最新おでかけスポット・イン・アフガニスタン
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ウクライナ人の写真家アンナ・ロシュキンの写真は、人々がごく普通にストレス解消する風景を映し出す。カラオケバーで流行歌を歌う姿、遊園地でバンパーカーをぶつけ合う姿、ピンボールを楽しむ姿などだ。これらは米国内ではどこの都市でも目にする光景だが、撮影場所がアフガニスタンなら話は違う。「戦争状態にある地域でも、人は楽しいことを求めます」とロシュキンは言う。
ロシュキンはアフガニスタンの首都カブールに1カ月滞在し、街を歩き回って、ボーリング場やペイントボール場、その他米国の郊外ではよく見かけそうな娯楽施設を見つけた。その多くは米国の占領下でつくられたもので、カブール市内に増えつつある中産階級に人気のようだ。
人権NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」の研究員、アーマド・シュジャは、アフガニスタンにも、会社勤めをしていて自撮り写真を撮るような人たちがいると述べたうえで、「そうした人たちは、ブズカシ(騎馬隊がヤギをボール代わりにして奪い合う競技で、アフガニスタンの国技)や闘鶏のような伝統的な娯楽には参加しません」と語る。
ロシュキンはイスラエルのテルアヴィヴ在住だが、「アフガニスタンの女性」をテーマにしたプロジェクトのために3年前から同国を訪問している。
同氏は、カブール市内のいたるところで娯楽場を見てきた。それらは、米国文化に触発されたことは明白だが、アフガニスタンの伝統的価値観や道徳観にも沿っている。常連客の中に女性はほとんどおらず、出入禁止にしている施設さえある。
内部に入れるのは男性と少年、10歳以下の少女だけというプールでの撮影では、時間をかけないことと、中にいる男性や子どもに決して近づかないと約束して初めて、マネージャーが許可してくれた。
女性たちは、家やショッピングセンターに集まってアイスクリームを食べたり、モールに併設された屋内遊園地「Wonderland」(ワンダーランド)でゲームを楽しだりする。女性たちは、安全を考慮して、昼間に出かけるのを好むことにロシュキンは気づいた。「女性は、結婚式以外での夜の外出を嫌がります。ただし、結婚式だけは別です。お祝いだし、盛大なパーティがあります」
ロシュキンが『Entertainment in Kabul』の撮影を開始して以来、アフガニスタンの政治や経済をめぐる情勢は悪化する一方で、こうした施設の今後も不確かだ。「外国人やカブールに住む富裕層がよく行くレストランの多くは、すでに店じまいをしてしまったか、その準備をしている状態です」とシュジャ氏は言う。
それでも生活は続いていく。ロシュキンが撮影した多くの写真は、タリバン政権下で禁止されていた、あるいは場所によっては眉をひそめられる数々の活動を楽しむ人々の様子を見せてくれる。パーティでダンスする姿やボーリングの球を投げる姿は、終わりの見えない不協和音と戦火の国で、個人の自由と楽しみを主張するものだ。