、東京・芝2500m)の勝ちっぷりや前走のジャパンカップ(GI、東京・芝2400m)の走りを見ると、この馬が中心だなあ、と。ゲートの悪いクセがないのもいいです。あと、お父さんのハーツクライも有馬記念で断然人気だったディープインパクトに勝っています。この馬もその再現ができるのではないでしょうか。この馬から馬単のマルチで流すと思います。

 ただ僕は、馬券は当たりすぎなくていいと思っています。実際に今年の夏、CBC賞(GIII、中京・芝1200m)で、新聞を見ながら「レッドファルクス(3番人気)とラヴァーズポイント(7番人気)だ!」と閃(ひらめ)いたんです。この2頭の馬単で表裏1000円ずつ買おうと、ナゴヤドームでの試合前の休憩時間にスマホを操作していたんですね。ところが、最後のところで通信がうまくいかなくて。まあ、あとで買おうと思っていたんですが、そうこうしている間に試合(14時プレイボール)も始まっちゃいまして(笑)。

 あとで結果を見たら、馬単で19,540円もついてたんです。これだけだと、やっちまった!って思うところなんですが、実はこの日の試合でホームランを打ったんですよ。しかも満塁で。だから、むやみに運を使わなくてよかったんだ、と思っています。やっぱりこういうゲンみたいなのは気にしますね。

 まだ、「思い出の馬」というほどの馬には巡り会えていないんですが、逆に競馬が面白くなってきて、昔の映像を見ることが多くなって、その中でトウカイテイオーにはものすごく感動しましたね。前の年の有馬記念を1番人気で惨敗して、それから1年後の有馬記念でカムバック。1年ぶりのレースがGI中のGIだなんて常識的には勝てないのに、完璧な走りで勝ってしまいましたからね。知れば知るほどに競馬は面白いですが、今のところ一番のエピソードだと思います。僕は野球以外のスポーツでは泣かないと思っていたんですが、これは泣けますね。若い競馬ファンにもぜひ、レースを見てもらいたいです。

 野球でも一流中の一流は、ケガから復帰して、最初の試合でいきなり結果を出すんですよね。競馬でもそれがあるんだなあと思いました。

 あと、結果という面では外国人騎手が乗り替わってきっちり結果を出すじゃないですか。あれもすごいなあ、と。というのも、プレッシャーの度合いでいくと、僕の場合4番のプレッシャーよりも、チャンスで代打にいくほうがプレッシャーは大きいんですよ。「打てばヒーロー!」と変に自分を高ぶらせてもダメですし、だからといって「ここで打たないと......」と硬くなるのももちろんダメ。スタメン4番の場合は試合の流れがありますが、代打はいきなり試合に入っていくので、ちょうどいいテンションを保つのが難しいんです。それでも一発勝負で結果を出さないといけない。だから、いくらうまいとはいえ乗り替わって結果をきっちり出すのは大したものだなあと思います。

ただ、初対戦のピッチャーもそうですけど、受身になるのはよくない。打席に立ってから球を見るのでは遅くて、どんどん振っていって主導権をこちらが握ることが大切です。結果を出す外国人騎手には、そういった"場"のコントールの巧さも感じますね。

 今年の有馬記念はシュヴァルグラン(牡4歳、父ハーツクライ)にまず注目しています。この馬いいなあ、と思って追っかけていたら、ひょんなことから佐々木(主浩、元メジャーリーガーで、現在は解説者)さんの馬だとわかって、より応援するようになりました。やっぱり将来的には馬主になってみたいですしね。この馬自身、成績も安定していながら、1番人気にはなりにくいですし。でも、休み明けだった前々走のアルゼンチン共和国杯(GII、東京・芝2500m)の勝ちっぷりや前走のジャパンカップ(GI、東京・芝2400m)の走りを見ると、この馬が中心だなあ、と。ゲートの悪いクセがないのもいいです。あと、お父さんのハーツクライも有馬記念で断然人気だったディープインパクトに勝っています。この馬もその再現ができるのではないでしょうか。この馬から馬単のマルチで流すと思います。

 相手には牡馬のレースに牝馬が出ていると応援したくなるので、牝馬のマリアライト(牝5歳、父ディープインパクト)とミッキークイーン(牝4歳、父ディープインパクト)を推します。力はあるのに、近走が今ひとつ、という馬も僕がよく買う馬なので、それにも当てはまります。それからあまり高額じゃない馬も好きなので、ゴールドアクター(牡5歳、父スクリーンヒーロー)も気になります。同じお父さんのモーリスはすごい安かった馬なのに、あそこまで出世したので、この馬も同じくらいの活躍を期待しています。

 実は、ちょくちょく競馬の夢を見るようになりまして。3年前の金鯱賞(GII、中京競馬場・芝2000m)でもカレンミロティックが勝つ夢を見て、そこから馬券を買ったら大当たり。去年の有馬記念の前にはゴールドシップが大コケする夢を見たら、その通りになりました。なので、最後の決断は夢のお告げに従おうと思います(笑)。

 本業の野球では、今シーズンがこれまでで一番いい成績でしたが、終盤で少し無理をして肩を傷めてしまったので、まずはこれを万全にして、来シーズンに備えたいと思います。いずれ、夢である馬主になるためにも(笑)、今年以上にいい成績を残したいと思います。

土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu